日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

センセイ?

2007-10-24 | その他あれこれ
突然ですが、不思議に思った「センセイ」という呼び名について。

コンサルタントという商売、ややもすると間違えて「センセイ!」とか呼ぶ人がいます。私はとにかく「センセイ」は勘弁してくれなのですが、この妙に違和感を感じる「センセイ」って呼び名って何でしょう?
誰かがそう呼ばれているのを傍で聞いていても、違和感を感じることってけっこうありますよね?きっと「どう見てもセンセイじゃないだろう、コイツは!」と思うからですよね。今日は、「センセイ」という呼称の謎に迫ります(そんなに大げさじゃないけど…)。

まず一般に「センセイ」と呼ばれる商売って何でしょう?

とりあえず本当の先生。幼稚園の先生から大学教授まで、さまざまですが、「先生」=「モノを教える」「人を育てる」という意味ですから、違和感なしですね。
他にも、料理学校、英会話、珠算、予備校…、人にモノを教える立場の方は、資格の有無に関わらず大体これも「センセイ」の呼称に違和感なしですね。
同様に弟子的存在が親方にあたる人を「センセイ」と呼ぶのは、その親方の出来の良し悪しにかかわらず、やむを得ないですね。

宗教団体の教祖や幹部、思想団体のトップなんかも、「人の道を教える」「教えを乞う」相手、という意味では、万人から見た「センセイ」ではありませんが、呼ぶ人から見て「センセイ」であり、まぁうなずける部類の「センセイ」です。

やや分からないのは、政治家の「センセイ」。彼らには教えてあげたいことはあっても、教わることはあまりないですね。まぁ、選挙で選ばれるって「体力」「財力」ともに大変なことですから、敬意を表してですかね。この場合の「センセイ」はイコール「尊敬すべき偉い方」ぐらいのカンジだと思います。

医者もだいたい「センセイ」ですよね。これは思うに、技師とか看護士とか医療事務員とかが入り乱れている孤立した独自の世界での、ヒエラルキーの象徴としての「センセイ」なんですかね?
ただ、かけがえのない命を救ってくれる存在として、敬意を表したもの、と考えると、やはり「尊敬すべき偉い方」としての使われ方で納得性があります。

問題は、弁護士、会計士、税理士など「士」のつく商売の方々。

弁護士は場合によっては、「命」を救う存在?まぁ、六法を人並み外れて知っている、かつ判例から学ぶ法的判断の価値は人によって高く、教えられることも多いケースもありますので「センセイ」なんですかねぇ。「尊敬すべき偉い方」ばかりではないようにも思いますが…。

では会計士は?さらに言えば税理士は?
「士」がつきゃなんでも「センセイ」か?と言えば、そうじゃないだろって気がしますからね。たぶん、会計士は弁護士と並ぶ難関資格に対する敬意でしょうか?
税理士に至っては、試験の難易度からみてさして難関資格ではないですから、敬意を表するのも変?それが証拠に、会社勤務のサラリーマンで、税理士資格を持っている人もいますが、その人は税理士資格を持っていても「センセイ」と呼ばれることがまずないですね。
つまり「資格取得」=「センセイ」ではない様で、使い方に疑問です。


取り留めのない話になってしまいましたので、以下まとめ!

要は、「センセイ」と言う呼称には2種類あるということです。ひとつは「職業的呼び名」としての「センセイ」。もうひとつは「敬意」「尊敬」の象徴としての「センセイ」ですね。違和感の問題はどうやら後者にありそうです。

具体的に結論。

「モノを教える」「人を育てる」人に対しては、無条件で「センセイ」と呼んでもらってOK!ということ。周りで聞いていても違和感なしです。職業的「センセイ」ですから。親方や教祖も、広い意味での「職業的センセイ」ですね。
問題のそれ以外の場合、本当に「尊敬すべき偉い方」であるかどうか、「センセイ」という呼称を使う側にもっと慎重さが欲しいというのが、私の言いたいことのようです。誰でも「士」がつけば「センセイ」かと言えば、決してそうじゃないですからね。

最近どうも気になるのが、「センセイ」呼ばわりされていい気になっているのか、常識もなく人間的に未熟なくせに(年齢関係なくね)傍若無人な振る舞いの「士」の方々が目に付くこと。これは、顧客である契約者側にも責任があるのではないかと思います。(これが今日のテーマのキッカケだったんですね、きっと!)

そこで提言!
「実力」や「常識」も踏まえない「士」の連中には、「センセイ」呼称の安売りをしないこと!本当に「尊敬すべき偉い方」と認められる人だけに使うべき呼称であることを、もう一度よく認識をして慎重に対処して欲しいと思います。

日本商工会議所あたりで、世間一般の常識やビジネスマナーの基本とかを試験して「センセイ」と呼ばれるにふさわしいか認定する、「センセイ検定」でもやってもらうといいですね。「士」の方の名刺の名前に下に「日商認定「センセイ」」とか書いておくとか。そうすれば、名刺をみて「あっ、この人は「センセイ」と呼んでもいいレベルにあるんだ」とわかるとか、ね。本当に「センセイ」と呼ぶかどうかは、その認定が大前提で呼ぶ人がその人を「尊敬すべき偉い方」と認めた場合のみですけどね。

以上。

別に、世の「センセイ」方に恨みがあるわけじゃないですよ。念のため。