日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

フリーペーパー事情 ~ その2

2007-10-17 | ビジネス
昨日の続きです。

フリーペーパーのビジネスモデルというのは、①フリーペーパー発行者、②広告掲載者、③流通業者、④設置店、⑤読者、の5社それぞれのメリットバランスに立って成り立っているというお話をしました。

で、今日は②と③と④の微妙なお話です。

③は①を通じて②に対して、「いかに魅力的な配布先としての④を持っているか」をアピールする必要があります。そこで、③は魅力的な④を多数開拓し、①を通じて②にアピールしてもらうわけです。この場合の「魅力的な④」となりうる場所の意外に知られていない真実は、④の中にはⅠ「魅力的に見える場所」とⅡ「本当に魅力ある場所」があるということです。

Ⅰ「魅力的に見える場所」とは何か?これは、②に対してインパクトが強い場所でありながら、実際の持ち帰り比率はあまり高くない場所です。その典型的な例がコンビニ店頭です。
Ⅱ「本当に魅力ある場所」とは、その名の通り持ち帰りや立ち読み率が高い場所です。そのナンバーワンは何と言っても駅ですね。他にも置くものにもよりますが、病院なども場所的な印象(健康的ではないというイメージ)の割には意外に魅力的であると思われます。

ⅠとⅡの一番の違いはどこにあるのでしょう?具体的に「コンビニ」と「駅」で比べてみましょう。
「コンビニ」が、魅力的に写るのは時間を問わないその立ち寄り人数の多さにあります。「あれだけ多くの人が出入りしているのだからかなり持ち帰りが期待できる」「有料の雑誌も売っているし、無料のメリットを感じてもらいやすいだろう」というのが、利用クライアントの一般的な期待感です。ですから、配置先に「コンビニ」が入っていると②の広告掲載者は「いい媒体だ!」と思いがちなのです。

なぜ「思いがち」と言ったかと言うと、実は期待感ほど持ち帰り率は高くないんですね。「コンビニ」は何かを買うという目的を持って来店する人が多いですね。そして、来店数の割には滞留時間が短い。滞留時間の長い人は大抵有料雑誌の立ち読み者で、この人たちはフリーペーパーの持ち帰りターゲットにはなりにくいんです。なので、よさそうに見えて実はそうでもない場所なんです。まあ来店客の数はありますから、それでもそこそこのはけ方はするようですが…。

一方の「駅」。対象人数の多さは「コンビニ」の比ではないです。でも意外によく思われないのは、一見、通行人的人が多くて持ち帰らずに通り過ぎてしまうのでは、と思われるからでしょう。ところが、「駅」に来る人の目的は大抵「これから電車に乗る」ことですよね。ということは、電車の中で「移動」という「待ち時間」を持つことになるのです。すなわち、「待ち時間」対策を持たずに駅に来た人には、その「待ち時間」つぶしのアイテムとして、フリーペーパーの持ち帰りが期待できるという訳です。「待ち時間」ということでは、「病院」もいけるクチかなという感じですね。

すべての人が上記のケースどおりではないのですが、簡単に分析するとこのような傾向になるようで、配布先としての見た目の魅力は「コンビニ」ですが、配布実績から見る魅力では「駅」の方が上という結果が出ているようです。

で、わがビジネスの「複合ランドリー」。来店客数は「コンビニ」には到底及びませんが、「待ち時間」を持っているという点ではかなり有望ではないかな、と思っておりまして、今各方面への動きを開始しいろいろ仕掛けに入ったところです。

また進捗状況は、追ってお知らせいたします。

引き続き、おしゃれなフリーペーパー募集中で~す!
よろしく。