静聴雨読

歴史文化を読み解く

「これが実現したら死んでもいい」(決算のとき・2)

2011-12-31 07:32:45 | Weblog

 

今年の春から秋にかけて、私の身辺でも様々なことが起き、久しぶりに忙しい日々を過ごしました。

 

よく、戯れに、「これが実現したら死んでもいい」ということがらを誰でも持っていると思います。私の場合にも、生前に是非実現したい項目がいくつかあります。

 

1.   一度は「バイロイト詣で」をしてみたいと思っていましたが、これは、2009年に実現してしまいました。もっとも、それで、ワーグナーを卒業できたかというと、その逆で、さらに機会があれば、ドイツ・オーストリアのドイツ語圏で、ワーグナーの楽劇を聴いてみたいと思います。

 

2.   一度は私家版文集を出版したいと思っていましたが、この願いは、今年(2011年)に『歴史文化ふたたび』を出版して果たしました。母体となったブックレット「歴史文化を読み解く」「晴釣雨読」がありましたので、私家版文集に仕立て直すのは比較的容易なことでした。さらに、続けて、4点は出版したいと意気込んでいます。実は、素人歌人であった亡父が残した歌集が4点ですので、それに張り合おうというねらいです。

 

3.   一度はリアルな古書店を営みたいと思っていましたが、三省堂古書館からのお声がかりがあって、今年(2011年)の夏から、そこに常設の棚を1本置かせていただけるようになりました。それまでは、インターネット古書店専門でしたが、リアル古書店は少し違う感触があります。

 

4.   昨年(2010年)、母の世話が終わり、最大の生きがいを失いました。しかし、母の残した絵を整理する仕事があって、これが今後やるべきことで最大のものになりそうです。絵を整理して、写真に撮り、インターネット上にヴァーチャル美術館を作るのが目標です。

 

以上にように、「これが実現したら死んでもいい」と思っていたことの多くが実現してしまったのが2011年でした。  (2011/12

 


義援活動の難しさ(決算のとき・1)

2011-12-29 07:00:39 | Weblog

 

2011年は、世間では東日本大震災が起こり、身辺でも様々な変化が生じた年でした。これを振り返りたいと思います。

 

(1)義援活動の難しさ

 

東日本大震災をなすすべもなく傍観していましたが、何か義援活動ができないか、と日々考えていました。

 

まず、義援金の拠出を考えました。だが、義援金を日本赤十字社などに拠出しても、その先、どこにそれが回っていくのかがわからないと、義援金を拠出する意欲が今一つ湧きません。

それで躊躇しているところに、ある情報がもたらされました。私の参加している「スーパー源氏」の参加店で宮城県気仙沼市の古本屋が罹災したというのです。早速、その古本屋に義援金を送りました。

 

義援金の次は「義援本」の提供を思いつきました。津波で在庫本の一切を流されてしまった古本屋にとって、商品となる古本を集めることは古本屋を再開するために喫緊の課題です。

 

古本屋の避難先に段ボール箱を数個送りました。ここで予期せぬことが起こりました。その古本屋から「古本を受け取った」という連絡がないのです。英語に Acknowledgment (動詞は acknowledge)という言葉があります。「確認」または「確認通知」のことです。たとえば、「荷物を確かに受け取りました。」という時に使います。この言葉は中性で、価値評価を伴いません。単に「荷物を受け取ったことを確認する。」というだけで、感謝とは別物です。

 

送った「義援本」が相手の古本屋に役立つかどうかはわからないので、感謝の反応は期待していませんでした。しかし、「確かに段ボール箱は受け取りました。」という「確認」の反応は欲しかった。

どうも、日本人は、「確認」と「感謝」を切り分けて使うのが不得手のようです。

このようなことがあり、「義援本」を贈り続ける元気は失せてしまいました。

 

ここで得た教訓は、「義援」は、相手が見える方がやりやすいとは限らず、相手が不特定でわからない場合の方がやりやすい場合がある、ということでした。日本赤十字社の存在意義を見直した次第です。 (2011/12

 


「本の聖地」での定着を目指して・3

2011-12-13 07:10:14 | BIBLOSの本棚

 

(9)3ヶ月経過して

 

三省堂古書館に古本を並べさせていただいて3ヶ月経ちました。月ごとの売上は予想以上に好調です。「三省堂」というブランドの強さを改めて認識しました。

 

私には順調に見えた売上ですが、三省堂古書館から見ると必ずしもそうでないようです。

 

11月から、三省堂古書館は各古書店に対して棚数に見合った「最低売上目標」(いわゆる「ノルマ」)を設定するという通知を出しました。それを見ると、「BIBLOSの本棚」の売上は「最低売上目標」ギリギリであることがわかりました。「BIBLOSの本棚」の売上はほかの古書店のそれに比べて、格別劣っているように思われません。上から3割くらいの位置にはいるはずです。それで、「最低売上目標」ギリギリですから、ほかの7割の古書店は「最低売上目標」をクリアするために更なる努力が必要なようです。ここから、三省堂古書館の経営の難しさが窺えます。

 

「最低売上目標」の設定は当然の処置だと思います。今まで設定していなかったのがむしろ「甘かった」といえます。

 

しかし、「最低売上目標」の設定に見合う古書店へのサービスが提供されているかどうかについては疑問があります。

 

ある日、三省堂古書館を訪れ、「BIBLOSの本棚」の棚を見ると、棚に空きがあるのです。店員に事情を聞くと、「『神保町古本まつり』がありまして、その関係で、多く売れてしまったのでしょう。」と涼しい顔をしています。ストック(予備)を調べてもらったところ、まったくないようです。

 

多く売れたことは喜ばしいことですが、それで棚に空きが出ても、古書店に連絡もしない、というのは考えられないことです。これでは、三省堂古書館に販売を委託しているメリットの何割かは飛んでしまいます。すべて、人手不足が原因だそうで、これでは、先が思い遣られます。  (2011/12

 

 


「本の聖地」での定着を目指して・2

2011-12-09 07:41:02 | BIBLOSの本棚

 

(5)見習い卒業

 

ちくま文庫(ちくま学芸文庫を含む)・講談社文庫(講談社学術文庫・講談社文芸文庫を含む)・新潮文庫から始まった三省堂古書館への出品は、朝日文庫・河出文庫・教養文庫・平凡社ライブラリーへと拡がりました。そして、成績もまずまずでした。最大の問題だった「持続的な売上」もクリアしました。

 

こうして実績を重ねた結果、めでたく「見習い」を卒業し、いよいよ、次のステップ、そう、「BIBLOSの本棚」の看板のついた棚を三省堂古書館に設けていただく段階に到達しました。与えられる棚は幅90cm の棚1列で、6段構成です。この棚に何を並べるか、を考えねばなりません。

 

(6)「かたまり」について

 

その前に、「かたまり」についてお話しします。

古書店の棚の前に立つお客様は、棚に収容されている本たちが雑然としているのを目にすると思います。「古書店」と「古本屋」の違いは実はないのですが、この雑然度において「古本屋」が優っているといえるかもしれません。なかなか1冊の本が輝きをもってお客様に訴求するにはいたりません。

 

この難問を解決するのが「かたまり」戦術です。つまり、似たような本を寄せ集めて「かたまり」を作り出し、その「かたまり」でお客様に訴求するわけです。同じ著者、同じジャンル、同じ叢書、同じ出版社・・・、何でもいいのです。「かたまり」を作って、「かたまり」を訴求する。これが、幅90cm の狭い棚では有効なのではないか、こう考えました。

 

(7)出品する本の選定

 

90cm の棚1本ですから、手を広げるわけにはいきません。既設の古書店さんの棚などを見ながら、新しい店として特色の出せる古書は何か? こう考えて、以下のようなジャンルの古書を出品することにしました。

 

 「ヨーロッパの歴史・思想・文学」(フランス・ドイツ・ロシア)

 「ヨーロッパの歴史・思想・文学」(イギリス・中欧・地中海)

 「ヨーロッパの歴史・思想・文学」(ヨーロッパ全般・世界史・旅行記)

 「詩とメルヒェン」

 「音楽」

 「山」

 「囲碁」

 「将棋」

 

前記の「かたまり」にして、46個、220冊。まず、これで出発することにしました。 

開店日は2011817日と決まりました。  

(8)開店告知

 

実際の開店は1週間ずれて、2011824日でした。

以下は開店の告知です。 (2011/8

 

三省堂古書館出品のご挨拶

 

このたび、「スーパー源氏」ならびに三省堂書店のご好意により、「BIBLOSの本棚」は20118月から、正式に、「三省堂古書館」に古書を並べさせていただくことになりました。

 

三省堂古書館は「常設」の展示スペースです。

90cm x 6段の棚1本に、「ヨーロッパの歴史・思想・文学」・「詩とメルヒェ

ン」・「音楽」・「山」・「囲碁」・「将棋」のジャンルの本を並べます。

 

東京にお越しの節は、是非、三省堂古書館にお立ち寄りくださいませ。

(なお、三省堂古書館への委託販売ですので、私が現地にいるわけでは

ありません。あしからず。)

 

三省堂古書館:

場所:三省堂書店神保町本店4階左奥

営業時間:午前10 - 午後8時 (年中無休)

電話:03-3518-6841

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BIBLOSの本棚 : http://enjoy1.bb-east.ne.jp/~biblos/

 

 


「本の聖地」での定着を目指して・1

2011-12-07 07:39:28 | BIBLOSの本棚

 

(1)見習いの心境

 

昨年夏から、三省堂書店各店の棚を借りて「古書フェア」の催しへの参加を重ねてきましたが、このたび、「三省堂古書館」からオファーを受けました。身に余る光栄です。

「三省堂古書館」とは、三省堂書店の中で古書を専門に扱う店内店で、現在は、神保町本店の4階にあります。そこに、「スーパー源氏」加盟の約26店が棚を並べています。そこに本を並べないか、というお誘いです。

 

当面は、「BIBLOSの本棚」の看板を掲げることはできず、スポット的な催事棚に本を出品するという「見習い」のような待遇です。そこでの実績により、次のステップへの展望が開けるかどうか、分かれます。誇り高い私にとってはやや屈辱的な条件ですが、ここは我慢のしどころ、その条件を甘受して、出品を考えています。

 

三省堂古書館から求められたのは、「出版社別の文庫本の棚を充実させたいので協力してほしい」というもので、ちくま文庫(ちくま学芸文庫を含む)・講談社文庫(講談社学術文庫・講談社文芸文庫を含む)・新潮文庫を取り揃えて出品することにしました。おそらく、これらの文庫が「人気はあるけれども、品薄」なのでしょう。  (2011/5

 

(2)三省堂古書館の慣行

 

「三省堂古書館」は三省堂書店の店内店です。そこには、新刊書店のしきたりと古書店の風習とが混ざり込んでいます。古書店から見ると、煩わしい慣行もあります。

 

新たに、三省堂古書館に出品するにあたって、以下の作業が必要でした。

         本に透明なビニール・カバーをかぶせる(本を汚れから防ぐため。これは私も賛成です。)

         出品する本のデータ(書名・価格・古書店名など)をExcel で作成する(値札シールと値札スリップを印刷するため。)

         値札シールを印刷して書籍に貼る(何らかの値札は必要。)

         値札スリップを印刷して書籍に挟み込む(単行本なら理解できますが、文庫本の場合はやり過ぎ。)

以上です。それぞれ、事情や理由があるようですが、この準備作業にかかる手間がバカにならないと感じました。出品する書籍は1冊数百円の文庫本なのに。

 

とくに、(特殊な印刷システムが必要なため)値札シールの印刷を「スーパー源氏」に委託しなければならない点が致命的になる予感がしています。これが、きめ細かな納本、迅速な納本など、小回りの利く納本を決定的に妨げそうです。  (2011/5

 

(3)いよいよ陳列開始

 

ゴールデン・ウィーク中に出品の準備作業を終え、53日に納品しました。到着後すぐに陳列されたようです。

 

古本の常として、1冊だけの在庫ですから、店頭に並べられるとすぐに発見して買い求める目ざといお客様がいます。ですから、陳列してすぐに動く(つまり、売れる)ものがあるのは当然です。問題は売れ行きの持続期間です。それが長ければ、それは「よい商品群」といえます。さて、「BIBLOSの本棚」の出品したちくま文庫(ちくま学芸文庫を含む)・講談社文庫(講談社学術文庫・講談社文芸文庫を含む)・新潮文庫は「よい商品群」に当てはまったのでしょうか?

 

5月の売上実績が三省堂古書館から届きました。予想を上回る成績でした。ただ、この好調が長続きするかどうかは、今後の補充が順調にいくかどうかにかかっていることはいうまでもありません。  (2011/6

 

(4)新刊書店の慣行

 

多くの新刊書店がそうであるように、三省堂書店も在庫の圧縮に留意しているようです。なるべく在庫を持たないようにして、売れ筋のものについては、緊急に納品手配をかける。これが、新刊書店の場合常態のようです。一つの書目を何十冊・何百冊も扱う一方、売れるかどうかわからない書目も店頭在庫を切らさないための知恵が働いています。

 

一方、古書の場合、多くの場合、一つの書目で1冊限りです。ある書目が売り切れたら、別の書目で穴を埋める必要があります。さもないと、棚に穴が空きます。そのため、ある程度、手元に在庫を持たないと、古書店の棚管理は立ち行きません。

 

三省堂古書館は、在庫不足になると、古書店に対して、「緊急納品」手配をかけるようで、この手法は新刊書店の手法そのものです。それを受ける古書店の苦労は推し量れます。つまり、いつもスクランブル納品に備えていなければなりません。そのためには、上に書いた煩わしい作業が多すぎます。 このような厳しい納品体制を敷くことが「三省堂古書館」に古本を置かせていただくための必要条件のようです。 (2011/6

 


三たび「本の聖地」へ

2011-12-05 07:17:36 | BIBLOSの本棚

 

(1)絶版文庫フェア

 

三省堂書店神保町本店の夏の恒例のフェアが「絶版品切 文庫・新書フェア(古書フェア)」です。今年は、730日-831日に開催されることになり、出品の応募をしました。それにしても、タイトルは何とかならないものでしょうか? 「絶版」と「品切」はことばがダブっている気がします。また、「文庫」・「新書」と並べる必要もありません。最後の「(古書フェア)」には笑ってしまします。「絶版」と「品切」を扱うので、「古書フェア」であるのは明白です。それでも、「古書フェア」と謳わざるを得ないのが新刊書店のアキレス腱です。

 

私なら、シンプルに「絶版文庫フェア」とします。少し気取って、「夏の絶版文庫フェア」とか「絶版文庫甲子園」としてもいいかもしれません。

 

さて、昨年の夏にも同じフェアに参加させていただきましたので、要領はわかっています。今回は、昨年以上の実績を挙げるべく、準備を重ねました。それは、「いいコンテンツを、数多く」という目標に沿った準備です。

 

(2)今年の新基軸

 

会期の序盤・中盤には1日おきに会場に足を運び、棚の整理をするとともに、ストックの状況をチェックし、その情報を他の出品古書店に流しました。何しろ、棚の動きが激しいのです。行くたびに、空きのある棚が目に入ります。それだけ、よく売れていたようです。急いで補充の準備をし、それを三省堂書店に送り、空いた棚を埋めるというルーティンの連続で、会期の序盤・中盤が過ぎました。

 

会期の終盤に入り、補充の弾切れ状態に陥りました。それで、会期の終盤は会場に足を運ぶことを止めました。空いた棚を見るのが恐ろしかったからです。

 

以下、昨年夏のフェアとの比較をしてみましょう。

 

出品数:ダンボール13箱(昨年夏は9箱)

売れ筋:(1)中公文庫、(2)朝日文庫、(3)河出文庫、(4)外国文学(昨年夏も同じ)、 (5)歴史物(昨年夏も同じ)、(6)大型セット物(今夏の特徴)、(7)高額本。 結局、何もかも売れたという印象でした。

販売成績:今回の売上額は昨年夏に比べ200%を達成しました。空前絶後で、今後もこのような実績は二度と残せないでしょう。

返品率:5/13(昨年夏は4/9)。 

 

「本の聖地」で、この上もなく貴重な経験をさせていただきました。  (2011/9

 


再び「本の聖地」へ

2011-12-03 07:05:15 | BIBLOSの本棚

 

(1)創業130年記念

 

三省堂書店下北沢店の「古書フェア」に参加している間に、私の加盟している「スーパー源氏」から三省堂書店神保町本店への出品の打診をいただきました。2011215日(火)-331日(木)に、「創業130年記念春のセット本まつり」を開き、新刊書のセット本と古書のセット本を並べて展示するそうです。

 

急なお話で、準備が間に合うか不安がありましたが、昨年夏に同じ店で同じようなフェアに参加させていただいた経験がありましたので、お受けすることにしました。三省堂書店からは「三省堂古書館」(三省堂書店の中で古書を専門に扱う店内店)がサポートしてくれるということでした。三省堂古書館からのご注文は、「セット物の文庫本」を用意してほしい、というものでした。

 

昨年夏の経験から、文庫本はよく動く(つまり、よく売れる)という確信がありました。また、セット物は準備が楽で、その上「かたまり」としてお客様に訴求することができる、という見込みも立ちました。

 

打診を受けてから2日後には発送準備が整いました。我ながら驚くほどの速さでした。

本の陳列は三省堂古書館がやっていただけるとのことで、215日の開会を待ちました。

なかなか現地に出向けませんでしたが、三省堂古書館から「順調にすべり出しました。」という連絡をいただき、追加の納品を求められました。

 

(2)突然のスローダウン

 

「順調にすべり出した」途端、311日の東日本大震災の発生です。

 

一週間後に、お店を訪れました。

三省堂古書館の主人の話では、震災後、客足は激減、売上げも激減、だということです。

確かに、街を歩いている人が、普段の1/4ほどしかいないのです。

 

自然に状況が改善するのを待つよりないと意見が一致しましたが、いつごろ状況が改善するのかはわかりません。個人的推測では4月一杯は無理で、5月に入ってからではないかと思っています。そう、この「まつり」には間に合わないだろう、ということです。

 

331日までの会期が420日まで延長になり、終わりました。

以下、昨年夏のフェアとの比較をしてみましょう。

 

出品数:ダンボール7箱(昨年夏は9箱)

判型:文庫と単行本のセット物(昨年夏は文庫・新書のみ)

売れ筋:(1)ちくま学芸文庫、(2)朝日文庫、(3)外国文学(昨年夏も同じ) (4)歴史物(昨年夏も同じ)

販売成績:今回の売上額は昨年夏のそれを若干上回りました。大震災によるマイナス効果が大きかったものの、会期延長の恩恵が与ったようです。

返品率:4/7(昨年夏は4/9)。 

 

以上、今回の経験を踏まえ、次回の出品に備えるつもりです。              (2011/5

 

 


「本の聖地」の老舗書店にて

2011-12-01 07:02:11 | BIBLOSの本棚

 

(1)暑い中

 

近年は気候の変動が著しくて、冬が暖冬だったり、夏が冷夏だったり熱暑だったりと、異常気象には事欠きません。

 

今年は、全国的に梅雨に雨が多かったようです。そして、梅雨明けとともに猛暑が襲ってきました。この暑さは近年でもまれな暑さではないでしょうか?

 

暑い中、今ある作業をしています。

 

私は、インターネット古書店「BIBLOSの本棚」 http://enjoy1.bb-east.ne.jp/~biblos/ を運営していますが、リアルな古書店を1ヶ月だけ開店することになりました。その準備です。出品する書籍を選り分け、値札を付け、梱包するのです。体を少し動かすだけで汗が噴き出します。こんなに汗をかいたのは久しぶりのことです。

 

私の加盟している「スーパー源氏」から声をかけていただき、「本の聖地」である東京・神田神保町の三省堂書店神保町本店で開催される「絶版・品切文庫・新書フェア」に出品することになりました。5店の古書店の共同出店です。

 

開催期間は、87日(土)-910日(金)の1ヶ月間。

期間は長く見えますが、古書店のすることは至って少なく、事前に出品する書籍を宅急便で送り、

開店前日に棚に並べる。これだけです。始まってしまえば、あとは、三省堂がすべてやってくれます。棚の空きの補充も三省堂がやってくれます。

 

開店が楽しみです。

ただ一つの心配は、売れすぎて、補充書籍が足りなくなったらどうしよう、ということ。でも、そんなこと、あり得ないか。  (2010/7

 

(2)ひと夏限りの

 

東京・神田神保町の三省堂東京本店で87日から910日まで開催されていた「絶版・品切 文庫・新書フェア」が終了しました。「BIBLOSの本棚」として初めて経験するリアル古書店への出品でしたが、様々な経験を積むことができました。

 

出品数:

 

前回、「売れすぎて、補充書籍が足りなくなったらどうしよう」と冗談をいいましたが、実際にその事態が起こりました。事前にダンボール7箱分を三省堂に送ったのですが、その後、三省堂からの要請があって、2箱分補充しました。

 

売れ筋:

 

これが、最も関心のあることでした。(1)絶版の海外文学、(2)絶版のSF、(3)歴史物。これが、ベストスリー。「BIBLOSの本棚」が得意とする「詩とメルヒェン」があまり出ないのが意外でした。

 

販売成績:

 

期間全体の販売実績はまだ手元に届いていませんが、中間集計では、参加5店の中で、「BIBLOSの本棚」は、販売点数で3位、販売額でも3位につけています。新米古書店としては望外の成績です。とくに、出品点数が出店5店の中で最少でしたから、健闘した部類です。

 

返品率:

 

会期が終わり三省堂からダンボール4箱分が返ってきました。返品率4/9。平均に比べての評価はできませんが、新米古書店の成績としては、まずまずでしょう。いや上出来といえるかもしれません。

今回の参加の目的の一つが、在庫の圧縮でした。この目的は十分に達成しました。

 

手応え:

 

大きな老舗書店の棚を一部借りて古書店を開くというこの上もない贅沢を味わせていただきました。

 

ただ、何かが足りない。

それは、お客様とのやりとりがないことです。

販売実務はすべて書店がやってくれます。こちらは、「これだけ売れました。」「補充をお願いします。」という書店からの連絡を受けるだけです。これ以上楽なことはないともいえますが、一方、お客様とのやりとりのないことがフラストレーションを引き起こします。

 

インターネット古書店では、受注確認通知を差し上げる、書籍を発送する、お客様からの受け取り通知をいただく、など、すべてのお客様とのやりとりが楽しくてしょうがないのですが、今回それらはすべてカット。そこがもの足りなさを感じた所以です。

 

来年は?:

 

さて、次回、同じような催しがあった場合、参加を希望するか? 悩むかもしれません。

今回が、ひと夏限りのリアル古書店だったかもしれません。  (2010/9