日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

終戦記念日に、今年も硫黄島の平和利用を願う

2013-08-15 | その他あれこれ
68回目の終戦記念日です。私は毎年この時期に硫黄島の話を書いています。きっかけをくれたのは、数年前に出会ったネット上の硫黄島で凄惨な体験をされた方が綴った日記でした。これはその方のお孫さんが、多くの方々に戦争の悲惨さを伝えるべきと掲載されたものです。
◆「祖父の硫黄島線戦闘体験記」
http://www5f.biglobe.ne.jp/~iwojima/

私はこれを読み平和を願う立場から、自衛隊が占拠する島の今の状況を一刻も早く変えて欲しい、未だに収集されていない戦没者の遺骨を一日も早く収集してあげて欲しい、日米が死力を尽くして戦った太平洋戦争の中でも最も戦争の悲惨さを伝える場所を正しく活用して欲しいと、心から思ったのです。

戦争と言う人類史上もっとも愚かな行為をこの地上から永久に葬り去るために、この島には出来ることがたくさんあると私は思っています。日米あわせて2万9千人もの戦没者を生んだこの島であればこそのことなのです。島は確かに不発弾や地がいまだに埋まったままの危険状態にあるのは事実でしょうし、火山活動が活発で島全体が硫黄に包まれた環境は人が住む場所として不適であるのは事実としてもです。

この地に現存する自衛隊の基地が国内で唯一、陸海空合同訓練ができる重要な拠点であるとしても、戦争の名残をそのまま引きずっているような今のこの島の使われ方が本当に正しいものなのでしょうか。ごくごく限られた時に、ごくごく限られた人しかこの島に渡ることができず、戦後68年経ってもなお遺骨の収集はおろか戦没者の慰霊すらままならないこの異常とも思える現状を、遺族の皆さんは大変悲しく思っているのではないのでしょうか。皆さんはどう思われますか。

政府はまず遺骨収集を最優先し、不発弾や地雷の撤去作業に最新技術を投入してでも島の環境改善をはかるべきであると思います。自衛隊の基地がある限り、機密保持の観点から島への自由な出入りは制限され続けることでしょう。まずなすべきは、自衛隊の全面撤退。戦没者の御霊は今の島の使われ方を決して快く思ってはいないはずなのですから。

観光地化しろとか、宿泊施設をつくれとか、そんな必要はないとは思います。ただ少なくとも、戦没者の遺族をはじめ平和を祈るすべての人が自由に出入りし、戦争の愚かさを知り、平和のありがたさを実感する機会を得られるような、そんな島の平和利用を政府は真剣に考えるべきなのではないでしょうか。国自らが管理・運営するのがふさわしいのかもしれません。

硫黄島は日米合同の慰霊式典が定期的に開かれている世界でも例を見ない大変珍しい場所でもあります。戦争に勝者はなくこの地で戦争を戦った両国が、実は共に敗者であることの証でもあるのです。硫黄島から世界へ、真の平和意を訴えかける場所として、これ以上にふさわしいところはないと思うのです。

硫黄島の遺骨収集の完了と自衛隊の早期全面撤退による島の平和利用を、今年も終戦の日に心より願ってやみません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿