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小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

東日本大震災被災地視察研修:女川

2011年08月23日 | 研修報告
昨日(8月22日)は、郡山市から仙台市まで新幹線で移動し、仙台市内に宿泊しました。このホテルは明日も連泊します。夜はお約束の牛タンを食しました。

朝、レンタカーを借りて女川町を視察しました。レンタカーの機動性を使って周辺の被災地も視察しました。
以下、女川町についてレポートします。

◆宮城県女川町仮設役場庁舎
宮城県女川町の仮設役場を訪れて、役場担当者から地震発生後の津波被害の状況や、町民の避難の状況、今後の復興計画について説明を受けました。
女川町役場は津波被害にあっており、高台に整備された運動公園の敷地内に仮設のプレハブ事務所にあります。


女川町は、東北電力女川原子力発電所の立地町です。平成15年に視察で一度訪れたことのある町です。
当時の町の様子を知っているだけに、津波で大きな被害があった町に立つと、言葉がありません。




私は阪神淡路大震災の直後に電力の電話対応の応援で神戸市に入ったことがあります。当時、新神戸駅から関西電力神戸支店まで徒歩で移動した際、表現は不適切かもしれませんがまるで映画のセットの中を歩いているような感覚になりました。
今回、女川の町の悲惨さは、神戸で体験した感覚とも違ってまさに筆舌に尽くしがたく、海岸線の町が消滅しているのです。地震で壊れているのではなく無くなっているのです。
地盤は約1.2メートル陥没してほぼ海面と同じ高さとなってしまった海岸ぶちの道路らしき場所をレンタカーで、おっかなびっくりの体で通行しました。


平成15年にも訪れた女川町立病院。海抜15メートルの高台に建ち周辺に福祉施設を整備した町のランドマーク的存在ですが、この病院も1階面まで海水が押し寄せたと言うのですから、その下に広がる女川の町がどんな様子だったかを考えると戦慄を覚えます。
高浜町で言うと中央体育館にまで海水が迫ったというイメージです。

女川原子力発電所は、福島第一原子力発電所と違って安全に停止したこともあって、(発電所構内は一時は避難所として使用されていたほど)原子力発電に対する受け止めは、富岡町とは大きな違いがありました。

説明を受けた女川町の復興計画は非常に前向きで力強い計画となっています。
復興計画書には原子力発電のことはあえて触れていませんでしたが、町の雇用や復興財源の面からも原子力発電所の存在抜きでは語れるものではなく、安全に停止した発電所と放射能漏洩事故を起こした発電所の立地町の受け止めの違いを大いに感じました。

東日本大震災被災地視察

2011年08月22日 | 研修報告
8月22日から24日までの行程で、同僚議員と東日本大震災の被災地視察に来ています。
被災地でボランティア活動する訳でもなく、単なる視察で被災地入りすることに抵抗感もありましたが、視察先から構わないとの返事をいただいたことと、被災地の生の声をどうしても聞きたかったこともあり、視察に踏み切りました。

朝早く高浜を出発し、新幹線で福島県郡山市を訪問しました。実は東北新幹線に乗車したのは今回が初めてです。

◆電力会社の福島支援本部
郡山市内にある電力会社の福島支援本部を訪問しました。現在は関西電力が幹事会社を務めており、関西電力の案内で現地本部の概要について説明を受けました。
ここでの主な業務は県から依頼を受けた環境モニタリング(放射線量の測定)と、福島第一原子力発電所から半径20キロ以内に一時立入される住民のスクリーニング検査(放射能汚染が無いかどうかの確認検査)、環境試料の分析などの実施です。
非常に地道な作業ですが大切な作業であり、こうした作業を秩序正しく正確に実施されている様がよく理解できました。


◆福島県富岡町の仮設役場(災害対策本部)
郡山市内にある福島県の施設である「ビックパレットふくしま」を訪問しました。

ここは、事故を起こした福島第一原子力発電所の隣に立地する福島第ニ原子力発電所の立地町である福島県富岡町が町民の避難所と役場の災害対策本部として使っている施設です。
ここでは、富岡町長と議長に応対していただき、事故発生から今日までの経過や、国や東電の原子力災害の対応、今後のエネルギー政策に対する考えや町としての判断など率直な胸の内を聞かせていただきました。
それぞれ町を代表する方の発言であり、しかも非公開の場での発言ですから、その内容をここでつまびらかにすることは控えますが、貴重なお話を数多くお聞きすることができました。

原子力災害発生後、第一避難場所として、富岡町に隣接する川内村に避難された訳ですが、何しろ人口約2千7百人の小さな村に、人口1万5千人の富岡町民が避難するのですから、それこそ村中の施設という施設を避難所として提供を受けたそうです。
とにかく屋根さえあれば土間のコンクリートの上でも使ったそうで、まだ3月の寒い時期でもあり、どれだけ難儀なことであったろうかと思います。

ビックパレット内の避難所の様子も視察いたしました。
ここの避難所は近く閉鎖する予定になっており、避難されている町民の数は少なくなっていました。
避難スペースのプライバシーの確保や、診療施設や図書コーナー、情報盤など良く考えられたレイアウトだと感じました。


原子力事故の避難に関しては、自治体単独で考えるのではなく、広域で避難計画を策定することが重要です。
また、今回、通常では30分で移動できる川内村への避難が、道路の大渋滞により5時間も要した話しを聞くと、これまで国や県から音沙汰の無かった避難道整備について、このことをおざなりにしておくことがどれ程罪深いことかを改めて知ることが出来ました。
発電所周辺の内浦地域の県道整備はもとより、舞鶴市やおおい町へのアクセス道路についても同様に整備が必要です。

これら道路整備は今後、強力に関係機関に働きかけていきます。

原子力関連施設視察研修:3日目

2011年07月21日 | 研修報告
視察研修3日目です。

九州電力川内原子力発電所を訪問し、発電所の概要と福島事故の緊急対策の実施状況について説明を受けました。

また発電所構内を視察し、緊急対策の実施状況を現地確認し、併せて3号機の増設予定地についても現地確認しました。
川内原子力発電所は周辺にプレート境界がないことや敷地の高さが13メートルあること、敷地内に水量の豊富な池があることなどから、敷地条件のよい環境にあります。

緊急対策は概ね高浜発電所で実施したものと同様の内容です。ただ、50万ボルトの送電線は1ルートのみで(他に22万ボルトが1ルートある)、外部電源に対しては高浜発電所よりも脆弱な印象を受けました。

3号機の敷地は十分な広さがあり、一層敷地条件がよいと思えました。
ここに岩盤まで40メートル掘り込んで原子炉建屋を設置する計画にあるようで、半地下式の原子炉建屋となる計画です。このような好条件の発電所はぜひとも建設が実現することを期待したいところです。

原子力関連施設視察研修:2日目

2011年07月20日 | 研修報告
視察研修2日目です。

午前中は、薩摩川内市にある鹿児島県環境放射線監視センターを訪問し、川内原子力発電所周辺地域の環境放射線の監視、環境試料中の放射能分析、温排水影響調査の環境モニタリングの実施状況等について説明を受けました。

特に関心を持ったのは、福島事故により、この監視センターでもヨウ素やセシウムなどの放射性物質が到達していることが確認されていることです。
微量ではありますが、この九州の地でも測定されており、健康には全く影響がない範囲ではありますが放射線が広範囲に広がっている現実と、一方で放射性物質が容易に採取・測定が可能な物質特性があることを確認しました。

午後は薩摩川内市役所を訪問し、市の電源立地地域対策交付金事業に関する説明を受けました。

薩摩川内市は市の財政規模が約500億円に対し、電源立地地域対策交付金の交付額は平成21年度実績で約11億円です。
市には、京セラ、富士通、チュウエツパルプなどの工場や、100万キロワットの火力発電所、陸上自衛隊基地が立地するなど、財政的に裕福な自治体です。従って、高浜町のように電源交付金の多寡が死活問題となるような財政運営の状況にはなく、今回の福島事故の影響で川内発電所3号機の増設の行方が不透明になったことにより、今後の財政見通しの見直しを迫られてはいますが、このことで途方にくれるといった印象は受けませんでした。

他に、薩摩川内市では市の法定外普通税として「使用済燃料税」を平成16年度より課税しています。
この平成16年は旧の川内市が、周辺4町4村と合併し薩摩川内市が誕生した年です。

おそらくこの合併により財政力指数が低下し、使用済燃料税導入のきっかけとなったのだろうと思います。使用済燃料税は課税客体が発電所構内に貯蔵された使用済燃料で、1体当たり23万円を課税し、平成22年度の税収は約3.5億円とのことです。

電源交付金充当事業は、旧の川内市域にこだわらず薩摩川内市全域の事業に充当されており、このことで旧の川内市との軋轢もないことを確認しました。

原子力関連施設視察研修:1日目

2011年07月19日 | 研修報告
今日から2泊3日で原子力関連施設の視察研修で鹿児島に来ています。

台風の影響で飛行機が飛ぶのか心配でしたが、風向きの影響から離陸前に滑走路のテイクオフの方向が変更になり、飛行機が滑走路の端から端まで(誘導路で)移動するハプニングがありましたが、無事、昼前に鹿児島空港に到着しました。

午後、薩摩川内市にある川内原子力保安検査官事務所を訪問し、川内オフサイトセンターの概要と東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえた原子力発電所の事故対策について説明を受けました。

オフサイトセンターの機能や保安検査官事務所の役割については、高浜オフサイトセンターと概ね同じ内容です。
川内オフサイトセンターの特徴は近隣に代替のオフサイトセンターが用意されている点にあります。
ただ、位置として川内原子力発電所の同心円からの距離がほぼ同じであり、今回の福島事故でオフサイトセンターが使えなくなってしまった事象に対応できるものではなく、おそらく川内川の氾濫時のバックアップとしての位置づけであろうと思います。

ストレステストについてその概要の説明を受けましたが、この時点で保安検査官事務所に来ている情報が少なく、仕組みを理解できる程のものではありませんでした。

夜は鹿児島市内のホテルに宿泊しました。

市町議会議員合同研修会

2010年11月10日 | 研修報告
福井県自治会館で開催された福井県市町議会議員合同研修会に参加しました。

研修会では「地方分権と議会改革」と題する明治大学牛山教授による講演と、「伝統文化を生かしたまちづくり」と題する桝一市村酒造場代表取締役のセーラ・マリ・カミングス氏の講演を聴講しました。(写真)

セーラ氏(女性)は、1993年にペンシルベニア大学を卒業後、長野県小布施町に来て数々のまちづくりの取り組みを実践された方です。
とにかく前向きな方で、その独特な語り口調で示唆に富んだ話を聴かせていただきました。


政務調査費による視察研修:3日目

2010年11月06日 | 研修報告
視察研修3日目は、東京工業大学の原子炉工学研究所を訪問し、休日でしたが施設見学と同大学の澤田先生と意見交換の場を持ちました。

昨日訪問した双葉町や高浜町と姉妹都市提携している志賀町についての話題や、ウランのように核分裂でプルトニウムを発生させない新たな核燃料としての利用可能性があるトリウムの話題まで、幅広い意見交換ができました。

午後の新幹線に乗車し高浜に帰りました。

政務調査費による視察研修:2日目

2010年11月05日 | 研修報告
【双葉町研修】
研修2日目は福島県双葉町へ移動して、双葉町役場を訪問し双葉町の財政に関して、①双葉町の財政状況について(特に原子力発電所関係財源の歳入・歳出の推移と財政状況の変遷) ②核燃料サイクル交付金の交付と交付事業 について町の担当者から説明を受けました。

町長を始め議会からも副議長、常任委員長に応対していただいたところです。

福島県双葉町は福島第一原子力発電所5,6号機が立地する原子力立地の町です。財政は本来であれば豊かな町のはずです。
その双葉町が、自治体の財政の健全性を示す数値のひとつである「実質公債費比率」が、2006年度に30%となり、全国で9番目に悪い水準となりました。

2008年9月17日付けの朝日新聞に掲載された、双葉町の井戸川町長が町議会において今後の町の財政運営に関する質問に涙ぐみながら答弁したとの記事を読んだ時は、原子力の立地町でこんなことがあるのかと、当時、衝撃を受けたことを今でもよく覚えています。

町長自らこうした経緯について熱心に語ってくれました。

立地自治体サイドの一方的な考え方かもしれませんが、双葉町はただ真面目に国策に従って町政運営してきました。その結果がこの財政状況をもたらしていると感じてなりませんでした。町の将来のことは、町の人間が考えなければなりません。国の方針がどうであれ、自分たちで考えて自分たちで判断しなければならないという当たり前のことを改めて感じた次第です。我々の判断が間違えば、1万1千5百人の町民に累が及ぶと心して取り組まなければならないと心を新たにしました。

双葉町の研修終了後、議会事務局長の案内で和田海水浴場と同じく「日本の快水浴場百選」に選ばれた双葉海水浴場を視察しました。
非常に手入れの行き届いた松原が印象的な海水浴場でした。

【原子力関係者との懇談会】
列車で東京まで移動後、東京都内で原子力の関係者(そうそうたるメンバーです)との懇談会に参加しました。
原子力発電所の立地町をマラソンで繋ぐマキシーマラソンをきっかけとした立地町の連携活動、原子力の今後について意見交換が出来ました。

政務調査費による視察研修

2010年11月04日 | 研修報告
本日から2泊3日の行程で同僚議員と政務調査費を使った視察研修を行ないました。

高浜町議会では今年度から議会改革の一環で、これまで行なってきた特別委員会や全議員による視察研修などを縮小し、削減した財源の範囲内で議員一人当たり年額10万2千円(月額8千5百円)の政務調査費を支給しています。
今回はこの調査費による視察研修を行なったものです。

初日は、宮城県仙台市の宮城県庁の企画総務課を訪問して、宮城県の核燃料税に関して、①女川町と周辺自治体に対する核燃料税の交付制度の概要 ②宮城県における核燃料税での実施事業 ③核燃料サイクル交付金関係 について県の担当者から説明を受けて質疑、意見交換を行いました。

前の浅野知事時代に宮城県と女川原子力発電所が立地する女川町と周辺自治体との、核燃料税の交付をめぐる攻防(当時、宮城県では核燃料税を立地自治体に全く交付していなかった。)をネットの記事で知っていましたので、その経緯についても質問しましたが県の考え方と立地自治体の考え方の違いが感じられました。

厚生文教常任委員会視察研:2日目

2010年10月19日 | 研修報告
昨夜は名古屋市内で宿泊。本日は犬山市を訪問して同市の教育行政について研修しました。
【犬山市教育委員会】
犬山市は前職の石田市長(現在は民主党衆議院議員)の時代に、「犬山の子どもは犬山で育てる」を基本理念に、非常に改革的な教育を行なったことで全国的に有名です。
今でも視察の受入れは非常に多く、私たち高浜町議会と一緒に宮崎県の新富町議会も加わっての研修となりました。
少人数学級、二学期制、市独自の副読本などの施策について研修を受けてきました。
少人数学級については、通常は担任を持たない教務主任、校務主任にも担任を持たせることと、市単独の講師の採用により概ね30人学級編成を実現しています。
また、副読本については、平成14年度の新学習指導要領が、いわゆる「ゆとり教育」となって非常に教科書が薄くなってしまったことから、市独自で副読本を作ったものです。
それぞれの施策についてしっかりと研修を受けてまいりました。