日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

名演奏は客演にあり ~ これぞルカサー・スペシャル!

2007-10-06 | 洋楽
洋楽ファンの皆さま、お待たせいたしました。週末恒例音楽の時間です。
今日のジャケ写真で、アーティスト名がすぐ出たポピュラー・ミュージック・ファンは、相当ハイレベルな方です。

アーティスト名は、マンハッタン・トランスファー、アルバム・タイトルは「エクステンションズ」。マンハッタン・トランスファーは、男女2人づつ計4人からなるジャズ・コーラス・グループです。
このアルバムは、彼らが果敢にAOR的アプローチに挑戦したもので、ポピュラー・ファンにもアピールしたヒットアルバムでした。
ただしこのアルバム、私からみても彼らの本質的な良さを伝えるアルバムとは言えず、最高作とは決して思っておりません。

ではなぜ取り上げたのかって?
実は、今日のテーマをギタリストの客演の名演奏ということに置かせていただき、その視点でこのアルバムを取り上げた次第なのです。

では本題。
私にとってのこのアルバムの主役は、「トワイライト・ゾーン~トワイライト・トーン」におけるギタリスト、スティーブ・ルカサーのリード・ギターに他なりません。
聞いてびっくり、緊張感漂うものすごいフレーズの連続。当時は垂涎の超高級エフェクター(今では高校生でも使ってる?)「ハーモナイザー」を使った音色の美しさもさることながら、斬新でスピード感溢れるフレーズ展開は名演奏と言う以外に形容の仕方がありません。

ギターのすごさをを文章で表現するのは無理があるので、この辺でやめにしますが、とにかく鳥肌モノです。

スティーブ・ルカサーという人は、元々セッション・ギタリストで、このアルバム当時はTOTOというバンドのリーダーとしても超売れっ子でありました。
じゃ、自身のバンドTOTOでも凄いリード・ギター連発であったかと言うと、全然そうでもなくて(なんて言うとファンの方に怒られますかね)、まあ並より少し上のクラスのハード・ロック・ギタリストって感じです。
個人的には全然好きになれないですね。

私的には圧倒的に、他のアーティストのアルバムへの客演の方が冴えていると思います。
ボズ・スキャッグスやレイ・ケネディの作品での演奏は、明らかにTOTOでのリードでのそれより素晴らしいですから(先のトワイライト…」にはかなわないですがね)。
自分のバンドでは趣味趣味志向で好き放題やりすぎちゃって、イマイチなんでしょうか?それとも岡目八目ってこと?
まあ想像するに、他人の仕事の方がいろいろ制約や雇用主からのリクエストがある分、限られた条件の中で自己主張しながら最大限の力を発揮しようとすることで、とんでもないフレーズが生まれてきたりするんじゃないんでしょうか。

同じように客演の方が冴えるギタリストって他にもいるようです。
例えば、ヴァン・ヘイレンのギタリスト、エディ・ヴァンヘイレンのベスト・パフォーマンスはマイケル・ジャクソンの「ビート・イット」だと言われていますし、ジャズ、フュージョン系ギターの名手ラリー・カールトンのベスト・パフォーマンスも自身のアルバムではなくてスティーリー・ダン(またまた登場!)の「キッド・シャルメーン(滅びゆく英雄)」だと言われています。

アーティストが客演のほうがその力を余すことなく発揮するとしたら、企業においてもあるミッションを社員に受けさせるより「アウトソース」の方が、仕事をうけた側に緊張感があっていい仕事になるのかもしれません。そうやって考えると、「アウトソース」の効用というのは、アウト先の選定さえ間違えなければ、コスト削減以上のものが期待できるとも言えそうですね。

最後に私事。
私も客演(外仕事)と主演(内仕事)を持つ身です。「コンサルタントとして人の会社を手伝っているといい仕事するけど、自分の事業は冴えないよね。やんなきゃいいのにぃ」、なんて言われないようにしないといけませんね。