東京・羽田空港の国際線ターミナルの食堂街のあるお店に「獺祭(だっさい)」という日本酒がおいてあった。珍しい名前だ。蔵元は山口県岩国市の旭酒造株式会社。
ラベルに「純米大吟醸50」とある。これは何を意味するか?
ラベルには説明があり、「山田錦を50%まで磨いて醸した純米大吟醸」とある。山田錦は有名な酒米だ。それを、容積が50%に減じるまで磨いて、残った米から醸造した酒を「大吟醸」ということらしい。なるほど。道理で、市販の「大吟醸」と名の付く酒が高いわけだ。酒米の半分を無駄にするわけだから。
ところで、磨いて粉になった米粉はどうなるのだろう? これを処分するのはもったいない。精製して、「商用米粉」として市場に出しているのだろうか? 気になるところだ。
さて、ラベルの説明文の後半は、「きれいで新鮮な味と柔らかで繊細な香りが絶妙なバランスを保っています。」となっている。
何となく締まりのない文章だ。なぜだろう?
原因1 : 味と香りのバランスを強調したいのに、強調できていない。
原因2 : 「きれいで新鮮な」味と「柔らかで繊細な」香りとは、いずれもアタマの形容が重い。かつ、「きれいで」と「「やわらかで」の表象するものがボケている。
原因3 : 「・・・が絶妙なバランスを保っています。」もまた言葉の語呂の座りが悪い。
かくして、わが改良コピーは以下のようになる:
「新鮮な味と繊細な香りのバランスが絶妙です。」
いや、まだおかしい。
「みずみずしい味と繊細な香りのバランスが絶妙です。」
こんなところだろうか。 (2014/4)