~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

さっさと進めない

2006年10月07日 22時17分19秒 | ピアノ
久しぶりに『月光 第1楽章』を弾いてみたが、これはもう少しちゃんとやらないと、暗譜の段階で(まだできとらんのか!コラッ・・)足をすくわれると思った。
ご存知の通り、この曲はAdagioなので、譜を見て弾く分にはそう難しくはない。だが、このような同じ音型がずっと繰り返されつつ頻繁に転調のある曲というのは、本番でドキッとすることがあるのだ。

子供のころやらされたように、ちゃんとアナリーゼしようと思い、アルペジオをべったりの和音に置き換えて弾きつつ、一つ一つ確かめていったのだが、
どうもわからないところがある。わからないというより、「こういうのはなんと書けばいいのでしょうか?」という感じだ。
う~む、忘れているのか、それともボケてしまったのか、それともそもそも知識がないのか?
しかも、冒頭から4小節あまりの和声の展開がどうも耳なじみがあって、「これなんだっけ?」と気になって気になって仕方がない。
ほんとに気になって、なにも手につかない。
なんとなく、モーツァルトのような気がした。
なんとなく、レクイエムのような気がした。
レクイエムだとしたら、どの曲だ????
なんとなく割合最初のほうの曲のような気がした。
CDとスコアを照らし合わせた結果、<Dies irae>の最後から8小節目から4小節間だということを突き止めた。

この展開ってよくあるのかなあ?どう聴いてもほぼ同じだが・・
ここからはどうにも私の手に負えないと思ったので、
いきなり東京での師匠のご主人(楽典とかはこちら担当なので)に電話をかけた。

「『月光』の冒頭の和音の推移が、こうで、こうで、こうで、こうで、・・・転調とかはわかるのですが、書き方がわかりません。レクイエムにも同じようなのがあるんですが、よくある展開なのかどうかも・・。ほかの曲なんかでもイレギュラーな和声が出てきたときの、名称というか通称もさっぱりわからないんです。」
「和声全然やってないんだもんね。今、口頭で言われても、僕も楽譜見てみないとねえ・・」
「じゃ、私がいちおう分析してみたのをファックスで送りますから添削してもらえますか?」
「いいですよ。ついでに、和声の課題(4声を作るやつ)も出すから、できたらファックスで送って。」

わ、わせいの課題っちゅうのは、以前「ファックスで通信添削しようか」といわれていた、リムスキーのテキストのことですか?
ありがたいんですが、私にできますでしょうか・・・


それにしても(話はもとに戻るが)ベートーベンの『月光』のスケッチに、モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』の中の、騎士長がドン・ジョバンニの剣に刺されて死んでゆく場面の音楽(原曲はニ短調だと思う)を、嬰ハ短調に移調したものが記されているそうなのだが、
レクイエムに似ているこの部分もニ短調を嬰ハ短調に置き換えたといえなくもない。
当時のほかの楽曲のことなどを知らないのでなんともいえないが、たとえ「たまたま」にしても、私の好きな曲同士の類似点を見出すのはなかなか楽しいことだ。

・・・こんなことばかりやってるんで、練習は遅々として進みません・・・