こんばんは。お元気でいらっしゃいますか?パースは昨日からようやく日中気温が30度を越え、初夏らしい陽気となってきました。
ただし、地中海性気候で空気が非常に乾燥しているため、朝晩・日かげなどでは非常に涼しく、夜などはまだ毛布をかぶって寝ている状況です。
さて、私の劇場・劇団調査は地元の方の好意に支えられ、非常に順調に進んでおります。
今回のレポートは少し違った視点から、文化というものについて気づいた点などをご報告したいと思います。
先日、パース一番の観光名所「キングスパーク」に行ってきました。
友人から徒歩で十分に行けると言われ、「それならば!」とリュック背負って歩き出したものの、「遠~~いっ!」。
途中あった地図で分かったことには、道のり約5キロ。ゆるゆると続く坂道を汗をかきつつ、野生のハエに襲われつつ、たどり着いた末に見た景色は、パラダイス!(ちなみにかなり水分欠乏症につき、すでに冷静ではありません。。。)5キロをすぐそこと言うオージーの感覚には、正直参りました!!私が歩いてきたことを知るや、観光センターのおばちゃんたちから「ワンダフォー!」「エコね!」などの大絶賛を浴びたことにすっかり気分を良くし、山岳大国・日本男児のプライドを取り戻した私は、いよいよ肝心の公園散策に動き出しました。(日本でよく使われる「エコロジー」とは「生態学」の意味で、「環境に優しい」とは少し意味が違うのでご注意ください!)
「キングスパーク」は街一番の高台にあり、日ごろから市民が遊び、昼寝などしているのどかな公園ですが、そのいたる所に戦争・軍隊に関するモニュメントがあります。
先日、歴史あるヒズ・マジェスティ・シアターという劇場の地下にある演劇博物館を見学したのですが、通常の演劇公演の展示の中に兵士を鼓舞・激励するような演劇・歌謡の過去資料が飾ってありました。
今の日本に住む若者には既に非常に分かりにくいことなのですが、戦争にまつわる記録・記憶というものは、一国の文化の形成に大きな影響を与えるているということを改めて思いました。
散策の途中、キングスパークの一角、それも一等地に、アメリカ軍から贈られたモニュメントを発見しました。
来豪前に読んだ本の中に、オーストラリアは、今なおイギリスを宗主国として仰ぎながらも、その実、今日ではアメリカとの関係を軸に国家運営をしている複雑な国であるということが学者により書かれていました。
当地の演劇を観ていくうえでも、この辺の複雑な関係を意識しておくことが大切なんだろうということを、暑さでボケゆく頭の中で思いました。
では、失礼いたします。
業務部:尾西