我が家には二人の息子がいますが、「食」に対する興味を持つ時期がそれぞれ違っていました。
19歳になる上の息子は、保育園の頃から食べることや料理を作ることに興味を持ち始めました。いまでも、私がいないときは自分で工夫して家にある材料だけで料理をしているようです。
昨晩、キャンプに出かける準備で、塩を小さな調味料ケースに入れ替えていた彼との会話で、調味料の話題が出ました。調味料には何よりもお金をかけるいう私の考え方により、我が家には豊富な種類が置いてあります。
高価な物を取り揃えているるのではなく、本当に味のよい物を常備しています。ただ、これが難しい。いろいろとあるものを試した結果が我が家の棚に並ぶ調味料です。スーパーで手に入らないものが多い。「何はどこに売っている」ということをすべて記憶しているので、夫は「よく覚えているね」と感心します。
話を元に戻しますが、息子は「みんな、調味料の使い方や味のつけ方を知らないんだよ」と残念そうに言っておりました。自分が調理しないときは、彼にとっては、大変に不味いものをキャンプで食べざるを得ないのでしょう。
彼の周囲の学生達は、幼いときから受験勉強が重視され、台所に立って自分で料理を作ることや母親と一緒に楽しく料理を作る時間がなかったのではないでしょうか。
我が家の8歳になる下の息子(今年の5月頃に料理を作ることに目覚めました。)は、好奇心が旺盛で、私が料理しているのを見て、自分もいつかはやりたいと羨ましそうにして眺めています。テプコの料理教室に参加して以来、更にその気持ちは強くなったようです。夫から包丁を使うのはまだ数年早いと止められている(手先は器用だが、注意力・集中力に欠けるから、まだ駄目だそうです。)ので、今日も皮むき器を使い、ジャガイモやニンジンの皮を剥いたり、卵を焼いたりして喜んでいました。
私の母は、私の幼い頃から働いており、私自身は、母から台所で料理を教えてもらった経験はありません。その私が、調理師・栄養士を目指すことになったのは、小3の夏、親戚の家に遊びに行ったのがきっかけだった気がします。おばさんの調理を見ていて、自分で卵チャーハンを何となく作ったらとてもおいしく、おばさんに褒められたのです。それから台所で料理をする祖母を手伝うようになり、ごまあえの作り方など見て覚えるようになりました。
どんなきっかけで「食」に興味を持つか、料理を作りたくなるのか、子供それぞれに時期は異なるでしょう。でも、その時期は必ずあるように思います。その時期に子供さんを応援してあげてください。受験勉強にかける時間をわずかでもいいから、「食」の勉強にもかけていいと言ってあげてください。
「おいしい」を知れば、その人の人生も豊かになるはずです。家庭(母親)の役割は、家族に「おいしい」を伝えていくことです。それが「食育」ではないでしょうか。
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