(24)終わりに
私のワーグナー体験を述べるのは、ひとまず、ここで終わりにしよう。
実は、まだ次のようなことを書きたい:
・ ワーグナーの人物像
・ ワーグナーとルートヴィヒ二世
・ ワーグナーとコージマ
・ ワーグナー家の末裔
これらについては、別の機会に回したいと思う。
「バイロイト詣で」をして、ワーグナーを卒業できるかと思ったが、どうも、現実はその反対のようだ。
バイロイトから帰り、インターネットでドイツ・オーストリアのオペラ・ハウスのプログラムを眺めていたら、何と、2010年2月に、ベルリン・ドイツオペラが、ワーグナーの『リエンツィ』『さまよえるオランダ人』『タンホイザー』『ローエングリン』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の5作を、5夜連続で上演するのを発見した。これらの舞台を見れば、私のワーグナー体験がほぼ完成するのではないか。そういう思いにかられた。
さすがに、来年2月の訪独は難しいが、将来、同じような機会に恵まれる予感がする。
その時には、また、今回と同じようなコラムをまとめたいが、そのタイトルが頭に浮かんだ。そう、「ドイツ:冬の旅」という題だ。神品芳夫氏の著作に同名のものがあるが、何、構うものか。コラムの通奏低音はシューベルトの『冬の旅』で、それに、ワーグナーの楽劇(ベルリン)とヴォルプスヴェーデ村(ブレーメン)の芸術家コンミューンが重なり合う、という構成になるはずだ。 (2009)
参考資料:
三光長治『ワーグナー カラー版 作曲家の生涯』、平成2年、新潮文庫
中野 雄『丸山真男 音楽の対話』、平成11年、文春新書(*)
ジャン・クロード・ベルトン『ワーグナーと<指輪>四部作』、横山一雄訳、1987年、文庫クセジュ
ワーグナー『ラインの黄金-ニーベルンゲンの指輪』、寺山修司訳、1983年、新書館(*)
ワーグナー『ワルキューレ-ニーベルンゲンの指輪』、高橋康也・高橋 迪訳、1983年、新書館(*)
ワーグナー『ジークフリート-ニーベルンゲンの指輪』、高橋康也・高橋 迪訳、1983年、新書館(*)
ワーグナー『神々の黄昏-ニーベルンゲンの指輪』、高橋康也・高橋 迪訳、1983年、新書館(*)
ワーグナー『ニーベルングの指輪 上・下』、高辻知義訳、2002年、オペラ対訳ライブラリー、音楽之友社(*)
ディートリッヒ・マック編『ニーベルングの指輪 その演出と解釈』、宇野道義・檜山哲彦訳、昭和62年、音楽之友社
バイロイト音楽祭2009パンフレット『ニーベルングの指輪』
バイロイト音楽祭2009パンフレット『パルジファル』
バイロイト音楽祭2009パンフレット『キャストとスタッフ』
ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、昭和63年、名作オペラブックス23、音楽之友社
ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』、昭和63年、名作オペラブックス7、音楽之友社
ジャン・デ・カール『狂王ルートヴィヒ 夢の王国の黄昏』、三保 元訳、1987年、中公文庫
ジョージ・R・マレック『ワーグナーの妻コジマ リストの娘の愛と策謀』、伊藤欣二訳、昭和58年、中央公論社
清水多吉『ヴァーグナー家の人々 30年代バイロイトのナチズム』、1999年、中公文庫
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