静聴雨読

歴史文化を読み解く

幻想の庭園・8・あじさい

2014-03-02 07:24:13 | わが博物誌

 

梅雨の時期は一年で最も嫌いな季節だ。湿気に高温が重なるのだから、たまらない。
会社勤めのころは、汗を吹き出して電車に乗り、着替えもせずに職場に行くのがつらかった。背広にネクタイは、この時期、拷問のようなものだ。

この時期、唯一の救いがあじさいだ。

あじさいは、その種類(普通の「あじさい」と「がくあじさい」)とその花の色で、様々なヴァリエーションがある。

色についていえば、基調となる色が、白・紺青・ピンクとある上に、開花の進行過程で見せる様々な色のグラデーション(階調)があるので、何十・何百と色の種類が数えられる。
現在は開花からかなり経っているので、花の色が変化してきている。白・紺青・ピンクの花に、それぞれ紫色が混じってきている。あじさいの本当の因子が「紫」であることがよくわかる。漢字で「紫陽花」と書くのもうなづける。

これだけの色は、東山魁夷でも揃えられないのではないか?

あじさいは、花も見事だが、葉もそれに劣らず見事だ。
庭園の花の中では、薔薇と並ぶ品位を誇っている、と思っている。 (2008/7)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿