T君のカフェ用の、最後の「OPEN」の看板にい
よいよとりかかった。下地を塗ったところに、
字を下書きするのだが、それには、字をプリ
ントアウトしその字の部分をくり抜いた型を
使う。あとは、その型に沿って鉛筆で下書き
をするのだ。以前なら、書体を見ながら手書
きしたものが、今はこういうやり方で、早く
しかもきれいにできるからありがたい。
と、一通り塗ったところで、全体を眺めてみ
ると、何か違和感を感じた。どこかおかしい。
でよく見ると、Nの字が反転しているではない
か。まるでNだけロシアだった。しかし、思い
込みというのは恐ろしい。下書きした時点で
は気付かす、下塗りして初めて気付くんだか
ら。全く何をやってるんだか。少々がっくり
しながら斜めの線を、上下逆にするように下
書きして、余計な部分を塗りつぶし修正を施
し本来のNにした。悪いことに、そのNのある
部分の下地はちょっとこってグラデーション
にしたものだから、微妙にその修正した部分
も変えないといけないという余計な手間もか
かったてしまった。どこまでついてないのか。
しかし、すべては自分の不注意からだから誰
にも文句は言えない。辛いところだ。
そんなごたごたがあったが、何とかOPENは完
成。まあ、そこらのカフェのもよりは良いの
ではないかと、勝手に自負はしている。後は、
裏に「CLOSED」を書かなくてはないらない。
こっちはもう簡単に、始めから手書きで下書
きなしでやる。表に比べるとその手抜きの度
合いは相当だが、まあ良いだろう。というこ
とで、全ては完成した。