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週末。

土曜日の朝、窓をあけてベランダに出ると、
11月終わりに植えたチューリップの球根の芽が、先週末よりも
少しだけ大きくなっているような気がした。

5つ植えたうち、芽が出たのは4つ。
厳しい冬のせいか、まだ3センチ位で、
なかなか大きくならないが、なんとか咲いてほしい。
今日、水をやっていると、土の間から、
枯れたと諦めていた球根の鮮やかな黄緑色が見えて、びっくりした。
今までずっと地中でひっそりと生きていたのだと思うと、嬉しくなった。
無事、地中から芽が出てくれるといい。

凍りつくような冷たい空気とは逆に
太陽の日差しはどこか明るく温かく、春の訪れを告げた。
ベランダで、チューリップの鉢を前に、ぼんやり見つめて過ごすのも
すてきな時間の過ごし方に思われた。
何もしない“ぜいたく”…。

このところ、映画に行けない代わりに
先月末、ライブに行った子の歌ばかり聴いている。
ちょっと切なく、でも、ビートがきいて、
メロディラインもきれいな歌は
一緒に歌っていれば、いつしか元気が出て、前向きになれる。

2時間、じっくりと映像と音に浸る映画に比べたらささやかな幸せ。
でも、今の仕事に追われる毎日を頑張れるのは
この歌たちのおかげ。
仕事の合間も、ふとしたすきに
頭の中でリフレインされて、大丈夫だよと励してくれる。
テンポのよいリズムが、とにかく進め、がんばれと
励ましてくれるようで、心強い味方に思える。

ものごとは感じようで、
こんなにはまるとは思っていなかった。
生で聴くというのは大きいことなのだろう。
いわば、映画館で映画を観るのと、部屋でDVDで一人で観るのと大きく違うように
歌や音楽も生で聴いて、全身で感じるのと
CDとでは、格段に違う。
まさに体感。体全身で味わうということなのだろう。
今まで映画館でも、ちゃんと全身つかって、観て、聴いていただろうか。

昨年秋、何年かぶりで、クラシックのコンサートに行った。
あまりにメジャーなベートーベンの「田園」。
行く前に、何度かCDで予習したが、
ホールで聴く音色は、別世界のものだった。
一番驚いたのがヴァイオリン。
遠くの席だったにもかかわらず、
第一ヴァイオリンの音色のあまりの美しさに
この世の中に、こんなきれいな音があっていいのだろうかと
涙が出そうになった。

至って、単純にできているのかもしれない、私は…。

聞くところによると、この週末から大阪で公開が始まった『サウダージ』。
初日の昨日も
監督らゲストの舞台挨拶がある今日も
満席の人だったらしい。
すごい熱気の中で観る映画も、また違う体感を伴ったものだったろう。

今は、じっと我慢の子で、力を貯めたい。  

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