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ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

アンドゥイユ

2012年06月08日 | 食べ物

 

パリ土産のお裾分けを貰った。ところがそれは、よくこんなものを買ってきたと思わずにはいられないものだった。パリ暮らしでもしていた人が買ってきたならば、なるほどと思うかもしれない。しかし初パリではまず買わないだろうというものだ。それはアンドゥイユ(andouille)。当然のこと持ってきてくれた人も(行ったのはその娘と孫)正体が何かは知らない。何だか黒い変なソーセージみたいなもの、といった認識しかない。並んで買ったということらしいが、単に並んでるから買おうと思ったというのが真相ではないか。何故かと言うと、行った当人は(個人的にも知っている)フランス食材に詳しいという人ではないから。

実は私も食べるのは初めて。知識としてはあったが、今まで食べる機会がなかったのだ。どうせ食べるなら本場もの、と思って十何年の世界だったのだ。持ってきたものの断面を見て(半分に切った状態だった)ピンときた。この等高線のような模様は、腸を詰めたときに出来る模様なのだ。つまり、アンドゥイユというのは腸(他の臓器も使う)を詰めた腸詰なのだ。つまり「腸イン腸」という、まず日本ではお目にかかれない、フランスの伝統的な食べ物なのだ。フランスにはもう一つ似たものでアンドゥイエット(andouillette)というものがある。アンドゥイユとの違いは、アンドゥイユが大腸を使ったり、豚ではなく仔牛の腸を使ったり、燻製にするとか、こちらの方が大きいとかいろいろあるようだが、今一つはっきりはしていない。総合すると、燻製にするというのが一般的な違いであるようだ。但し、絶対的ではない。

で、今回のものはしっかりと燻製にされている、直径5センチほどの細めのものだった。見たところ、小腸のみという感じだが、実際のところは判らない。で肝心の味だ。最初はそのままスライスして食べてみた。塩気が強く燻製の味も強い(薫煙液ではなく本物の味)。内臓系の風味は殆んど感じない。物によっては、下処理鮮度の関係で物凄く臭いものがあるということだが、これに関しては全くそんなことは無い。唯、美味いかと言われれば、不味くは無いが美味いとも思わない味であった。次に加熱してみた。刺身でもそうだが、生より熱を通した方が風味は強くなる。やや、モツっぽい風味が感じられる。脂分もそれなりにある。ゆでたジャガイモと一緒に食すと、生で食べるよりは美味かった。

というわけで、初アンドゥイユ、思ったほどクセが無くちょっと拍子抜けであった。個人的体験では、初ブーダン(豚の血のソーセージ)の方が上であった。しかし、店によって味は色々なのだろうと想像されるので、色々食べてみないと実際のところは判らないであろう。

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