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No617『ゲッタウェイ』~スリリングな夫婦二人の逃避行~

サム・ペキンパーといえば、初めて観たのは『ワイルド・バンチ』で
大いに興奮したのを覚えている。
確か、ファーストシーンは、さそりか何かのアップだったような…。
1972年の本作も、動物の姿から始まり、
いきなり何が始まるのだろうと面食らった。
(結局のところ、最後まで観ても意味は不明)

ファーストシーン5分、
タイトルやらが出てくる映像のなんとすごいことか。
どきどきした。

刑務所の作業所で働くスティーヴ・マックイーン。
その機械が動く規則的な音がバックにずっと流れ、
刑務所でのいろんな光景が映されてゆく。
その映像の上に、
キャストやスタッフ名が出た瞬間
映像がストップし、機械の音だけがそのまま続く。
わずかの間…、そしてまた映像も動き始める。

音といい、映像といい、
なんだかすごくスリリングで、
この映画の展開を象徴するような見事な出だし。

カットとカットのつなぎ方とか、
普段あまり意識できない劣等生の私でも、
この冒頭は上手いなあと思った。

妻キャロルを演じるアリ・マッグローのチャーミングなこと。
かなりむちゃくちゃな車の運転もしている。
スティーブにほの字のところがいじらしい。

スティーブもかなり豪快に銃やらをぶっぱなしていて
貫禄ありの荒くれ男。

この夫婦二人のつかず離れずの関係がみそ。
とりわけラストは爽快。
最後に出てくる老人の豪快さとおおらかさにいやされた。
年をとったら、こんなじいさんのようになりたい。

大阪プラネットでのレイト上映で
帰りが遅くなっても、元気に家路に着けた。
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