日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

DJポリスの一件を機に、そろそろ「ネズミ捕り」はお止めになったらいかがでしょうか

2013-06-26 | その他あれこれ
ちょっと前の話なので今さらの感はあるでしょうが、DJポリスへの警視総監賞授与について、一言思うところを申し上げておきたいと思います。

DJポリスと言われる警官が警視総監賞を授与されることになったいきさつは、サッカーの日本代表がワールドカップ出場を決めたその日に渋谷ハチ公前交差点で、彼の巧みな話術が若者の好感を呼び混乱を回避したというのがその功績だそうです。これはよくよく考えてみると、結局のところ普段の警官方のおこないが悪いからこそ目立っただけの話であって、本来ここかから導き出されるべき結論は、巧みな話術で若者を懐柔した警官を褒めたたえることではなく、普段の警官の言動をいかにして一般市民から好意をもって受け入れられるべきものにしていくか、という点に持ち込むべきなのではないかと思うのです。

警官がなぜ忌み嫌われる存在になり下がってしまっているのか、それは日常的に接する場面であまりにも理不尽で高圧的な態度を印象付けられているからに違いないと思います。その代表的な例が、物陰に隠れて違反をさせておもむろの登場して有無を言わさず反則切符を切る「ネズミ捕り」にあると思っています。私は捕まったことがないのでその現場は良く分かりませんが、私の周囲にいる“前科者”たちは「やり方が汚い!」「高圧的でこちらの言い分を一切聞かない」「警察の小遣銭稼ぎが腹立たしい」と口をそろえます。

この問題に関してはこれまでも拙ブログでことあるごとに取り上げてきました。その趣旨をかいつまんで申し上げると、「みすみす違反を見過ごして捕まえるというやり方自体が、違反防止、事故の未然防止を任務とすべき警察にあるまじき行為である」ということです。彼らの本来の任務から考えるなら、違反事例多発ポイントにおいては隠れて違反者を捕まえるのではなく、見えるところに堂々と出て違反行為を未然に防ぐ抑止力となるべきであると思うのです。

まぁ、この点は今回の主題ではないのでこの程度にとどめますが、このような国民の安全確保よりも反則金による税収確保を優先するような行動自体が、国民の警察官に対する印象を著しくおとしめる原因を作り上げていると思うのです。捕まった人間は気分がいいわけがありません。必ずや周囲の人間に警察官のやりくちの汚さや態度の横柄さ吹聴することになるでしょうし、「やり方が汚い!」「高圧的でこちらの言い分を一切聞かない」「警察の小遣銭稼ぎが腹立たしい」などの話を聞いた私のような者までが、自分が捕まってもいないのに当事者と同じように腹立たしく思うことになるのです。

今回のDJポリスの一件で警察官僚の皆さんが、好感をもたれる警察官のあり様と言うものの重要性を認識したのであるなら、その人間を表彰して終わりという流れでは全然ことの本質を捉えていないと思うのです。なぜ、あの夜渋谷ハチ公前交差点での警官の巧みな話術がそれに従う若者の流れを作ったのか、それは警官方の日常的な言動への不平不満の裏返しであるのだという理解をしなくてはいけないのです。その日常的に悪印象を招いている言動の最たるものこそ、物陰に潜んで違反者を高圧的に捕まえる「ネズミ捕り」であるわけで、このやり方を早期に改めることこそ大切な問題であると思うのです。

警察官が我々国民の生活の安全を守っていただく存在であるのなら、やはり国民から好感を持って接してもらうことは重要なことであると思うのです。今まで自分たちのやってきたことの間違いと、それがもたらす警官に対する悪印象という弊害。今回のDJポリスの一件をもって、賢い警察官僚の皆さんならそろそろこの点に気がついて行動を改めてもいい頃ではないのかと思った次第です。

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