POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 長い間、ブログの更新ができていませんでしたが、そんなブログでも丁寧に読んでくださる方がいて、骨粗鬆症、日本脳炎、インフルエンザなどの記事はページビューが多いようです。次のようなコメントを当ブログの読者の方から頂戴しました。

 テリボンをすすめられ毎週1回打ってもらっています。42回目で骨密度を測りましたら、始めた頃よりあまりupが無く、先生は横ばいだから続けましょうと言われました。その日は数時間後に吐き気が酷く夕飯があんぱん1個というぐらいです。50回でもと言うのですが折角ここまで来たのにとあきらめられませんが吐き気も辛く逡巡しています。71歳です。骨密度は若い人に比べると50%ぐらいで、同年代に比べると83%です。宜しくご指導ください。(2013-09-26 15:05:26)

 骨粗鬆症への対応として、ヒト副甲状腺ホルモン製剤テリパラチド(商品名「テリボン」、「フォルテオ」)を用いていられる方もおり、その投与の副作用として、吐き気などの副作用に苦しんでおられる方も多くいます。「テリボン 副作用」の検索でこのブログに辿り着く方も多く、また「テリボン」の記事にコメントをお寄せくださる方の多く(コメントの掲載は選択させていただいております)がその副作用についてです。

 フォルテオの自己注射を始めて5か月になります。最近、神経痛のような症状が出て悩まされています。他に思い当たる原因もないので、もしやフォルテオの副作用かも? とあちこち検索しててこのブログに行き当たりました。詳しく分かりやすく書いてくださってて助かりました。現在の症状が副作用かどうかは未知数ですが、いろんな情報を参考にして対処していきたいと思っています。有難うございました。(2013-06-14 10:03:07)

 骨粗鬆症の怖いところは、「椎体圧迫骨折」をして、寝たきりになってしまうことです。「寝たきり」の生活は当然辛いものです。少し前から、寝たきりに近い状態になってしまった母は、「早くお迎えが来てほしい」とよく口にするようになりました。ベッドでテレビを見て1日を過ごすだけの生活に苦痛を感じているのです。踊りの先生をしていて、多くの生徒さんを教えて、発表会で「お弟子さん、とても上手に踊られるようになりましたね」という言葉を聞くのをとても楽しんでいた母にとって、人に会わず(自分の弱った姿を見られたくないためにお弟子さんの面会を拒んでいる)、日が暮れて眠くなるのを待つ1日はそれはそれは辛いものでしょう。

 テリボンの副作用に苦しむ皆さん。ここで、その辛さを吐き出してみませんか。辛さを共有できれば、少しは楽になれると思います。コメントに書き込んでください。本文に転載します。

 「テリボン」の販売元「旭化成ファーマ株式会社」が2012年年7月に「市販直後調査期間中の副作用発現状況のご報告(調査期間:平成23年11月25日~平成24年5月24日)」という文書を出しています。そこに記述される骨粗鬆症治療薬『テリボン皮下注用56.5μg』(一般名:テリパラチド酢酸塩)の副作用の発現状況を見てみましょう。



 販売開始から6ヵ月間にテリボンを投与されたと推定される症例数は約28,000例で、調査の対象となった医療機関6,828施設から収集した副作用は、1009例1584件だったようです。これによると、28例に1例は副作用が報告されたことになります。その主な副作用は、「悪心」417件、「嘔吐」147件、「浮動性めまい」114件、「頭痛」112件、「発熱」80件、「動悸」68件、「血圧低下(低血圧を含む)」67件などでした。悪心は、投与により副作用を経験する人の26%(4人に1人)ほどに発現することになり、投与後2時間以内に悪心が発現するのは75.9%と高率になったようです。





 悪心(おしん、nausea(ノーズィア))とは、今にも吐きそうな実に不快な感覚で、車酔いや船酔いで味わうあの感覚です。「吐き気」という言葉にしてしまうと伝わらない不快さがあります。テリボン投与後、2時間以内にこの悪心が発現し(75.9%、4分の1の人は2時間よりも後に発現)、それは4時間以内に消失した(61.5%)という報告があります。このことは長くとも4時間耐えれば(十分に短いということが言える持続時間ではありません)、悪心が消えるということであり、また4時間以上続く人も4割ほどもいるということでもあります。悪心から嘔吐に至るケースもあり、嘔吐に至った場合、86.0%において、投与から3時間以内に嘔吐したとあります。嘔吐は始まってから3時間以内に消失する(63.6%)といいますが、それほどにも続くとも読み取れます。




 テリボンの投与を受けた200人に3人(1.49%)は悪心を経験することになり、悪心を感じた人の中で、投与後30分以内に現れた人は22.6%、30分~1時間以内では18.8%、1~2時間以内では34.6%で、投与後悪心の現れた人の5人に2人(41.4%)は1時間以内であり、3人に1人(34.6%)は1時間を過ぎ2時間以内であったことになります。悪心が続いた時間は、1時間以内であった人は28.6%、1~2時間であった人は15.4%、2~3時間であった人は14.1%だったそうです。



 血中のある種の薬物や毒物などに反応して、嘔吐中枢に刺激を送り、嘔吐を誘発する受容器があります。ドーパミンD2受容体、5-HT3受容体、ムスカリンM1受容体などです。これらの受容器のある領域を「化学受容器引き金帯(chemoreceptor trigger zone、CTZ)」と呼んでいます。テリボンの投与で、悪心や嘔吐が起きることがあるのは、この受容体がテリボンで活性化するためと思われます。

 上部消化管や延髄のCTZに存在するドーパミンD2受容体などが活性化すると吐き気や嘔吐が起こることから、この受容体への拮抗作用により吐き気を抑える薬剤があります。「ドンペリドン(domperidone、商品名はナウゼリン(協和発酵キリン))」は、主に上部消化管のドーパミンD2受容体に作用します。「メトクロプラミド(metoclopramide、商品名はプリンペラン(アステラス製薬))」は、CTZにも移行し、ドーパミンD2受容体に作用します。



 悪心という副作用に際して、テリボンの投与を「継続」した症例は、投与を「中止」した症例の半分以下と少ないですが、悪心、嘔吐の処置薬としてドンペリドンやメトクロプラミドが投与されて、テリボンの投与が継続されたケースが報告されています。

 喩えてみましょう。私たちの体の中には「吐き気スイッチ」がついています。ある種の薬物や毒物が入ってくると、このスイッチが入れられます。すると、吐き気を催すのです。吐くことによって、その薬物や毒物は体外に排出されます。生体の防御作用を担っているのです。しかし、どの薬物・毒物に反応してスイッチが入るかは、個人差があるようです。もちろん、その濃度や体調にもよるのでしょう。データによると、テリボンという薬物に対しては、200人に3人は「吐き気スイッチ」が入ったということになるのでしょう。

 この「吐き気スイッチ」に蓋をしてしまい、スイッチが入らないようにしてしまうのが受容体阻害薬である「ドンペリドン(domperidone)」や「メトクロプラミド(metoclopramide)」という薬剤です。

 メトクロプラミドは、人によっては、腹痛や下痢、めまい感や眠気が現れます。「悪心」というテリボンによる副作用を抑えようとして、メトクロプラミドによる別の副作用を経験することもあるようです。あるブログにこんな記述がありました。午後遅くに病院に行き、テリボンを投与してもらい、夕食を食べたら、吐き気止めにもらったメトクロプラミド(「プリンペラン」、ジェネリック医薬品もある)を服用する。すると、入浴などをしているうちに、やがてメトクロプラミドの副作用で眠気がさしてくるから、就寝。朝まで目が覚めなければ、悪心も感じない。

 メトクロプラミドは、通常成人1日7.67~23.04mg(年齢・症状による)を2~3回に分割し、食前に経口服用します。

(参考) 「注目の新薬「テリボン」は骨粗鬆症の治療に劇的な効果を上げるか。

 匿名さんから次のようなコメントをいただきました(2014-07-06 00:03:47)。同じような経験をなさっておられるご家族は数多くいらっしゃると思われます。皆さんだったらどのようなお返事をなさいますか。コメント欄に書き込んでいただくと有難いです。

 今年の元旦に80歳を迎えた私の母親は、昨年末辺りに腰の骨を圧迫骨折してしまい、テリボン注射を毎週一回打ちに行っています。が、今年の3月に階段から足を踏み外して左脚の踵を骨折し、二ヶ月に及ぶ入院生活を余儀無くさせられておりました。元々母親は高血圧なので、その薬を飲んでいましたが、低血圧のせいで何度か意識がなくなり大変な状態になりました。退院をしても1度キッチンの入り口で倒れてしまい、顔を叩いて名前を呼んだのですが、中々意識が戻らなくて焦りました。

 今では、ふらつきとかは無くなったものの、毎週の注射は連れて行く方も大変です。何故なら母親は左目の視力が殆んど無く、右目も微かにしか見えていない状態なので、車椅子で病院に連れて行っています。晴れた日は何とかなりますが、雨の日は大変です。テリボンよりも良くて飲むことが出来る薬は無いのでしょうか?母親よりも先に私の方が倒れそうです。


(参考) 起立性低血圧(orthostatic hypotension)という症状があります。寝ていた状態や座っていた状態から急に立ち上がったときに、血圧が急激に下がり、ふらつきやめまいなどを感じ、時には心神してしまうことです。起立性低血圧という症状が現れる原因の一つに薬剤があります。
 テリボンの添付文書には、「(1)一過性の血圧低下、意識消失(投与直後から数時間後にかけて)があらわれることがあるので、投与後に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸等が生じた場合には、症状がおさまるまで座るか横になるように患者に指導すること。(2)一過性の血圧低下に基づくめまいや立ちくらみ、意識消失等があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること」という記述があります。(参考の終わり)

 オレンジさんから次のようなコメントがありました(2014-07-18 11:56:31)。投稿者の経験した事柄について、掲載してあります。

 ワタシの母は81歳です。昨年5月の連休に圧迫骨折をし、連休中に診療している整形外科でテリボンを毎週注射するようになりました。今年の2月に一度、一瞬の意識消失があり、血圧の低下が見られました。同じクリニックの内科で診ていただき、朝晩血圧を測るように言われ、様子を見ていました。

 5月初旬に眼科の緑内障の視野検査後にまた一瞬の意識消失がありました。掛かりつけの内科に相談したところ、すぐに脳神経外科に行くように言われ、CTやMRIの検査をして頂きましたが、問題はありませんでした。

 5月15日に整形外科でテリボン注射後、お会計等のころにまた意識消失があり、血圧の低下が認められたようです。すぐに向かったところ、すでに救急車が到着し、ワタシもすぐに乗り込み、クリニックのスタッフとは何があったのか話を聞いておりませんが、救急車の中では血圧の急上昇があり、200近くになっていました。本人、意識は戻っていましたが、意識障害、パニック状態、ずっと排尿してるような状態で、ワタシのこともわかりませんでした。

 病院に到着し、CTを撮り出血がないので、脳梗塞の疑いがあるのでそちらの治療をしてくださいました。本人動いてしまって、MRIは撮れる状態ではありませんでした。翌日病院に行き少し回復し、ワタシのことはわかるようになりましたが、失語症のような症状がありました。

 3日目はまた更に回復し、MRIも撮り、脳梗塞もないことが確認され、治療は中断されました、飲んでいた薬が体から抜け、どんどん回復していました。首のエコーや脳波も異常はなく、先生も原因はわからない状態ですが、投薬していた薬の中に、サインバルタという抗鬱剤もあったようで、その副作用も気になりますが、いつも注射のあとに倒れていたので、テリボンが体に蓄積されて限界を超えてしまったのかなと身内では考えています。




 次のようなコメントを当ブログの読者、70歳主婦の方から頂戴しました。(2015-01-05 12:28:44)

 昨年9月、風邪の咳から胸椎椎体圧迫骨折で(テリボンの)注射を週一しております。痛みは取れつつありますが、(骨密度の検査値の)数値が上がりませんので、現在も継続しています。
 副作用は吐き気です。注射してから2~3時間後に出ます。でも、ひと寝入りしますと治まります。当日はやはり無理しないことですね。リハビリもがんばっています。もう少し人生を楽しみたいですね。

 前向きに考えて暮らしていらしゃるのはうれしいですね。これからも楽しい人生でありますように。

 次のようなコメントを当ブログの読者から頂戴しました。(2015-02-16 17:35:45)

 デリボン注射を骨粗鬆症治療目的で投与し、意識喪失し、救急車で入院。高Ca血症を起こし、腎不全となりました。大変思いがけない出来事で現在もまだ以前どおりの生活は不可能です。

 高カルシウム血症(hypercalcaemia)とは、血漿中のカルシウム濃度が10mg/dLほどという正常域の高値を大きく逸脱し、異常に高値を示す状態です。血漿カルシウム濃度が12mg/dLを上回ると、嗜眠、意識混濁、昏迷(激しい物理的な刺激によってのみ覚醒させることができる状態)、昏睡(激しい物理的な刺激でも覚醒させることができない状態)といった意識障害を引き起こします。

(参考) 「骨粗鬆症治療薬「フォルテオ」の副作用にはどのようなものがあるか。

  ----- この記事は、徐々に記述していきます -----

                      (この項 健人のパパ)



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