静聴雨読

歴史文化を読み解く

「不要不急」の社会現象・4

2009-06-23 08:28:49 | 社会斜め読み
前回、「エコ減税を利用して、冷蔵庫の買い換える」行動が「不要不急」の典型だと述べました。
「冷蔵庫の買い換え」が「エコ」活動だとどうしていえるのでしょうか?

「エコ」活動といえるためには:
1 新しく買う冷蔵庫が炭素の排出量が少ない「エコ製品」であること
2 新しく買う冷蔵庫は従来の冷蔵庫より容量が少ないこと
3 買い換えに伴って引き取られる従来の冷蔵庫はリサイクルに回されること

この3点が必須だと思いますが、今回の「エコ減税」は、容量の大きな冷蔵庫への買い換えを奨励するような制度になっています。つまり、容量の大きな新型冷蔵庫は「エコ効果」が大きいから、エコ・ポイントを多く付けるという仕組みになっています。小さな新型冷蔵庫と大きな新型冷蔵庫とでは、どちらが炭素排出量が多いでしょうか? 明らかな話です。本当に「エコ」を目指す政策であるならば、「小さな冷蔵庫への買い換えを優遇する制度」にしなければなりません。

また、下取りされる従来の冷蔵庫のリサイクルを真剣に考えた政策でしょうか、この「エコ減税」は? まだ十分に利用できる冷蔵庫が買い換えに伴って大量に引き取られるのですから、このリサイクルに真剣に取り組む必要があります。政府は、レサイクルにこそ「エコ・ポイント」を付けるべきです。

結局、政府の政策は、「エコ」の名を借りた消費刺激策、言い換えれば、GDP至上主義から出た産業振興策に過ぎません。  (つづく。2009/6)