日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

社長怒る!

2007-10-23 | その他あれこれ
怒りです。

事の発端は日曜日の夕刻。金曜日の夜に投函された店内アンケートで、「コーヒー買ったら、お湯と砂糖だった。損した気分」という由々しきメッセージ。すぐに調べると本当にコーヒーは「お湯と砂糖状態」でした。

エスプレッソ型自販機設置会社に連絡して至急の対応を頼むも、最短で月曜日午前とのこと。やむなく対応を待つことになりました。月曜午後にビッグサイトで電話を受けると、担当の営業課長が「問題なかったようですよ~」と実に軽いノリ。これにまず、一度目のブチ切れです。
「あんたねー。現実に故障してたんだよ。問題ないわけないだろ!ちゃんと原因究明して再発防止しましたと報告するのがスジでしょ!被害者へのお詫びは?全部やり直し!」。
聞けば、課長は調査現場に立ち会わず能天気な報告受けて、それをそのまま私にトスした模様。アホか!

明けて本日朝、店に行って調べたらやっぱりコーヒーは“超アメリカン状態”。すぐ課長に電話して、「大至急対応せよ!」と申し出るも、「今日は技術者が会議で出かけるので、明日じゃダメですか?」というまたもや能天気な受け答えです。本件2度目のブチ切れ。
「あんたねー、うちのお客様が現実に被害被ってんだよ。他にも被害者は多数いるはずだよ。それをすぐやらないで、ほっておけるか!」

暫くして、再度電話ありまして曰く、「技術者なんとかしました」「分かったありがとう。課長も立ち会ってくれますね?」「大関さんが無理言うから、私が代わりに会議行くことになりまして…」これで本件3度目のブチ切れ!
「あんたねぇ、会議とお客とどっちが大事なんだよ!」「上の命令なんで…」「あんた課長だろ!上に説明してでも来なけりゃダメだろ」「それが無理なんです…」「なんなんだ一体?」「うち変な会社なんですよ。上に言ってやってくださいよ…」

あきれを通り越して、虚脱感…。
この会社、れっきとした上場企業です。
まさに上だけを見ている文化が染み付いた「官僚型組織」ですね。顧客よりも上席優先。昔の官僚組織や金融機関によく見られた傾向です。今でもけっこうあるんですね。
ちょうど今、前防衛大臣の接待問題が取りざたされていますが、渦中の○○洋行なる会社もまさに「官僚型組織」の典型です。役員を天下りで迎えて官僚接待で仕事を取る。昭和の時代にはどこにでも転がっていた話ですが、今は大問題。なんでこんな明らかなコンプライアンス違反が起きてしまったのか。

「官僚型組織」で本当に怖いのは、顧客よりも上席ばかり見てサービスが低下し評判が悪くなることではありません。中の人間が、皆上ばかり見て仕事をし、上はさらにその上、そのまた上もさらに上を見て…。しまいに上が道を誤っても、牽制が効かずに、最後は会社ぐるみでのコンプラ違反を平気で犯してしまうことになるのです。「上がすべて」の文化では、世の中の価値感とは違った価値観がまかり通り、知らず知らずに誤った道に迷い込んでいる可能性があるのです。

件のコーヒー自販機設置会社さん、こんな企業風土のまま上場を続けて、致命的なコンプラ違反を犯さないといいのですが、と老婆心ながら心配になってしまいます。