日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

TBS労組アナの呆れるほど「KY」な“この時期”のストライキ

2009-03-16 | ニュース雑感
私は知りませんでしたが、TBSの労働組合が13日正午からストライキを行い、情報番組に出演しているレギュラーのアナウンサー陣が13日、一斉に番組から姿を消す事態が起こったそうです。番組中では、「○○アナウンサーは、今日はお休みです」と放送されたために、一般視聴者はスト決行を知らずに単なるお休みと受け取られたようで、私は週末のネットNEWSを見ていてはじめて知った次第です。

TBS広報によれば、今回のストは春闘の会社側の一次回答に対するもので、13日正午から深夜0時までの時限スト。このため「ピンポン!」のほか「2時っチャオ!」「イブニング・ファイブ」「ニュース23」などの生放送で組合員アナが不在となり、代わりに管理職アナウンサーや外部キャスターが穴を埋めたり、番組内容も多少変えてしのいだと言います。TBSの労働組合は、TBSとTBSテレビ社員からなるユニオン制だそうで、管理職以外は全員加入。スト自体は正当な権利ではあるようですが、個人的に問題視するのは彼らの“常識”の感覚と職業的役割の認識に関してです。

まずその一、このご時世あらゆる産業で「100年に一度」という大不況が襲っているさなか、春闘一次回答に不満でストライキとは常識の感覚欠落も著しいとは思いませんか。「不当解雇」撤回要求等でのストライキならまだ分かりますが、世の中は今、「仕事があるだけでありがたい」という時代です。自分たちが何を言っているのかよーく考えてみるべきではないでしょうか。

その二、ストライキの主が世の中の出来事を日々伝え世論形成に大きな影響力を持つマスメディアの職員であるということは、私が考えるにもっとも非常識であってはならないと思しき人たちであるだけに与えられたショックも大きい訳です。時代的背景を鑑みない「非常識」さとともに、世の中の出来事を正確・迅速に伝える使命感という職業的役割意識の薄さに落胆させられてしまいます。しかも「自分がストに入るか入らないかはそれぞれの判断」で「除外申請」をすれば業務を行うことも可能だったそうですから、執行部の強制ではなく個々のアナウンサーが自己の判断でストライキを決行したということな訳で、益々ガッカリさせられます。

TBSと言えば我が国を代表する大手テレビ局であり、待遇面はどこの業界に比べても人一倍恵まれている訳じゃないですか。今この情勢下どこの業界も苦境に立たされている経営に斟酌し“ベアゼロもやむなし”が一般風潮である中を、そんな彼らが堂々と全国の人々の目につく形でのストライキですから、「KY」にもほどがあるという感じです。やはり彼らは、自身の特権意識に気がついていないタチの悪い“特権階級”であるからこそ、こんな非常識極まりない行動ができるのだと思います。

こんな「非常識」な人たちに、国民生活保全上この上なく重要なマスメディアの運営をまかせておいていいのでしょうか。私はこのような非常識な人間たちが作り出す電波情報を、盲目的に信じる国家的リスクを強く感じざるを得ないのです。TBS報道の“顔”であった故筑紫哲也氏が存命であったなら、どんなコメントを発したでしょうか。それを聞いてスッキリできないことが本当に残念でなりません。