(5)古書とお客様
古書店としては、古書の用意の仕方に反省すべき点を見つけました。それは、小さな単位の「かたまり」を作るべきだ、ということです。同じジャンル、同じ判型、同じ叢書、などを集めて陳列する、という工夫をすべきなのです。それが、お客様に訴求するのに役立つのです。
新刊書店での古書フェアでは、陳列するスペースは限られています。今回は幅90cm の棚1列ですから、その中でいかにお客様の目を引くか、が勝負です。その点、修業が足りない、と思わざるを得ませんでした。
ある日、書棚の整理をお手伝いしていたら、年配のご婦人から声をかけられました。
「この本、定価が460円だったものに800円の値札がついているけれど、本当かしら?」
「はい、その本は絶版になっていますが、今でも根強い人気があります。その値札で間違いないと思います。」
「そう。ずーっと探していたのだけれど、なかなか見つからなかったのよ。」
そういって、ご婦人は会計に向かいました。
絶版、人気作家、新刊書店、年配のご婦人・・・。
そうか、古書とお客様との出会いは、ここらあたりに秘訣があるのではないか。このようなお客様を見出していくべきなのか。大いに参考になる体験でした。 (2011/3)
古書店としては、古書の用意の仕方に反省すべき点を見つけました。それは、小さな単位の「かたまり」を作るべきだ、ということです。同じジャンル、同じ判型、同じ叢書、などを集めて陳列する、という工夫をすべきなのです。それが、お客様に訴求するのに役立つのです。
新刊書店での古書フェアでは、陳列するスペースは限られています。今回は幅90cm の棚1列ですから、その中でいかにお客様の目を引くか、が勝負です。その点、修業が足りない、と思わざるを得ませんでした。
ある日、書棚の整理をお手伝いしていたら、年配のご婦人から声をかけられました。
「この本、定価が460円だったものに800円の値札がついているけれど、本当かしら?」
「はい、その本は絶版になっていますが、今でも根強い人気があります。その値札で間違いないと思います。」
「そう。ずーっと探していたのだけれど、なかなか見つからなかったのよ。」
そういって、ご婦人は会計に向かいました。
絶版、人気作家、新刊書店、年配のご婦人・・・。
そうか、古書とお客様との出会いは、ここらあたりに秘訣があるのではないか。このようなお客様を見出していくべきなのか。大いに参考になる体験でした。 (2011/3)