今年で8回目ですが、毎年友人とふたりで、準備&運営ついでに演奏までやっているので、終わるとほっとします。
昨日は9:50に会場入り調律チェック、本番が10:30~17:30、打ち上げが18:30~21:30。
拘束時間そのものは演奏会としてはふつうの長さですけど、ソナタ全楽章を用意するって、それなりに大変。
主婦ふたり、朝うちのことをやって(天気がよかったので洗濯も)、留守ごはん用意、などなど・・・・・。家出るまでピアノ触るどころじゃございません(汗)、って感じです。友人はしかも勤め人で、この直前にもバンバン出張入ってましたし。
でも、この会の主催・監修のH先生はじめ、参加されている大人の方々はみな似たような状況なので、励まし合って一年もう一年となんとかここまでやってまいりました。
午前中のプログラムは、友人と私を含めた3人だけで、ギャラリーも1~3人。とくに緊張する必要もなく(といってもしないわけではないですけど)、いつもこういう状況ならいいのに、と(殴)。前日友人とは某所で弾き合いやりましたけど、本番のほうが落ち着いて弾けてました。なんだかんだ言ってこの人は、いつも本番がいちばんいい(笑)。
そして古稀はとっくに越えられたK先生。2番、6番と暗譜で演奏。ベートーヴェン以外の曲を弾く「お好みコンサート」のときも、必ず暗譜。ご本人は「目が悪くなってしまって見ながら弾くのが大変だから、暗譜にしてる」とおっしゃいますけど、70過ぎて初めて手がける曲を暗譜で人前に出すって、ちょっとやそっとではできないはず。「時間あるから」だけではできることではないかと。このK先生には「自分は65歳で32曲弾き終えるつもりなので、ぜひ見届けてください」とお願いいたしました。といってもたった14年先の話なので、私さえ頑張ればたぶんこの願いは叶うと思います。
今回はおとなりの県からも知人が参加してくれました(打ち上げにも!)。サークルでもステップでもコンクールでもない不思議な会へようこそ!という感じですが、20分たっぷり力演を聴かせてくれました。ありがとうございました。
そして恒例の学生の部。もともとはH先生を中心として集まった大人の会なのですが、毎年、受験前等の学生さんが参加してくださいます。なかなか全楽章を(エントリー費も演奏時間に関係なく)弾ける会は少ないと思うので、ぜひ活用していただきたいな、と。今年は下は小学3年生から上は大学受験生までの4人が演奏。きっかけ動機はどうあれ、若いころから全楽章を弾き、いろんな立ち場の方に聴いていただく経験は無駄にはならないと思います。
そしてH先生。「諸事情から10か月アコースティックのピアノに触れていない」ということで、直前まで、弾くかどうか、プログラムを変更するかどうか迷われていましたが、1番14番を(言うまでもなく暗譜で)弾かれました。静かに自ら問い、ひとに語り掛け、ベートーヴェンにも限りなく近づこうとする・・・・シンプルでありながら限りなく大きいものを感じました。音楽に救われる一方で、演奏するものの端くれとしては打ちのめされもしますが・・・。
私は午前に16番、午後に12番を弾き、演奏そのものは理想の6割5分くらいのデキでしたけど、自分としては内容的に(事故もキズもひっくるめて)今の自分、今の年齢に見合ったものにやっとなってきたかな、と思いました。そういう意味では最後にH先生がお話しになった「誰しもいつどんな状況になるかわからない。病気になるかもしれないし、家族や周囲の条件が変わってくるかもしれない。でも、それぞれの状況でベートーヴェンを弾くことで、なにか少しずつわかってくることもある。そして、自分だけでなく、周囲にもどんな音、どんな音楽が必要とされているか、心地いいのかを考えるきっかけにもなる」ということが、自分自身のこととしてもしみじみ。
さて、来年もやりますよ~!