pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

化粧二題@紀伊國屋サザンシアター11列センター

2021-08-26 22:48:02 | 観劇/コンサート

■作  井上ひさし

■演出 鵜山 仁

■出演 内野聖陽  有森也実

 

命を舞台にかけて、欠けた鏡に素顔をうつし
白粉塗る度夢を見るのは、母の姿か息子の顔か。
笑いの後に涙が一滴、可笑しくも華やかな一人芝居の二本立て。
楽屋芝居の名作があの二人で蘇る。


朝ドラ『おかえりモネ』では、優しいお父さんな内野さんを、やっぱり板の上で観たくなり、サザンシアターへ。

開演前から石原裕次郎や水前寺清子さんなど、バリバリの昭和歌謡が流れ、年配者多目の客席も大漁旗の大きな鯛が踊る舞台上も、昭和感満載

一幕の有森也実さんの女座長、ほっそりと 儚げなイメージとは180度違う骨太の五月洋子がそこに!三度笠の旅姿で舞台袖にはけてゆく姿のかっこいいこと!

ニ幕 待ってました!の内野さん。楽屋で寝っ転がった姿から、すっぴんから化粧を重ねる内野さんが、どんどん変化していく様がすごいです。一幕の有森也実さんもですが、45分、ずーっと台詞を発し続け、大漁旗と化粧前の他には何もない空間に様々な人物を、様々な情景を浮かび上がらせる。これぞ演劇!と、胸が熱くました

お二人とも舞台から真っ直ぐに客席に向かい、そこにはない鏡に向かって化粧をはじめますが、本当にそこに鏡があるかのよう。水おしろいを刷毛でぬりたくり、頬紅を濃く入れ、また粉をはたきまくる。黒々とした眉を描きあげ、紙をあててなじませる。髪をまとめあげ、カツラをのせる。その過程を見せながら同時に自らの人生を語りつくすという、ものすごい舞台でした。

ロビーには小さなのぼり旗。

役者というものは一 声、ニ 所作、三 姿といって、声がなによりも大事。

内野さんの発する台詞ですが、この言葉に急逝された辻萬長さんを思い、思わず落涙。。。でした。

 

コメント
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