地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

絵葉書~トルコより

2008-06-17 00:32:53 | コラム

碧さま

古代ペルシャの「夢の跡」を、碧が土産噺として持ち帰ってくれたあの日。徒然に語られた絢爛なペルシャの物語世界は、私が普段目にする「イラン」とは一味も二味もちがったものでした。ともすれば、砂粒のように手のひらから零れ落ちて行く物語の断片。ひと言も聞き漏らすまいと耳を傾けた夜。

数々の置き土産を残し、碧がテヘランを去って行ったあの日。
碧が残した言葉の数々を反芻し、次にふたりの再会すべくあの場所へと、想いは一気に飛んでいきました。

そう。そこは全てが碧いイスタンブール。日差しが日に日に強くなるこの季節、文字通りイスタンブールは「青」に包まれる。「青」は私たち3人が共通して思い入れのある色。眩しいほどの紺碧の空、少しくすんだモスクの蒼、タイルの鮮やかな青、そして想いはマルマラ海を越えてどこまでも碧い初夏の地中海へ・・・西の果てへ・・・

しかしふたりが再会したイスタンブールは小雨模様でしたね。
垂れ込めた空の下のイスタンブールは、不思議なことになぜかいつも私に
メルジャン・デデの曲を想起させるのです。

新市街の広場で束の間の再会を喜び、同じ広場で肩を抱き合い互いの良き旅路を祈りあって別れた夜。暖かい余韻が私の中に残りました。

今頃きっと、アナトリアの大地を風を切りながら颯爽と歩いている碧へ

                                  mitraより

さらささま

デコレーションケーキのロウソクのように、そこここから突き出るオスマン・スタイルのほっそりとしたミナーレ。 目の前にアジア大陸を見渡せる港が 旧市街の喧騒が 魅惑的で退廃的な夜の街が 私たちをすっぽりと飲み込み 魅了し この街を離れられなくなる頃・・・
2回目の別れを告げ、碧と私はそれぞれの目的地へ、思い入れのある地へ向かい、「碧い街」を旅立ちました。

碧は西へ 私は東へ

碧が目指したのは、古代文明の交流の跡が残るギリシャ神話の世界。
私が目指したのは、メソポタミア文明と旧約聖書、そしてクルド人の世界。

今は動乱の地となってしまったチグリス川上流のクルド人の土地は、本来なら
数ヶ月前、「ジプシーを求めて」訪れようと思っていた場所。

クルド人の集落を訪ね、細い路地を闇雲に徘徊し、地元の人々とチャーイのグラスを傾け、穀物の青々と茂るチグリスの河岸を城壁から見下ろし 土色の低い丘を
仰ぎ見・・・

荒涼とした大地の向こうに私が見たのは さらに東。
国境を挟んですぐそこは我が国、イラン。

旅の終わりを意識するのに、トルコ東部に位置する文明のふるさとは、いかにもぴったりの土地。
同じく、碧の旅もそろそろ終焉へ向かっている頃でしょう。
それぞれの想いを抱え、同時に、いつか出逢っていた共通の過去(前世?)を
思い返しながら共に旅したこの一ヶ月。

イラン、トルコ。そして、その延長線上に位置するギリシャの地。
いつかの3人の夢のために、今はこの地を大切に胸にしまっておこうと思います。

ギリシャの碧い海と空に恋焦がれるさらさへ

                                  mitraより

もうすぐ旅を終える予定の碧からはどんなお土産話が聞けるかな?
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