日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

「三権分立」を振りかざす誤った“小沢擁護論”にモノ申す

2010-12-20 | ニュース雑感
日曜日のマスメディアを見ていて、「オヤッ?」と思う点がありましたので金曜日のネタの補足をしておこうと思います。

事の発端は日曜昼のテレビ番組に原口前総務相が出演して、辛口評論のテリー伊藤氏および漫画家黒鉄ヒロシ氏と小沢問題で対談するという企画を目にしたことでした。当然予想としては、小沢擁護派の原口氏を徹底的に叩くモノと思っていたところ、あにはからんや伊藤氏は「自分が苦しくなると小沢イジメで支持率をあげて、政権の座を守ろうとする管首相はけしからん」と全く予想外の論理展開。自分の立場を持ち上げられた原口氏も気を良くして、「司法に場を移した問題を国会で取り上げるのはナンセンス」と終始ニコニコ顔。親小沢氏政治家を前にしての腰ヌケ対応には、全くの拍子抜けでした(アナウンサー氏はけっこう突っ込んでましたが…)。日刊ゲンダイ等一部の三流活字メディアでも、似たような論理を展開しているモノがありましたが、この誤った論理展開を一応正しておきたいと思います。

まず、「司法の場に移した問題を国会で取り上げるのはナンセンス」云々について。一部では「三権分立を危うくする暴挙」とまで書かれていたのですが、そもそもこの小沢氏の説明責任問題は司法云々以前のとっくの昔から言われ続けてきたものです。「司法の場に移した」云々は延ばし延ばしにした挙句、状況が変わったことを盾に逃げ込み策をはかっているにすぎず、国民に選ばれた政治家として果たしていない「政治責任」を果たして下さいと言う国民の声にまずは応えなさいと言っているまでの事です。小沢氏は例えてみれば、夏休みの宿題を年末まで提出していない子供が、「もう冬休みになるんだから、夏休みの話はしないで」と言っているようなものです。「三権分立を危うくする」のはむしろ、引き延ばしの挙句に詭弁を弄して司法に逃げ込み「政治責任」を全うしない小沢氏と、それを同じく司法決着を盾に氏を擁護する親小沢氏政治家と三流マスメディアの方であると思います。

テリー氏の言う「管首相の支持率アップ狙いの小沢イジメ」論が全く筋違いとは言えませんが、現状のまま年明けの通常国会を迎えた場合、国会空転は必至でありそれこそ国民経済的損失回避という観点で考えれば、今の時期に小沢問題のカタをつけるというのは間違ったやり方ではないと思います。小沢氏は自身のことよりも「仙谷官房長官、馬渕総務相の問責決議への対応はどうなってる」と言っていますが、まずは時系列に沿って未解決の小沢氏の説明責任が優先でしょう。その後、仙谷、馬渕氏問題がクローズアップされるならそれはそこから改めて議論でしょう。また「管首相は就任以来選挙で連戦連敗」とその責任を問うようなことも言っているようですが、原因の一端は小沢氏ご自身にあるのは明らかで、よくそんなことが言えたものであると思います。

さて本日予定の管首相の小沢氏との対談ですが、管首相にはひるむことなく説明責任を追及して欲しいと思います。これは管首相支持で申しあげているのではなく、今回の件は社会正義の問題であるわけで、社会正義擁護の立場から申しあげているのです。そしてくれぐれも「離党勧告」「除名」は口にしないこと。この手の処分はジャニーズ事務所が大麻逮捕タレントを即刻契約解除して「当社とは一切関係ありません」とコメントするのと同じで、トカゲの尻尾切りにすぎず社会正義擁護の立場からは誤った対応になるからです。社会正義を守る立場からは、「国民に対してあなたの秘書が2名逮捕されたというまぎれもない事実に対して、その疑惑の説明を国民に対しておこない政治責任を果たしなさい」「それができないのなら、いますぐ国会議員を辞めるべきです」と、言い放って欲しいと思います。夏休みの宿題をこのまま出さずに終わるのでなく、せめて二学期のうちには提出して欲しいものです。

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3 コメント

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Unknown (茄子茗荷)
2010-12-20 18:51:09
この間、TBSの「朝ズバッ」に、民主党の小沢寄りというか、そっち側の議員が出ていて、コメンテーターたちを黙らせるぐらいの、筋の通ったリクツで、喋っておりました。
よく考えれば、従来なら、マスコミは「小沢潰し」に血道をあげて、捏造された罪状を追求していればよかったのですが、ここへ来てそうではなくなっただけの話しですネ。テリー伊藤が、そう変わったのなら、多分そうだと思います。「カネと政治」が、過去に問題とされたときには、必ず何らかの陰謀めいたことが行われてきました。
何が、小沢の件で、マスコミの方向を変えさせたのかは分りません。小沢はもう死んだからいいやというのか、菅&仙谷チームが、米国ジャパンハンドラーズたちに重大な裏切りを行ったか、何れにせよ、そんなことだろうと思われます。
「小沢センセイを信じます」みたいなのも嫌いですが、「小沢はカネの説明をせよ」と言い続けている人の気もしれません。他の件は兎も角、今回問題になっている西松建設以来のことでは、私が考える限り、小沢はシロです。
折角楽しく読ませていただいているブログですが、この件に関してだけは、どうも納得しては読めません。
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アカウンタビリティ (OZ)
2010-12-21 00:23:48
茄子茗荷さん、コメントありがとうございます。

いただいたコメントへの私の見解です。以前にも似たようなことを書いたかもしれませんので、その点はご容赦願います。

日頃、組織運営の「見える化」を手掛けていますが、コミュニケーションを軸とした「見える化」の不足は、組織内でのあらゆる信頼感を損なう根源となります。本件で以前より私が問題視しているのは、小沢氏のシロ、クロの問題ではなく、秘書2名逮捕という異常事態に至った政治家としての管理責任の観点を含めたアカウンタビリティ(説明責任)の問題です。あらゆる場面において、重要な立ち位置にある政治家のアカウインタビリティ欠如は組織における経営者のアカウンタビリティ欠如のケースと同じく、必ずや属する者たちの不信感をかこいます。現在の政治に対する国民の信頼感の欠如の大きな原因もまた、政治のアカウンタビリティ欠如にあることは疑いの余地はなく、その代表的事例がこの小沢問題であると思われます(もちろん、政治不信は小沢問題だけが原因ではありませんが)。

以上のような観点より、小沢氏は国民の投票で選ばれた政治家として、事件に絡むご自身のアカウンタビリティを果たされることが必要なのではないかと、以前より申しあげさせていただいている次第です。
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Unknown (茄子茗荷)
2010-12-21 15:41:45
有難うございます。
そう言えば前にも、同じ様なコメントをして、似た様な返信をもらっていました。
自民党を政権から下ろす政権交代には期待していましたが、民主党の小沢派と反小沢派が小沢一郎の政倫審出席をめぐって熱くなり、それこそ「国民の生活が第一」の政策をそっちのけにしていること自体には、腹を立てている者です。
小沢側だろうと、反小沢側だろうと、小沢の政倫審出席がどうだとかの報道には食傷していて、「またかよ」との感を禁じ得ません。
会社の中の、社長&専務(菅&仙谷)と常務(小沢)が、会社の業績の向上そっちのけで騒いでいるみたいのものと思っています。常務子飼いの人間が、社内で問題とされる行動があったとして事情聴取を受けている状況ですネ。
これを、常務派は、社長&専務派の陰謀だと言って騒いでいて、なるほど、それはそれで頷ける部分が大(私は頷いています)ですが、シロなのかクロなのか決着がついていない感じだと思います。
ここで「見える化」と言われても困るんで、会社の事業の推進に熱心にならない奴と、やってはみたものの失敗と誤算つづきの連中なら、両方とも退陣というのがスジです。
「見える」ことで、解決に向かう問題もあるでしょうが、菅も仙谷も小沢も、一緒に辞めることで、再起を図るという解決の方が、むしろさっぱりしている気がします。
『不信感』は、民主党に属する議員や支持者のみならず、国民全体に亘っていて、今や小沢氏が国会だの政倫審だので、説明したからといって、いくらかでも回復する性質のものではありません。
片や疑惑と言って、片や仕組まれた捏造(陰謀)だと言って罵り合って泥仕合になっていますので、両方退場してもらうことで、残った連中でやり直すというのが賢明だと思っています。
それより、この問題でいうと、TBSの捏造報道だとか、読売の虚偽報道だとか、色んな色眼鏡をつけた視聴者誘導報道がありました。そっちの説明責任の方が、より大切になっているのではと、思ってしまいます。
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