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キエフバレエ「白鳥の湖」~生まれて初めてバレエを観た~

先週の土曜、朝10時からの映画を観に行くつもりが、
しっかり寝過ごして、家でのんびりしていたら、学生時代の友人から連絡が入った。
一緒にバレエを観に行く友だちが
親類のご不幸で急に行けなくなったので
代わりに行かないか、とのお誘い。
生まれて初めて、ロシアのバレエ団の、本格的なバレエ公演を観にいった。

本当にきれい。
びっくりした。間近で観たせいもあるが、
白鳥、黒鳥を演じるきゃしゃなプリマのバレリーナはもちろん、
レッドバルト役の小柄な青年が、
舞台狭しと、めいっぱい走り回り、かろやかに跳躍する。
その軽快で大胆な動きに魅了された。

プリマのまっすぐに、すらりと伸びた手、腕は、ずっと遠くまで無限に伸びていくように美しく、
しなやかな肩と背中は、どこまでもやわらかい。
白鳥の羽根のように、腕を小刻みに動かすのも優雅。

バレエでは、セリフがないから、身振りと表情だけで思いを伝え、
物語をつくりあげていく。
言葉がない分、観客の想像力を刺激する。

一列に並んだバレリーナたちが、ひとりずつ立ち上がっていく様子は、
まるで、白鳥が一羽ずつ目覚めていくような、息をのむ美しさ。

群舞では、バレリーナたちの、きれいにそろった腕、足先に目を奪われる。
舞台上で、黒い衣装のバレリーナたちと、
白い衣装のバレリーナたちが、幾人も交差して動いていくのがおもしろい。

音楽の情感が動きとなり、人を動き出させる。
音楽にあわせて、バレリーナたちが、舞台を踊りまわるように、
私たちの心臓までもが、音楽に呼応して、動き出したかのような錯覚に陥る。

華麗に踊るバレリーナたちを観ているうちに、観客の心も鼓舞される。
観客は、自分の踊りたい心、動きたい心を、舞台上のバレリーナに重ねる…。

バレエのきれいさってなんだろうと考えていた。
音楽にあわせて踊ることの歓び。
踊り自体の美しさももちろんあるけれど、
音楽にあわせて踊ることで、美しさは何倍にもなる。

指揮者の指揮棒の動きが席から見えた。
時折、小刻みにふるわせ、自信たっぷりの情熱的な指揮棒。
友人いわく、バレリーナのジャンプにぴたりとあわせた演奏は、
座付きの楽団のお手本のように見事だったとか。
髪型が少し刑事コロンボのピーター・フォークみたいで、
情熱的な姿に、少しファンになった。

4人で踊る大きな白鳥、小さな白鳥の踊りと
それぞれ、コンビの踊りもきれい。
黒鳥と白鳥とを同じ人が演じることで、
人間の二面性が現れ出た。
夢のような、豪華な一夜に感謝。

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