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ピッコロ便り

ピッコロシアター、県立ピッコロ劇団、ピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台技術学校など、劇場のトピックをご紹介します。

10月のひとこと ピッコロシアター館長より (ピッコロ劇団公演が終わって・・・・) 

2014年10月09日 | 館長のひとこと

ピッコロ劇団 第50回公演「かさぶた式部考」の上演を終えました。近代演劇史上の傑作といわれる作品に、文学座の藤原新平さん(演出家)と劇団員が真剣に向い合った6ステージでした。

ご来場いただいた多くの皆様方にお礼申し上げます。ありがとうございました。

いよいよ秋本番のピッコロシアター、演劇学校・舞台技術学校では「合同発表会」に向けた稽古が続いています。本科生は25/26日を目指して、研究科生・技術学校生は来月1/2日を目指して、それぞれが全力投球です。

ピッコロ劇団員も秋の「ピッコロわくわくステージ」が迫っています。今年の演目は初夏と同じ「海賊、森を走ればそれは」。28~31日の間に8ステージ。大ホールはその期間中3000人を超える中学生や先生方で賑わうことになりそうです。
いつもながら元気の出る10月です。

館長 大鳥 裕士


囁谷シルバー男声合唱団

2014年10月05日 | 主催事業

ピッコロシアター鑑賞劇場
演劇集団円「囁谷シルバー男声合唱団」の稽古が
9月19日から東京の円のスタジオで始まりました。

企画者であり出演もされる
円の俳優:手塚祐介さん(ピッコロ演劇学校17期卒)から
メッセージと
作者:角ひろみさんとのツーショット写真が届きました。

【手塚祐介】
角さんの戯曲には日々の生活の中で、普段なら目を背けたくなるような、
あえて見ようとしない部分に、角さんの目線が向けられているように感じています。
角さんの世界には色気やにおいがあって、そっと手を引かれるように戯曲に引き込まれてしまいます。
心に響く作品だと思います。尊厳と安楽のハーモニーをお聴きください。

皆さま、ピッコロシアター公演は、11月15日です。
どうぞご期待下さい。

業務部 田房


10月のひとこと ピッコロシアター館長より

2014年10月01日 | 館長のひとこと

少しずつ秋めいてきました。いよいよ『かさぶた式部考』の6ステージです。

今年、兵庫県立ピッコロ劇団は創立20周年を迎え、このたび本公演50作目という記念すべき回となりました。

秋元松代氏の『かさぶた式部考』という近代演劇の傑作に、劇団創立時から、いくつかの創作現場を共にし、また常に劇団を見守り支援くださっている藤原新平さん(演出家 文学座)と久々に取り組みます。劇団の今後10年、20年先への新たな礎を築きたいとの想いのもとに劇団員一同臨んでいます。

作者の秋元松代氏は、日本の近代演劇史上、忘れることのできない偉大な劇作家の一人です。

今に至るまで人々の心を打ち続けている秋元作品には、いつの時代にも問題を提起し、その都度、新たな発見をもたらす力があります。それはいつにかわらぬ人間と社会の姿が克明に描かれているからだと思います。

この作品は、炭鉱の問題や魂の救済という社会的、倫理的な題材も扱っていますが、その本質を読み解けば、親子の情、夫婦の情、恋、ねたみ、など誰しもが共感しうる人間の普遍的な問題です。見事な構成力、台詞の力、そこには、不思議で愚かで、美しくて醜い人間の姿が容赦なく描かれています。一人ひとりの登場人物が、ドラマを持ち、関わり合い、世界観を創っていく……演劇の魅力に溢れたこの作品を、観客の皆様と分かち合うことができれば、劇団員一同、心より嬉しく思います。

多くの皆様方のご来場をお待ちしています。