~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

川口成彦フォルテピアノリサイタル

2023年03月04日 17時08分00秒 | ピアノ
川口成彦フォルテピアノリサイタル@杜のホールはしもと•ホール

いやあ勉強になりました!
福間洸太朗さんと川口成彦さんを、私はこの年代における「二大学究肌ピアニスト」と密かに呼んでいるのですが、そういう意味でも大満足。
川口さんは今なかなかチケットの取れないピアニストさんなのですが、今日も完売。
といって別に小さい会場ではなかったです(座席数535)。
いったいこれはフォルテピアノが好きな方が集まっているのか、川口さんのファンなのか、どっちも兼ねているのか…

川口さんは昨年の暮れに昭和音大で、古楽器とのアンサンブルを含めたコンサートを聴きまして、ぜひ完全ソロのリサイタルを拝聴したい、と伺った次第。
昨年のコンサートで、古楽器クラリネットとのシューマンの『幻想小曲集』が大変印象に残ったので、今日もシューマンを楽しみにしていました。
アラベスク…フォルテピアノでは初めて聴きましたが、フォルテピアノのための曲ではなかろうか?と思うほどピッタリ。続く『子供の情景』は「あえて、『シューマンも認めたメトロノーム指定テンポ』で弾いてみます」とのこと。(この曲のテンポ指定は一種類ではないような記憶がありますが)出版社がシューマンの許可を得て表記したテンポ、で演奏されました。
私にはそれほど違和感はなかったですけれども、テンポ指定について考えたことのない方々には《異国にて》や《トロイメライ》は速く感じられたかもしれません。
メンデルスゾーンの『厳バリ』は「音数の多い難しい曲」というイメージがありますが、フォルテピアノで弾かれる細かい音は程よくて、すっきり聴けた感じがします。

今日のテーマは「ショパンと同時代の作曲家をフォルテピアノで弾く」ということだそうで、
1810年生まれのシューマン、ショパン
1809年生まれのメンデルスゾーン、
1811年生まれのリスト、
1813年生まれのアルカン(ワグナーと同い年なんですね💦)
の楽曲がプログラム。
アルカンはアンコール含めて2曲演奏されましたが、どちらも親しみやすい綺麗な曲、
リストのマズルカはショパンが亡くなった翌年に書かれたそうで、オマージュもあるのでしょうか。
そしてショパンの楽曲。
ここで、川口さんが演奏者からみた「エラール」「プレイエル(今日の楽器は1843年製 タカギクラヴィア所有)」の違いを述べられました。
今のピアノと同じような機構のエラールに比べて、ジャンクションがシングルであるプレイエルの方が、連打等は難しいけれども、手が震えたらそのまま伝わってしまうような『近さ』を感じるそうです。

アンコールは第二響板を閉めての演奏(楽器の写真の2枚目が閉めた状態)。
ショパンがサロンで演奏する時に第二響板を使用したりした、とのこと。
バッハ=サンサースの曲だったこともあるでしょうけれども、
響きがチェンバロっぽく品よく抑えられた感じに聴こえました。

それにしても、すでにフォルテピアノの演奏会3回目ですよ(笑)。
でもきっとまた行きます〜











今シーズンの松本和将さんのベートーヴェンリサイタル(その2)

2021年12月18日 20時04分05秒 | ピアノ

月があらたまって11月。

24日に京都のカフェモンタージュでのリサイタルがあり、配信を聴きました。ここの配信は、動画でなく音声のみなのですが、高音質なのと、音声のみの良さもあって、私は大変気に入っています。

カフェモンタージュには一度伺ったことがあるのですが、ちょっと照明暗めの独特の雰囲気があって、ここでしか聴けないような演奏がたびたび出現します。今回は個人的には「月光」1楽章がそれでした。「ほんとうはものすごく離れて存在する星を、地球からの見え方で線でつないで星座にした」という、ちょっと訳のわからないたとえが頭に浮かびました。もしかすると無関係かもしれなかった音たちが、たまたま縁を持ってつながっているというか。・・・自分でも何言ってるのかよく分かりませんが(笑)。

そしてその5日後の29日。浜離宮朝日ホールでのリサイタル。ホロヴィッツ使用のピアノを持ち込んでのものでした。

その場で聴いた友人知人は「『熱情』が圧巻だった」という感想が多かったように思いますが、私個人としては「ワルトシュタイン」を楽しく聴きました。

作曲された当時の音域ぎりぎりの辺りの緊張感、

低音域・中音域・高音域それぞれの音色や表情の違い、それあってのシンフォニックな面白さ、

ややもすると、スケール・アルペジオ・和音オンパレードのテクニックにばかり気がいってしまうようなこの曲の面白さに、あらためて気づいた次第です。

毎年、同じプログラムを複数回聴くように心がけていますが、コロナ以降、配信も始まり、それが叶いやすくなってきました。

配信のご苦労は尽きないと思いますが、ぜひ今後も継続していただけるとありがたいです。そうすると、LIVEの楽しさ有難さもひとしおですから。

 


今シーズンの松本和将さんのベートーヴェンリサイタル(その1)

2021年12月18日 16時46分19秒 | ピアノ

今年の松本さんのリサイタルシリーズ「世界音楽遺産」は、ベートーヴェン。正確に言うと、昨年分がコロナで延期になった形です。てっきり後期三大ソナタだと思っていたのですが、「悲愴」「月光」「熱情」に、ツィッターの投票で決定した「ワルトシュタイン」の4曲でした。
(後期3曲は9月20日玉島での演奏会で「ハンマークラヴィーア」と共に聴く機がありました)

10月のある日、自分の本番が終わってちょっとばかり気が緩んでいるときに、長野市芸術館での松本さんのリサイタル(10月13日)に予約を入れてしまいました。ホームページを見ると、
・良さげなホールである
・平日午後のコンサートを恒常的に開催していて、セット券まである
・まさかのスイーツ付き(演奏者の推薦によるもの)
ということが分かったので、30年ぶりの善光寺参りを兼ねていくことに。
朝7:55のバスで向かい、帰りは20:57に東京に着くという、プチ旅行。



平日午後にも関わらず、かなりの集客で常連さんもおられる感じでした。
前半「悲愴」「月光」の演奏のあと、休憩。そして、企画者との対談。そのあとピアノのアクションを出しての楽器の説明。後半は長野にちなんだ1曲ということで「田園」。最後に「熱情」。
楽器とホールも相性のいい感じで、ffからのpがしゅっと静まり返って気持ちよく、中音域がちょっと艶のあるウェットな感じの音で、ちょっと漆器っぽかった(笑)。
「悲愴」「熱情」の細かい部分でこれまでとちょっと変わった部分や、「月光」3楽章のアルペジオがもくもくと湧き上がる感じなのも面白く聴きました。

(その2へ続く)


コンペ終わりました!

2021年08月17日 22時33分00秒 | ピアノ
本年より新設のカテゴリー(55歳以上。経歴不問)にこの夏参加しておりました。

今年は3月にコンチェルトと室内楽がありましたし、
4月に主たる居住地の移動があり、手元にアコースティックのピアノも置けなくなってしまったので、
流石に参加は無理かなあ…と思っておりました。
ところが、4月半ばから、譜読みを始めてみたら、ちょっと面白くなって、人前で弾きたくなりました。
…バツェヴィッチのピアノソナタ第2番。
コンサートで弾くともしかすると著作権料が発生しそうなので、これはコンペで弾くのが早いのではなかろうか?(殴)と、
いきなり6月の予選2ヶ所にエントリーいたしました。

おかげさまで、予選2ヶ所(関東と広島)通過しまして、先月下旬関東での本選。
なんとこちらで通過しましたので、西日本の方は棄権。
2008年に別カテゴリーで全国大会に行って以来の、銀座王子ホールとなりました。

予選は第1楽章のみ。
譜読みから2ヶ月程度だったせいか、会場に行くと怖気付き、
このカテゴリーでは許されている、視奏(楽譜を見ること)をしてしまいました。
でも、その方が落ち着いて弾けたと思いますので、これは結果オーライ、と。
ただ、講評を見ると、やはり「イマジネーションの不足」「音色変化に欠ける」といった指摘を多くいただき、
自分でも「曲が身体に入ってない」感はありありでしたので、
2ヶ所目の予選が済んだ後は、しばらく弾かずに楽譜からイメージをクリアに立ち上げることに時間をかけました。
でもなかなか立ち上がって来ず…
ただただ音の流れと響きを聴いて体に入れる期間を過ごしました。
そのおかげか、本選数日前に借りたグランドピアノで弾いた時、わ〜っと曲が入ってきて絶句(一人練習なのでもともと喋ってませんけど…笑)。
本選では、予選のような指摘はなくなり、点数も上がったので、やはり欠けていたのはこれだったかと思いました。

ところで、1ヶ所目の予選後、手持ちの電子ピアノ(というかキーボード)の1本ペダルを、3本ユニットに替えました。ついでに、ピアノの下半身も固定の台に。
ウナコルダを踏む箇所が結構あるのですが、カッコだけでも左足を乗せたかったんです(笑)。




本選後、全国決勝では第3楽章も弾くことにして、急遽練習始めました。
これが随分左右に動きが激しいので、これまでの付属の椅子では落ちそうになり、
背付き椅子を広島からこちらに送りました。





これでだいぶ楽になった(笑)。

あとは、予選のピアノがシゲルカワイとベーゼンドルファーだったり、
本選がスタインウェイのセミコンだったりしたので、それに合わせてピアノを借りるとか、
全国の前はスタンのDを弾きに行くとか、曲の練習そのもの以外の準備も地味にやりました。

決勝前数日間はさすがに緊張。。
予選は「曲から落ちないか」心配、本選が一番気楽で(有名人だらけだったので、まず無理だろうと開き直った)。
決勝は「短期間で3楽章が加わった」ということに加え、本選での点数が思いの外良くて、
「果たしてあのレベルの演奏ができるだろうか…」という妙なプレッシャーがあったため。
本選では一種特別な空間が出現した感があったこともあり、もう一回ああいう風に弾けるのだろうか、と。

本番はピアノの前に座ったら、全然緊張してなかった(はず)のですが、
若干速めのテンポで出てしまってました💦
練習期間の短かった3楽章はそれなりに乗れました。
さすがに無傷とはいきませんでしたが、弾いてる間は本当に楽しかった。

というわけで、コロナ厳戒の中、終了。
おかげさまで1位をいただくことができました。

予選、本選、決勝と、これまでのそれぞれ人生を語っておられるような、深い演奏に多数接することができました。
私は今回、曲との相性の良さと、いろんな条件がいい方向に働いて、こういう結果を得ることができましたが、
尊敬する知人との再会、新たな出会いを得、記憶に残る夏を過ごすことができました。

2回のレッスンで、的確に導いてくださった松本和将先生、
運営してくださった方々、審査をしてくださった先生方、
応援してくれた友人たち、家族に感謝を捧げます。


ダニエル・バレンボイム ピアノリサイタル@サントリーホール

2021年06月04日 01時21分00秒 | ピアノ
バレンボイムが来日するらしいというのを知ったのは4月末。
「東京で2日、名古屋、大阪で1日ずつやるんだってよ。ほぼベートーヴェンの後期ソナタらしいよ…」という程度の関心でした。
というのは、こういう大物が来るのは「遠いところ」という先入観があり、「行きたいけどムリ」と思っていたからです。
でもよく考えたら、「今、首都圏に住んでるよね?コロナはちょっとアレだけど、チケット代もちょっとアレだけど、
行こうと思えばいけるじゃんね」と思ったわけです。
そのうち追加公演が決まり、これのP席を狙うも敗退。うーん、他の日は?と調べてみると、 意外や意外、S席とかは空いてる。初期ソナタの日はA席も空いてる。
「よし、初期ソナタの6月3日に行く!」ということで、ひっさびさに「万」のつくチケット購入。
でなぜ初期かというと、初期は1、2、3番を『ベートーヴェンのソナタを弾く会』ですでに弾き、自分でも初期好きだから。
後期は生でも録音でも相当聴いてはいますが、自分では弾いたことないし、正直いまいちよくわからない。
「後期の3曲は別格」とも言われているので、「後期いいですねえ」「後期大好きです」と言ってみたい気持ちは山々なんですが、理解力精神面ともに「後期が分かる、好き」というにはほど遠く、今のところ、口が裂けても言えない(汗)。
なので初期でGO!

さて、サントリーホールですが、大昔、坂を上ってやっとたどり着いた記憶があります。
今は南北線の駅ができてて、赤坂あたりから歩くのと比べて近いのか遠いのか分からないけど、
いちおうそっちから行ってみました。迷わずに到着。

コロナがらみでてっきり座席半分使用と思い込んでましたが、私の両隣も塞がってるし、空席はごくわずか。客席がマスクで埋まってなければ、これまでとなんら変わりないコンサートの光景です。ちょっとびっくり。

さて、ステージ上の「クリス・マーネ・ストレートストラング・グランピアノ」ですが、これはいわゆる「平行弦」になっている(今のグランドピアノは交差弦)うえに、鍵盤のサイズもバインボイムの手に合わせて設計されているそうです。私の席(二階ほぼ中央)からは詳しくは見えないけれども、屋根を押し上げる棒が金ピカ(に見える)なのが目新しい。


さて、開演。
私の勝手なイメージでは、そそくさとピアノに向かって弾き始める人だったのに、
なんと周囲の各ブロックのそばまで行って、お辞儀し両手を振る。客席も最初からカーテンコールのような鳴り止まぬ大拍手。
で、最初は1番。モーツァルトの40番シンフォニーの終楽章のような、マンハイムロケットで始まる…はず。
固唾を飲み、待ち受ける。…来い!マンハイムロケット!
「♪ ソシーシファー ミソーソレー」
え?え?それ30番ですやん?さんざん予習してきた小学生とかだったら「お母さん、これ違う曲だよ〜」とダダをこねそう。カルパッチョと思ってたらソテーだった、前菜と思ってたら主菜出てきた…いや、どんなたとえでも追いつかない驚き。
ですが、「きっとこれはいつのまにか曲目変更になっていたのであろう」と大人の判断をしまして、「いやあ〜、後期聴きたかったのよ」という気持ちに切り替えました(笑)。
なんですかね、ただただすみずみまで美しい。「ふわっと触ってるだけじゃないか?」というくらいの弱音も大変多いのですが、よく聴こえる。よく聴こえるというと「クリア」という表現が使われがちですけど、そういう感じではなくて、「遠くにあって霞んだように見える(聴こえる)けど、解像度は高いから、広げてみるとひとつひとつすべてがきれい」という感じなんですね。高音は透き通ってるし、低音もだみったり、うなったりせず、きれいに響く。
曲そのものについては「感想」程度のことしか言えないのですが、30番の終わりの方は「長年連れ添った人と穏やかにやり取りしているように」感じました。
前半30、31番だったので、さすがに後半は32番よね、と思っていたら、やはりそうで、最後のトリルが実に実に美しかった。もし死ぬ前に幽体離脱というものがあるなら、魂が抜けだして、それまで自分が行ったところ、会った人たちの上を懐かしく浮遊して、そのまま、天に召されていくような情景がありありと目に浮かびました。
どの曲もそこはかとなく温かく、ベタな表現ですが「愛」に満ちているように思いました。そして、作為はなく、息をするように音楽が出てくる。「自分も弾いてある程度分かると思うから初期を」などという計算高いチョイスをしてすみませんでした、恥じ入りました。おそらく…もし明日同じ会場で同じ後期を聴いても、「明日は明日の息がある」から、それはそれで新鮮に聴けるはず。

演奏後、マエストロご自身から謝罪と説明がありました。
マエストロは今日のプログラムを勘違いしておられて、休憩時に「本日のプログラムは初期ソナタ」ということを聞かされたそうです。セット券販売もあるので、主催側はいろいろ大変かもですけど、個人的には「行ってよかった、後期でよかった(たぶん)」なコンサートで、マエストロに心からお礼を申し上げたい気分です。





2020年 今年弾いた曲

2020年12月30日 21時36分08秒 | ピアノ
短い一年でした。

今年1月に、ご近所サロンで新春コンサートをしたときに、共演の二胡奏者から自分が訪ねた中国の地の説明があり、その際に「今、武漢が大変ですが・・・」と、ちょっと話題に上がったのを思い出します。
2月には、3月のコンサートやイベントの中止や延期を余儀なくされましたが、それでも「5月くらいには収まってるかな」という希望的観測。まさかこの年末年始に過去最悪の状況になっているとは誰も予想しておらず・・・
「年末年始は帰省も控えよ」ということで、うちは家族バラバラに新年を迎えます。
おそらく、初の「おせち写真なし」元日になるはずであります。

というわけで、コンサートも非常に少なかったのですが・・

・1月25日(土)ご近所の地域交流サロンでの「夢LIVE」
私と二胡、ボーカルの友人とで、小さいコンサートをしました。
早春賦、異邦人、ラストエンペラー、賽馬(二胡&電子ピアノ)
燕になりたい(ボーカル&二胡&電子ピアノ)


(2月末、3月、4月の本番は中止または延期)

・6月21日(日)恒例のフルート&ピアノのコンサート春の部


・6月24日(水)ご近所の百歳体操後のミニコンサート(チェロ&電子ピアノ)
星に願いを オーラリー 大きな古時計 浜辺の歌 渡る世間は鬼ばかり 愛のあいさつ
ふるさと

・7月11日(土)室内楽のコンサート
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲全楽章


・9月16日(水)乳幼児対象のミニコンサート(チェロ&ピアノ)


・9月23日(水)ご近所の百歳体操後のミニコンサート(チェロ&電子ピアノ&ボーカル)
秋の長調メドレー(紅葉、赤とんぼ、里の秋)、秋の短調メドレー(月の沙漠、荒城の月)
ムーンリバー&マイウェイ、愛の讃歌。  ほかに友人の弾き語り(東京キッド、Let it be)

・10月12日(月)絵と音で楽しむ「ねこ」のひととき(電子ピアノ、朗読、絵画展示)
二週間前に同茶房で出会った、猫の絵を描くアーチストさんとのコラボを急遽決行(笑)。


・10月18日(日)プチライブ&ベートーヴェンリレーコンサートリハーサル会
新しく入ってきた小学生男子君の初ステージともなりました。
一部は、ピアノソロ、ピアノ連弾、マンドリン&ピアノ、マンドリン&二胡&ピアノ、二胡&ピアノ という、アンサンブルを含めた緩い発表会。
二部はベートーヴェンのソナタ全楽章を5人でリハーサル。


・10月25日(日)恒例のフルート&ピアノのコンサート 秋の部


・11月28日(土)弦楽器の発表会(伴奏)
ブレヴァル:チェロソナタハ長調、 ヴィヴァルディ:チェロソナタ第3番
リヒャルト・シュトラウス:チェロソナタヘ長調より第1楽章

・12月5日(土)、6日(日)ベートーヴェン生誕250年記念ピアノソナタ全32曲リレーコンサート(第13回 ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会) ※詳細は1つ前の記事で



ボランティアは、3か月に1回伺っている、通所リハビリテーションの施設に2月に行くことができました。がそれ以降は、近所のデイサービス、老人ホーム含め、感染拡大防止のため立ち入り禁止。
披露宴は15回・・・それでも15回もあったんだなあ、とびっくりです。
生徒は、今までにない年齢層が3人増。

今年初め頃に、グリーグのコンチェルトを練習しながら「・・・三度をなんとかせねば」と思い、よろよろとショパンの25-6に取り掛かり、
ベートーヴェンのソナタもなぜか三番を弾くことになり、「これは今年は三度を練習せいということだな」と思い、念仏のように今年は三度を唱え、じゃない、練習しました。
25-6はいまだ継続中、というか歯磨きレベルで、弾かないと気分悪い感じです。まだ上手には弾けないけど(笑)。

なんだかシマラナイ終わりになってしまいましたが、来年は良い年でありますように!






2019年 今年弾いた曲

2019年12月30日 20時32分45秒 | ピアノ

ああ、今年も終わりそうです。

一昨日まで気の抜けない本番があり、昨日今日と年末の買い物と掃除をし、明日一日でお節らしきものを用意し、元旦に出奔(?)という恒例のタイムスケジュールです。

今夜の「プロ野球戦力外通告」はもちろん外せない。

昨年のブログをみると、12月の半ばから約10日にわたって喉をやられ、ちょうどクリスマスのボランティアラッシュの時期、声が出なかった模様。今年は2回ほど「これはもしや、もしや、まずいのか?・・」ということがありましたが、自作の黒砂糖漬け生姜に焼酎をドボドボ入れてお湯割りし、そのせいか気のせいか知りませんが、なんとかしのぎました。

今年は例年よりちょっと多めの披露宴仕事、伴奏いろいろ。ベートーヴェンソナタは今年も2曲(なんとか暗譜)。二胡との初コラボ、鍵盤ハーモニカ四重奏。師弟コンサートでの松本さんとの2回の連弾。そして数年来事務局スタッフを務めている3月のカンマームジークアカデミーでなんと受講生までやってしまう・・という、「いい加減にせーよ、55歳!」な年でした。

そういう「度の過ぎた趣味」を重ねていて、今年はなにか(おそらく師弟連弾やらカンマーの経験から)ちょっと今までと違うなにかを得たような気がするのですが、ほんとに気のせいかもしれないので、書かないでおきます(笑)。

どちらさまもよいお年をお迎えくださいませ。

 

 

<今年弾いた曲>

(コンサート)

2月9日 デュオコンサート(@ザビエルホール) 「くらくらクーラウ~クッキークランチ・ポルカ~クラリネットがこわれちゃった」

3月8日 松本和将と±15AGEの門下生によりソロ&デュオコンサート(@南区民スタジオ)「子供の情景(全曲)」「ハンガリー舞曲 1&2番」

3月30日 カンマームジークアカデミーin呉(呉市文化センター) 修了演奏会 「メンデルスゾーン:ピアノトリオ第1番第1楽章」

4月13日  お好みコンサート(@南区民スタジオ)フォーレ=浅田陽子「エレジー」 

4月21日  闇鍋会(@ムシカ)「江南春色」「絆」「塞馬」(以上二胡と)、 メンデルスゾーン「ピアノトリオ第1番第1楽章」

5月26日 山のコンサート フルート伴奏(@個人別荘)10曲

6月8日 コンペ予選(@安芸区民ホール)フォーレ=浅田陽子「エレジー」

7月3日 子供のための七夕コンサート(@府中)8曲     

7月28日 リラックスコンサート(@尾道ミュゼッタ)フルート伴奏10曲 

8月3日 コンペ本選(@大阪音大)フォーレ=浅田陽子「エレジー」

9月15日 弦楽器発表会 チェロ伴奏(@安芸区民スタジオ)フォーレ「シチリエンヌ」、カサド「愛の言葉」

9月18日 集会所子育てサロンコンサート 9曲

9月23日 尾道コンサート(@ミュゼッタ)「テンペスト第1楽章」、「マメール・ロワ 第4曲」

10月20日 山のコンサート フルート伴奏(@個人別荘)10曲

11月3日 大学サークルOG会演奏会(@松尾ホール)「テンペスト第1楽章」

11月30日 ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会(@安芸区民スタジオ)第13番、第17番

12月28日 チェロ発表会伴奏(@東区民スタジオ)シューマン「幻想小曲集Op.73」、シューマン「アダージョとアレグロ Op.70」、ハイドン「チェロ協奏曲第2番第1楽章」

 

(ボランティア)

病院通所リハビリテーションデイサービス:3月18日、6月10日、9月9日、12月16日

ご近所デイサービスステーション:納涼会 8月7日、8月9日、

                クリスマス会 12月19日、12月23日、12月24日、12月25日

ご近所地域交流サロンクリスマス会:12月22日

老人ホームクリスマス会:12月25日


松本和将の世界音楽遺産 シリーズ第4回フランス編@岡山

2019年11月02日 10時52分00秒 | ピアノ

松本和将の世界音楽遺産 シリーズ第4回フランス編

ルネスの空間とピアノを知り尽くした素晴らしいリサイタルでした。
ここでライブ録音したらよかったのに…と思うくらい。

「世界音楽遺産」と銘打つからには、いつかその日(フランス編)が来ると思っていたのですが、ついに来たその日(というかその年)。
フォーレは弾かないだろうけど、ドビュッシーはどうするのかな〜とか、
いろいろ野次馬的に予想していたわけですが、ラヴェル中心といった趣のプログラム。


ドイツ、ロシアものが、おそらく自他ともに認める得意ジャンルなのでしょうけれども、
CD「静止した夢のパヴァーヌ」に見られるような、清澄な叙情性と繊細な感性をもっと聴ける機会が増えるといいなあ、と個人的にはずっと思っていたので、今回のフランスものにはかなり期待していました。
最近は、今日のプログラムにないラヴェル作品の演奏会や
ラヴェルの室内楽もされてましたし。

ラヴェルの作品は私自身が不勉強なのでたいした感想が書けないのですが、
とくに「ガスパール」、トレモロ、連打、グリサンド、…すみずみまでクリアで表情があり、
ハーモニーの組み立てと残し方が見事でした。

最近違う作曲家のレッスン受けていても、ハーモニーの感覚が「おっ」という瞬間が多々あり、期待を裏切らないフランス年だった気がします。

今月24日(日)、東京文化会館で同じプログラムでのリサイタルがあります。

  


松本和将の「世界音楽遺産 シリーズ第2回 ロシア編」

2017年11月27日 09時38分00秒 | ピアノ

昨日、日帰りで東京に行って参りました。

いいお天気! 広島の方がたぶん寒い。

東京文化会館、最後に行ったのはいつだったのか・・・・たぶん30歳のときに行ったポリーニが最後くらい。

ということは、23年ぶり?

なのに、上野駅と文化会館のこの変わらなさはどうだ(笑)。

なにしにきたかというと、これ↓です。

実は、行きたいたい行きたいと思いつつも、日程やらなんやらで、「行く!」と決めたのは11月14日(火)。

23日は朝から晩までベートーヴェンの会、25日は夜お仕事、自分もですけど、家族は大丈夫なのか?(汗)

でもまあ東京にも家族いますし(・・・会うかどうかはわからんけど・・・)という言い訳にならない言い訳を引っ提げて決行。

盛況です。

開演時のざっとのつかみでは、9割入り?という感じ。小ホールといっても、広島では大ホールサイズですから、ええ。

で予想してきた通り、並びの席や会場内には、広島でのレッスンや呉のセミナーでご一緒した若い方々がたくさん。

 

<プログラム>

ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2「鐘」

チャイコフスキー:「四季」より 7月<刈り入れ人の歌>、11月<トロイカ>、4月<松雪草>

ラフマニノフ=コチシュ:ヴォカリーズ Op.34-14

ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調 Op.32-12

スクリャービン:練習曲嬰ハ短調 Op.2-1

スクリャービン:ピアノソナタ第5番 Op.53

~~~~休憩~~~~

ムソルグスキー:展覧会の絵

      プロムナード 1.小人 2.古城 3.テュイルリー、遊んだあとの子供のけんか 4.ブイドロ(牛車)

      5.卵の殻をつけたひな鳥のバレエ 6.ザムエル・ゴルデンベルクとシュムイル 7.リモージュの市場

      8.カタコンブ ーローマ時代の墓 9.鶏の足の上に建っている小屋(バーバ・ヤーガ) 10.キエフの大門

<アンコール>

      チャイコフスキー:「四季」より、6月<舟歌>

      ラフマニノフ:Op.23-5

 

今日のピアノは、タカギクラヴィアさんからレンタルのニューヨーク・スタインウェイCD368(1912年製)とのこと。

これがね、もうどういう音がするのか、聴きたくて聴きたくて辛抱たまらず、遠路やってきたわけです。

一曲目の鐘、思ったより大きい音ではない気がするのですが、客入りで音吸い込んでる可能性もあり、様子見。

低音域は「ときたまダミ声にも聞こえるほどの野太い音」、中音域は「人懐こい音」、高音域は「閃光や宝石のようなきらめく音」と思ったのですが、

帰ってから読んだプログラムの楽器説明には「1800年代のロマン派独特の香りを残し、太い重低音と輝かしい高音、メロウな中音域、豊かな色彩を持つこの楽器は、多くの巨匠たちと過ごしてきたキャリアの余裕すら感じられる」と。・・・まさにその通り!

いきいきとした情景の浮かぶチャイコフスキーあたりから、楽器もどんどん鳴ってきて(といっても、耳障りなほどの音量とかそういうことではまったくなく)、

ヴォカリーズではもう会場が一体となって聴き入ってました。

今回のプログラム、実は私は、今年2月の倉敷でのコンサート、11月に某所での通し練習と、2週間前のかしわや入江さんでのコンサート、そしてこの東京文化会館と計4回聴いております。

ヴォカリーズの情感とか歌については、これまでレッスン等々でも身近に接してきて、存分に聴かせていただいてきているのですが、

「油のしみた木」「時代のついた石」「木綿の服の匂い」「ランプの明かりとぬくもり」といった私自身もこれまで経験したことのないような感覚的なものがおしよせてきたのは初めてで、異時代、異空間をさまようことしばし。うーん、53歳なんて、このピアノの年齢にしてみれば、赤ん坊のようなもんです。そのピアノを操り、引き出す、松本氏凄し。

スクリャービン14歳時にかかれたエチュード、私自身はなんと50を過ぎてから巡り合った曲ですけれども、曇りガラスを通して凍てついた戸外を眺めるような・・・こういう曲と演奏に12歳(なぜか限定)で出会っていたなら、人生はまた変わっていたかもしれないですけども、出会わなくて幸せだったかもしれず(笑)。

つづく、スクリャービンの5番ソナタ、この曲の印象は2週間前のかしわや入江さんでのコンサートとかなり違ってました。

かしわや入江さん<可部>

   

漆喰と木に囲まれた人肌のスペースで聴くスクリャービン、ことに中音域が官能的ともいえるようなピアノの音で、うちにうちに入り込まれる感覚があったのですが、

昨日の東京文化会館では、浮遊感とか、光の層、閃光が強く感じられました。

プログラムノートには「この5番ソナタを弾いていると僕にはいつも、銀河系の果てしない輝きと人間の体内に滑り込んでいくような感覚が同時に感じられる」とあるので、スペースや楽器、聴き手の状態で「宇宙と体内」のバランスが多少変わってくるのかもしれません。

・・・・そういうことがあるので、同じプログラム、何度でもどこででも聴きたい(笑)。

 

休憩後は、「展覧会の絵」。

この演奏は、11月の某所での通し練習のとき(この会場は残響時間が長く、ピアノはスタインウェイ)、「<カタコンベ>をぜひ本番のピアノで聴きたい」と思ったんですね。

現代の、スタイリッシュで清潔感あふれるピアノはそれでそれでいいのですが、

消臭・消音が進み、さまざまな逸脱が毛嫌いされる昨今、なにか土臭いとでもいうようなものが恋しい。

今年どういうわけか、「展覧会の絵」がほんとによくコンサートにかかり、なにかの記念年なんだろうか?と思うほどでしたけれども、

時代の空気を敏感に察知するアーティストたちになにか、そういう反動みたいな気が降りてきたのだろうか・・・と思わないでもないです。

そういう中で、「これだ」という楽器と演奏。

ふだん聴きなれた楽器と比べると「うなり」や「きしみ」みたいなものも感じるのですが、

理性では制御できないような感情が、ダミッた低音(たまに轟音)や切り裂くような高音とともに迫ってくる。

「汚れてもいいんだよ、見苦しくてもいいじゃないか」という声が聴こえる(←個人的妄想)。

全体的には楽しい曲ですし、タイトルを追うだけでも十分面白いのですが、

音っていうのは、人間の根っこを揺さぶりますね。

聴きながら湧きあがったものを文字にしてみると、こういうことだったのかな、と。

 

最後に東京まで行って聴き届けてよかった(笑)。

長文にお付き合いくださった方々、ありがとうございました。

  


あと約3週間(ハンマークラヴィーア練習記録 その7)

2017年10月31日 14時03分29秒 | ピアノ

10月31日です。ハロウィーンです。

今をさかのぼること20年近く前、まだ渋谷のハロウィーンなんて影も形もなかったころ、

東京練馬区の某所、某公園ママコミニティ、というよりは「向こう三軒両隣」的な子供母親入り乱れての遊び仲間で、

徹夜で仮面ライダーの衣装を作ったりしてバカ騒ぎしていたのを思い出します。

「今日ちょっと子供預かってくれん?」「いいよ」

「今晩一緒にご飯食べん?」「食べよ食べよ」

「今夜旦那いないから、飲みに来ない?で、そのまま泊まれば?」「いくいく」

・・・日々こんな感じで、子供と親合わせて10数名、ハロウィーンでなくても毎日がお祭りのような状態。

相互集団預かり保育みたいな感じでしたね。ほんと助かったし、楽しかった。

 

それにしても、どんどん月日が経つのが速くなっておそろしい。

昨晩某番組で、マツコさんが「体感としては、子供のころの1年が今は2か月って感じ。そうすると、自分は体感ではあと5年ちょっとしか生きられないことになるかも」とおっしゃってましたけれども、

まさにそんな感じです。私がもし83まで生きられたとしても、体感としては5年ですね。・・・そうか5年か・・・

 

さて本日は、今年で満9年第10回のイベント、「ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会」のエントリー締め切り日でもあります。

11月23日が本番ですので、あと約3週間です。

エントリーまだの方、今夜12時までお待ちしておりますよ~

 

その予行演習をかねて、一昨日の日曜日、ステップに参加してきました。

もちろん全楽章弾くと長すぎてご迷惑をおかけするので、ハンマークラヴィーア第4楽章のみでのエントリーです。

フリー12分で申し込んだのですが、数日前に測ったら、「・・・演奏時間だけで12分??」な感じで、

もしこれで、暗譜落ちして周回遅れとか、宇宙との交信とかになったら、ものすごいご迷惑をおかけしてしまうと悩み(最後の部のトリだし)、

でも、あんな楽譜をいきなり譜めくりお願いするのも申し訳なさすぎる・・・と、セルフ譜めくりを決意。

素敵なセルフ譜めくり目指して、数日前からはそんな練習ばかりしてました(笑)。

ここで、完全暗譜をチョイスしないところが、アレなところではありますが・・・。

 

1週間前も台風接近で、20日(金)にサントリーホールに生ポゴレリチ初体験に出かけた際は、天候が気になったのですが、またしても台風接近。

午前がこうで、

夕方からがこう。

・・・雨が止んだので行かねばなるまい。

今回のステップは、チェロとのアンサンブルもあり、ふだんチェロと組むことの多い私は、大いにこれでリラックスできたのですけれども、

自分がアンサンブルするわけじゃないですしね・・・ほんとはそっちのほうがずっと楽しそうでうらやましい(笑)。

次々知ってる子たちが上手にアンサンブルし、隣県の知人が、披露宴のお色直級の素敵な本格的ドレスとアクセサリーでバッハとショパンという王道の演奏。

別にベートーヴェンが王道でないというわけではないのですが、自分の苦手ジャンルなだけに、バッハとかショパンとか弾けるってすごいな・・と憧れます。

まあそういうわけで、平常心でちょっと弾いてきました、くらいの感じで終わったのですが、

そうはいっても、うちで弾くのの7割弱くらい?

でも、楽しかったですねえ、汗だくだったけど。全楽章弾いたらもっと楽しくなるかな?(笑)。

私自身のツメや修行の問題なのかもしれないですけど、この曲に取り掛かって9か月、苦しかった思いはないです。

曲に漲る溢れんばかりの前向きパワーに日々力をもらうばかり。

譜読み時期の「なに弾いてるんだか、どこ弾いてるんだかわからない」状態のときも、神棚のお菓子をこっそりいただくように楽しみ、

テクニック的にとんでもなく難しいところは、どこまでできるようになれるか、日々ああでもないこうでもないと楽しみ、

ある程度弾けるようになってからは、「まさかこんな日がくるとは(35歳の再開時に)想像すらしたことはなかった」と有難がり、

なによりも、ここまで導いてくださった師に感謝。

 

あと3週間、ここからが全楽章総括で大変なところとなりますが、

なんとか体調に気を付けて完走(完奏)したいと思っております。