Train (トレイン)
鉄道発祥の地、イギリス。ここは、イギリス北部York(ヨーク)駅。ちょっとわかりづらいが、写真奥に小さく写っているのが、高速列車InterCity(インターシティ)である。
このインターシティは、ロンドンの King’s Cross(キングスクロス)駅と、エディンバラのWaverley (ウェーバリー)駅を繋ぐ。ヨークは、そのほぼ中間に位置し、最初の木造の駅では手狭になったというわけで、現在のヴィクトリア朝建築の駅舎が1877年にオープンした。
今思えば、私が生まれて初めて乗ったインターシティは、中でもとりわけ古い車体だった。キングスクロス駅を出ると、30分もしない間に美しい田園風景が広がるのだが、なんだか薄暗い。気付けば、それは列車の窓の汚れだった。スピードは速いが、ひどく揺れる。ファーストクラスだと、飲み物のサービスがあるのだが、給仕の女性が、必死に紅茶を入れようとするものの、カップからこぼれ出てしまったのを覚えている。とにかく、笑うしかないほどの揺れだった。
2時間ほどして目的地のヨークに着いた時、まごついた。ドアが開かないのである。どうしたことかと思っていると、横に立っていた人の手が伸び、ドアノブらしき取っ手を引くと、扉が開いた。つまり、手動で開閉するドアだったのである。現在は、ボタンを押すと自動で開くタイプが多いが、いまだに人がアクションを起こさねば開かない方式には変わりない。
つい先日、訪英する機会に恵まれた。旅慣れた道だが、改めて乗ってみると、やっぱり揺れる。席も、ゆったりはしているが硬めで(もちろんセカンドクラスの話)、長いフライトの後だと、余計にお尻が痛くなる。発着時間が時折不正確なのは、別に驚きに値しない。欧州ではきっとましな方だと思う。
総じて、日本の新幹線って、やっぱり良く出来ているんだなぁ…と思いつつ。どこかアナログなこのインターシティを、心から愛してやまないのである。[y]