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~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

「第8回ベートーヴェンソナタを弾く会」終了しました

2015年11月30日 09時30分36秒 | コンサート(企画、協力、出演 含む)

 

今年で8回目ですが、毎年友人とふたりで、準備&運営ついでに演奏までやっているので、終わるとほっとします。

昨日は9:50に会場入り調律チェック、本番が10:30~17:30、打ち上げが18:30~21:30。

拘束時間そのものは演奏会としてはふつうの長さですけど、ソナタ全楽章を用意するって、それなりに大変。

主婦ふたり、朝うちのことをやって(天気がよかったので洗濯も)、留守ごはん用意、などなど・・・・・。家出るまでピアノ触るどころじゃございません(汗)、って感じです。友人はしかも勤め人で、この直前にもバンバン出張入ってましたし。

でも、この会の主催・監修のH先生はじめ、参加されている大人の方々はみな似たような状況なので、励まし合って一年もう一年となんとかここまでやってまいりました。

午前中のプログラムは、友人と私を含めた3人だけで、ギャラリーも1~3人。とくに緊張する必要もなく(といってもしないわけではないですけど)、いつもこういう状況ならいいのに、と(殴)。前日友人とは某所で弾き合いやりましたけど、本番のほうが落ち着いて弾けてました。なんだかんだ言ってこの人は、いつも本番がいちばんいい(笑)。

そして古稀はとっくに越えられたK先生。2番、6番と暗譜で演奏。ベートーヴェン以外の曲を弾く「お好みコンサート」のときも、必ず暗譜。ご本人は「目が悪くなってしまって見ながら弾くのが大変だから、暗譜にしてる」とおっしゃいますけど、70過ぎて初めて手がける曲を暗譜で人前に出すって、ちょっとやそっとではできないはず。「時間あるから」だけではできることではないかと。このK先生には「自分は65歳で32曲弾き終えるつもりなので、ぜひ見届けてください」とお願いいたしました。といってもたった14年先の話なので、私さえ頑張ればたぶんこの願いは叶うと思います。

今回はおとなりの県からも知人が参加してくれました(打ち上げにも!)。サークルでもステップでもコンクールでもない不思議な会へようこそ!という感じですが、20分たっぷり力演を聴かせてくれました。ありがとうございました。

そして恒例の学生の部。もともとはH先生を中心として集まった大人の会なのですが、毎年、受験前等の学生さんが参加してくださいます。なかなか全楽章を(エントリー費も演奏時間に関係なく)弾ける会は少ないと思うので、ぜひ活用していただきたいな、と。今年は下は小学3年生から上は大学受験生までの4人が演奏。きっかけ動機はどうあれ、若いころから全楽章を弾き、いろんな立ち場の方に聴いていただく経験は無駄にはならないと思います。

そしてH先生。「諸事情から10か月アコースティックのピアノに触れていない」ということで、直前まで、弾くかどうか、プログラムを変更するかどうか迷われていましたが、1番14番を(言うまでもなく暗譜で)弾かれました。静かに自ら問い、ひとに語り掛け、ベートーヴェンにも限りなく近づこうとする・・・・シンプルでありながら限りなく大きいものを感じました。音楽に救われる一方で、演奏するものの端くれとしては打ちのめされもしますが・・・。

私は午前に16番、午後に12番を弾き、演奏そのものは理想の6割5分くらいのデキでしたけど、自分としては内容的に(事故もキズもひっくるめて)今の自分、今の年齢に見合ったものにやっとなってきたかな、と思いました。そういう意味では最後にH先生がお話しになった「誰しもいつどんな状況になるかわからない。病気になるかもしれないし、家族や周囲の条件が変わってくるかもしれない。でも、それぞれの状況でベートーヴェンを弾くことで、なにか少しずつわかってくることもある。そして、自分だけでなく、周囲にもどんな音、どんな音楽が必要とされているか、心地いいのかを考えるきっかけにもなる」ということが、自分自身のこととしてもしみじみ。

さて、来年もやりますよ~!

 

 

 


第8回ベートーヴェンソナタを弾く会

2015年11月28日 20時33分22秒 | ピアノ

今回は会場のキャパのこともあり、告知をなんとなく控えておりましたが、

お問い合わせ等いただきましたので、取り急ぎお知らせいたします。(もう明日です)

第4部だけが、学生さんで、あとは大人のピアノ愛好家、レスナー、学習者なので、

さまざまな演奏になると思います。

(もしかすると一部プログラムに変更があるかもしれません)

 

 

と き: 2015年11月29日(日)

ところ: 純音楽茶房ムシカ(広島市南区西蟹屋2丁目2-11)

 

<プログラム>

第1部     10:30~12:00

1.       第15番      Op.28      ニ長調 「田園」         

2.         第16番      Op.31-1     ト長調              

3.            第17番     Op.31-2   ニ短調 「テンペスト」       

4.(欠)     第20番      Op.49-2   ト長調                          

 

第2部   12:30~13:30

5.           第2番     Op.2-2   イ長調                        

6.            第3番        0p.2-3     ハ長調                      

 

第3部  13:40~14:30

7.            第 6 番      Op.10-2   ヘ長調            

8.             第12番        Op.26    変イ長調               

9.             第27番     Op.90      ホ短調                   

 

第4部  14:40~16:05

10.            第20番    Op.49-2  ト長調               

11.           第17番    Op.31-2  ニ短調 「テンペスト」        

12.             第23番    Op.57   ヘ短調 「熱情」          

13.             第30番    Op.109   ホ長調                             

 

第5部   16:20~17:40 

14.             第18番        Op.31-3     変ホ長調              

15.             第27番     Op.90       ホ短調               

16.             第 1番        Op.2-1      ヘ短調             

17.        第14番     Op.27-2   嬰ハ短調                         


今年始めたこと

2015年11月18日 23時37分23秒 | 雑感

 

さて、そろそろ今年のまとめに入らなければならない時期になりまして、主にピアノ関係で、なにか「これ」というものをやっただろうか・・・と振り返ってみるわけです。

このブログは2005年の12月開始ですので、もうすぐ満10年ということになります。

この間家族のことも書いておりますけど、2年前に亡くなった父が「ピアノばっかり弾いて子供やうちのことはなにもしてないんじゃないか?」と心配し続けていたくらい、音楽関係の記事が多く(そういう目的で始めたブログなので当たり前なのですけども)、いろいろな時期を経ております。

最初は育児の気分転換のための習い事だったのですけど、そのうちに困ったことにコンペに出たり、小さいコンサートらしきものをやったり、他人の演奏会を企画したり、レベルの高いレッスンを受けたり・・・とドツボにハマッてまいりました。ピアノもグランドに買い替えたりですね(汗)。・・・・無職専業主婦が、でございます。どうかみなさん他山の石となさってくださいまし。

あまりネガティブなことは書いてこなかったつもりではありますけど、「自分はなにをやっているんだろう?」「こんなことをやる意味はどこにあるのか?」という事は常に考えておりまして、自分自身の研鑽は当然のこととしても、大人のいい年したアマチュアの場合、その先にあるものはなにか、趣味としてまっとうするだけでいいのか、・・とまあぐるぐるですね。

世間には「ピアニストでありかつ〇〇」という、いわゆる二足のわらじを履いておられる方もたくさんいらっしゃいますけど、私の場合、そういうものはガラではないですし、そもそも「〇〇」にあたる職業がありません(笑)。またプロの真似事をする必要はさらさらなく、アマチュアでなければできないことはなにか?・・・ということになります。簡単にいうと、対価を得る事を考えないジャンルです。

ひとつには、「お客様が来なくても全然かまわないプログラムでのコンサート」。それはもうみなさんに来ていただいた方がありがたいですけど、自分の好きなマイナー曲をどーっと並べて入場無料。もうこれは完全に趣味の域です。自分のためであり、自己満足。・・・そういうものはこれまでに4回くらい開催してきました。

あともうひとつは、以前から考えていながらなかなか実行にうつせなかったのですが、ボランティアの訪問演奏ですね。この4月に母と完全同居し始めたのですが、いかに終日テレビばかり、せいぜい本ばかり見ているかを知りまして、なんとかならんのか、と。デイケアには週二日行ってますけど、歩くのが難しいのもあり、とにかく外に出るのは面倒らしい。私も育児についてはそれなりに勉強し、実践もしてきたつもりですけど、高齢者についてはどうもこちらのカンも働かない。ひとりひとり違うにしても、少しでも多くの人と接すればなんとなくわかったりすることもあるのではないか・・・という思いもあり、母の通ってるサービスにボランティアを申し込みました。

そして、今年6月と10月の二回、行かせていただきました。一回目は歌の友人と一緒に、二回目は歌の友人ともうひとりお手伝いを申し出てくれた友人と一緒に。もともとアップライトピアノのあるところなのですが、二回目のときは自分の電子ピアノを持っていきまして、利用者さんとも対面のポジションがとれるようになり、だんだんやりやすくなってきました。

そうこうしているうちにこれまた10月末、(これは依頼のあったものなのですが)県北の町に読み聞かせグループの方とフルートの方と一緒に、保育園4か所、老健関係2か所を訪問させていただく機会がありました。これは楽しかったですね~。ある施設では、ゆっくり80代の方々と話することができて、初めて知ったこともたくさんありました。ただ現場で働く方々の大変さというのは、まったくわからない気楽な立場なので、申し訳ないような気にもなりましたが・・・。

どういう年齢の方であったとしても、お会いしたり言葉を交わすことが私は好きです。日々直接お世話しない立場だからできる話もあるかもしれませんし。まして、一緒に歌ったり演奏を聴いていただけると、少しは楽器ができてよかった・・・と思いますし。

 

こういうことを手始めに、社会と接点を増やしていけるアマチュア演奏家になっていければ、と考えています。


どこまでも音・・・

2015年11月15日 23時11分28秒 | ピアノ

11月も半ばとなりました。

いったいなにからお話すれば・・・と思うのですが、

記憶に新しいところで11月13日(金)のイェルク・デムスリサイタルのことを少し。

ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの名曲で構成されたプログラムでしたが、

「・・・あれ、こんな曲だったっけ?」という新鮮さとある種の衝撃を何回も覚えました。なにも変わったことが起こってるわけでなく、譜面通りにたんたんと進んでいるというのに・・・・。

それと、日頃私は、聴きながら音が香りや温度、あと画像映像に変換して感じられることが割にあるのですが、今回はそういうことが起こらず、音をどこまでもどこまでも音として聴く、聴き尽くす・・・という時間でした。

この日のプログラムは、それぞれの作曲家における、いわゆる「後期」「晩年の」といわれるものが多く、さらにデムス氏も今年で87歳ということを考えると、「人生を振り返って」「枯淡の境地」などという先入観と表現が浮かんできてしまうのですが、<年をとる>ということはそんな単純なものではないのだ、とガツンとくらった思い。

子供のようなやんちゃな思いも次々湧いてくるし、若いころに感じたような愛情も変わらない、一方で自分に残された時間との闘い、すでに亡くなった親しい人への懐かしさと痛み、今となっては取り返すこともやり直すことのできない過去へ忸怩たる思い、・・・若いころの何倍も何倍も感情は複雑に豊かになっているけれども、それらがどろどろっと濁っているわけではなく、ある種の純粋さと透明度を増してくるのが<年をとる>ということなのだ、と受け止めました。

もちろんみながみな同じように年を重ねるわけではないでしょうけれど、今までまったくピンとこなかった小説(たとえば作者が70代あたりの)でも、どこか通じるものがあるように感じました。・・・・まだまだぼんやりとではありますけど。

 

デムス氏に限らず、大きいお年の音楽家の方はどうかお元気で活動され、まだ私らが見ることのできない世界、あるいは、見ずに終わるかもしれない世界を、可能な限り見せ続け、聴かせ続けていただければほんとにありがたいです。こちらもそれを受け止めまた下の世代へ伝える役割があると思っております。