小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

9月定例会:一般質問

2008年09月16日 | 議会活動報告
本日は一般質問です。私は2番目に登壇しました。例によって長文ですが、一般質問の原稿を掲載いたします。

【平成20年9月定例会一般質問原稿】

1.始めに今後の財政運営について質問します。
今年度、高浜町は地方交付税交付団体となりました。
原子力発電所の誘致による潤沢な税収によって高浜町は、昭和50年以来、途中、昭和56年の一年を除き、30年以上にわたり、地方交付税交付金、要するに国からの仕送りなしで自前の町税収入だけで自治体を運営できる地方交付税不交付団体でした。
それが今年度は、電力事業者の業績に左右される法人町民税の法人税割の減収などによる、町税収入の減少で、基準財政需要額に対し基準財政収入額が約1億円不足し、その不足額に相当する約1億円が地方交付税交付金として交付されることになりました。

高浜町の税収の柱は原子力発電所関連の税収です。電力事業者の企業業績で左右される法人町民税の法人税割は別として、原子力発電所の設備に課税される固定資産税は、設備の償却が進むに従ってその分減少していく構造にあります。加えて、全国的な傾向ではありますが、少子高齢化と人口減少に伴う勤労世代が減少していくことから、今後とも税収の減少傾向は避けがたい現状にあります。

一方で、ここ数年来、電源交付金を財源として、あるいは多額の地方債、つまり借金を財源として、社会資本整備のための大型投資が続きました。この結果、我々の生活環境は向上しましたが、設備の維持管理などの経常経費が増加するとともに、多額の地方債によって、借金の返済にアップアップの状態が続く、非常に厳しい財政状況に直面することとなりました。

このことは、例えば企業誘致によって税収を増やすとか、流入人口の増加によって勤労世代の人口を増やすといったことで、バラ色の将来が、「やりようによっては実現できる」、ということに託するのではなく、もちろんそうした取り組みに全力をあげることは、この厳しい地方間競争を勝ち抜くためにはぜひとも必要なことではありますが、その上で、このような今後の財政状況については、ある意味避けがたい現実として受け入れて、そのうえで減少していく税収の中で、どう行政サービスのレベルを維持していくのか、将来の世代に負担を先送りしないためには、今、何をすべきかを考えることが必要です。
以上のことを踏まえて以下の3点について質問させていただきます。

①まず第1点目として、地方財政健全化法に基づく指標の管理についてであります。
地方財政健全化法の施行により、財政の健全化を判断するための指標について平成19年度決算における健全化指標の公表が必要となり、この9月議会で、健全化指標が議会に報告されました。
当然、高浜町の健全化指標の数値は、早期健全化基準をクリアしている訳であります。
しかしながら、そもそもこの健全化基準そのものが甘いとの見方もある訳であり、実際問題、平成19年度決算において、この健全化基準をクリアできない自治体は、財政の再生団体指定が全国で2団体、財政の早期健全化団体の指定でも全国で10団体程度であると、過日の決算特別委員会でも説明を受けましたが、つまり、この財政健全化基準がクリアでき自治体は、全国に約千八百ある自治体のうちの、0.6%ということであり、相当な財政悪化状況であるということが言えると思います。
従って、財政運営においては、この健全化基準をクリアしておればそれで安心というように考えるのではなく、今後、この健全化指標を管理する上においては、法律で定める「早期健全化基準」より高いレベルの、例えば全国的にも健全な財政運営を行っている類似自治体の指標値などを参考にしつつ、高浜町の財政運営としてはこのレベルにあるべきという目標の指標値を設け、その目標値をもって管理値として、今後の健全な財政運営に努める取り組みが必要ではないかと考えます。理事者の見解をお伺いいたします。

②次に第2点目として経常収支比率についてであります。
経常収支比率とは、ご承知の通り、人件費、公債費等の経常的な経費を、町税等の経常的な一般財源収入が充当されている割合を示すもので、地方自治体の財政の弾力性を示す指標であります。当然、数字が低いほど財政に弾力性があるということになります。
高浜町では、平成19年度決算で、この経常収支比率が危険水域といわれる85%を遥かに超える98.4%になりました。 
財政運営の硬直化が懸念されるところであります。高浜町の経常収支比率がこれまで悪化した主な原因と、今後の経常収支比率の年度推移の予測値ならびに健全化に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

③最後に第3点目の資金繰り計画についてであります。
平成19年度決算の監査報告において、資金繰り計画の不備が指摘されています。報告書の該当するくだりを読み上げます。「資金事情についてみると、一般会計、特別会計とも十分な資金繰り計画が立案されていません。従って、安易ともいえる基金の一時流用等が繰り返されており、役場庁内全てにおいて連絡調整が不十分といえます。出納担当部署をはじめ各課の資金繰り計画、歳出調整等の強化を願いたい。」以上の通りであります。
本件について、監査が指摘するところの、高浜町財政当局の資金繰り計画の現状と課題、そして今後の是正策についてお尋ねいたします。

2.次に中期的な財政運営計画の確立について質問します。

高浜町が実施する公共事業の投資額が、年度ごとに極端に増減することは財政運営上の観点からも好ましいこととは思えませんし、また町内経済に与える影響からも、一度に多くの仕事が舞い込んだかと思えば、ピタッと仕事が出なくなるということは、ある程度町の公共事業に経営を依存している会社にとっては企業経営上大変であることは容易に想像がつくことであり、避けるべきであると考えます。
この点について、過去にさかのぼって、普通会計の年度別財政状況調を見てみますと、これまでの高浜町の投資的経費の推移は、年度ごとにほぼ毎年のように数億円から十数億円のバラツキがありました。特に平成19年度は、前年度の投資的経費が約26億5千万円だったのに対し、約8億7千万円と、一気に17億8千万円減少しています。
一方で、経常的経費の支出はほぼ毎年増加の一途をたどっております。
つまり、基金の取り崩し、あるいは借金で、突っ走れるところまで突っ走って、そして一気に急ブレーキをかけた。
また、経常経費の削減については、結局、ほとんど取り組んでこなかった。そういう財政運営であったように、私には読み取れます。
これでは計画的な町づくりは出来ませんし、先ほど触れた町内の業者への影響が大きすぎます。

10年程度の管理スパンで、中期的な財政の見通しを明らかにして、今後必要となる投資を各年度ごとに落とし込んでいく財政運営の中期計画を立てて、投資の年度間の平準化を図ることが必要ではないでしょうか。
高浜町総合計画の見直しにあたり、事前にこの中期的な財政運営計画を策定し、公表すべきと考えますが理事者の見解をお伺いいたします。

3.最後に、町税、各種使用料、手数料の収納対策について質問いたします。

行政サービスの維持・向上を前提としつつ、適正な受益者負担で、納得のできるサービスの提供が必要です。町税、各種使用料、手数料の収納率アップなど歳入確保策は行政の根幹でもあり非常に重要なことだといえます。以上のことを踏まえ以下の3点について質問をいたします。

①まず第1点目は町営住宅使用料の収納対策についてであります。
 非常に悪いとされる高浜町の町営住宅使用料の収納率について、現状の収納率と、滞納分の収納確保のために今後どのような対策を講じていかれるのかをお伺いいたします。

②次に第2点目として、町税、各種使用料、手数料の収納対策についてであります。
所得税から住民税への税源委譲に伴い、個人住民税が一律10%となりました。この結果、特に低所得者層を中心に住民税の収納対策に各自治体が苦労しているとの報道がありました。高浜町ではこうした問題は今のところ出ていないとお聞きはしておりますが、町税、各種使用料、手数料の滞納分などの収納率向上と、保有する土地の売却や、貸付けなどによる有効活用を図り、町全体の一層の歳入確保を図るため専門チームを発足して収納に当たるべきではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

③最後に第3点目の使用料、手数料の見直しについてであります。
今年の3月議会の一般質問で公共下水道の特別会計に一般会計から多額の繰り入れが行われている問題について指摘を行いました。
こうした下水道使用料だけではなく、 各種使用料、手数料について、受益者負担や公平性の観点から、現行の料金体系でよいのかどうかも含めて、抜本的な見直しが必要な時期に来ていると考えます。
こうした使用料、手数料の見直しについての今後の計画についてお伺いいたします。