日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<NEWS雑感> 3・27号 「高速道路1000円、内閣人事局」

2009-03-27 | ニュース雑感

●「高速道1000円」スタート~システム改修は1か月遅れ●

ETCを装着した普通車やオートバイを対象とした、地方の高速道路で土日祝日の料金を上限1000円とする新料金割引が28日午前0時に始まります。地方の観光振興などによる景気刺激を狙った政府施策ですが、一方では高速道路の渋滞も懸念され、土日祝日のビジネス・ユーザーへの悪影響も懸念されています。

ちなみに、20日から「上限1000円」が先行実施された東京湾アクアラインと本州四国連絡高速道路では、20~22日の通行量が前年同期比でそれぞれ22%、62%の大幅増となっており、渋滞も発生する事態となりました。高速道路通行料の値下げは利用者に嬉しい半面、一部とはいえビジネスの足を引っ張るようでは景気刺激策として果たしてどうなのか、ちょっと首を傾げたくもなります。

加えて話題は、「地方-大都市圏-地方」のルートで走行した場合、当面は地方区間の料金は2回分の2000円を徴収されるという“詐欺まがい”のシステム。こうなった理由は単純で、システム改修が遅れているためとのこと。これが解決するのは4月29日からだそうで、中途半端なスタートにどこかスッキリしないモノを感じます。

高速道路会社関係者からは「政府が年度内スタートにこだわり続け見切り発車になった」との声も聞こえていますが、本当にそうなのか、政策決定時に高速道路会社が「実施はまだ先」と甘く見てのんびり構えてたせいではないのか、政府の景気刺激策の完全スタートを遅らせる結果になった訳で、高速道路会社はその理由を明確に説明する責任があると思いますが、いかがなものでしょうか。


●内閣人事局創設関連法案、自民が了承●

自民党は、国家公務員の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」創設を柱とする国家公務員法改正案など関連法案を、27日了承したそうです。この問題の焦点は、内閣人事局長ポスト。当面は官僚ポストである官房副長官に兼務させるとの案で、官僚の悪しき既得権益のはく奪による「天下り」廃止を目論んだ「官制改革」の目玉が、大騒ぎの末結局は官僚の思惑どおりの決着を見ることになりそうです。

政府は当初、事務の副長官の兼務を想定した案を提示したものの、党内で「政治主導にならない」との異論が噴出。“改革派”の中川秀直元幹事長や塩崎恭久元官房長官らが強硬に反対し二転三転したものの、執行部が最終的にはまたもや「首相の意向」という理由で押し切った形になったようです。

どこまでも官僚の言いなりの太郎ちゃん。本当に何の弱みを握られているのでしょうか。行政改革推進本部の中馬本部長に至っては、「来年4月に麻生さんが首相かどうかも分からない。(今法案を成立させても)官房副長官が国会議員か事務方かは時の政権が決めればいい」などと、無責任極まりないことを言う始末。まったく、どうなっているのでしょう。何のための法案づくりと思っているのでしょうか。

首相はじめ国会議員諸氏は、本気で行政改革の実効性最優先を大前提とした議論をして欲しいものです。行政改革の進展こそ、財政再建、景気回復に向けた“本丸”なのですから。小沢問題に紛れて「大山鳴動して鼠一匹」ということにならぬよう、一層この問題への国民の注目度を上げるようなマスメディアの報道展開に期待します。