月があらたまって11月。
24日に京都のカフェモンタージュでのリサイタルがあり、配信を聴きました。ここの配信は、動画でなく音声のみなのですが、高音質なのと、音声のみの良さもあって、私は大変気に入っています。
カフェモンタージュには一度伺ったことがあるのですが、ちょっと照明暗めの独特の雰囲気があって、ここでしか聴けないような演奏がたびたび出現します。今回は個人的には「月光」1楽章がそれでした。「ほんとうはものすごく離れて存在する星を、地球からの見え方で線でつないで星座にした」という、ちょっと訳のわからないたとえが頭に浮かびました。もしかすると無関係かもしれなかった音たちが、たまたま縁を持ってつながっているというか。・・・自分でも何言ってるのかよく分かりませんが(笑)。
そしてその5日後の29日。浜離宮朝日ホールでのリサイタル。ホロヴィッツ使用のピアノを持ち込んでのものでした。
その場で聴いた友人知人は「『熱情』が圧巻だった」という感想が多かったように思いますが、私個人としては「ワルトシュタイン」を楽しく聴きました。
作曲された当時の音域ぎりぎりの辺りの緊張感、
低音域・中音域・高音域それぞれの音色や表情の違い、それあってのシンフォニックな面白さ、
ややもすると、スケール・アルペジオ・和音オンパレードのテクニックにばかり気がいってしまうようなこの曲の面白さに、あらためて気づいた次第です。
毎年、同じプログラムを複数回聴くように心がけていますが、コロナ以降、配信も始まり、それが叶いやすくなってきました。
配信のご苦労は尽きないと思いますが、ぜひ今後も継続していただけるとありがたいです。そうすると、LIVEの楽しさ有難さもひとしおですから。
今年の松本さんのリサイタルシリーズ「世界音楽遺産」は、ベートーヴェン。正確に言うと、昨年分がコロナで延期になった形です。てっきり後期三大ソナタだと思っていたのですが、「悲愴」「月光」「熱情」に、ツィッターの投票で決定した「ワルトシュタイン」の4曲でした。
(後期3曲は9月20日玉島での演奏会で「ハンマークラヴィーア」と共に聴く機がありました)
10月のある日、自分の本番が終わってちょっとばかり気が緩んでいるときに、長野市芸術館での松本さんのリサイタル(10月13日)に予約を入れてしまいました。ホームページを見ると、
・良さげなホールである
・平日午後のコンサートを恒常的に開催していて、セット券まである
・まさかのスイーツ付き(演奏者の推薦によるもの)
ということが分かったので、30年ぶりの善光寺参りを兼ねていくことに。
朝7:55のバスで向かい、帰りは20:57に東京に着くという、プチ旅行。
平日午後にも関わらず、かなりの集客で常連さんもおられる感じでした。
前半「悲愴」「月光」の演奏のあと、休憩。そして、企画者との対談。そのあとピアノのアクションを出しての楽器の説明。後半は長野にちなんだ1曲ということで「田園」。最後に「熱情」。
楽器とホールも相性のいい感じで、ffからのpがしゅっと静まり返って気持ちよく、中音域がちょっと艶のあるウェットな感じの音で、ちょっと漆器っぽかった(笑)。
「悲愴」「熱情」の細かい部分でこれまでとちょっと変わった部分や、「月光」3楽章のアルペジオがもくもくと湧き上がる感じなのも面白く聴きました。
(その2へ続く)
今年1月に、ご近所サロンで新春コンサートをしたときに、共演の二胡奏者から自分が訪ねた中国の地の説明があり、その際に「今、武漢が大変ですが・・・」と、ちょっと話題に上がったのを思い出します。
2月には、3月のコンサートやイベントの中止や延期を余儀なくされましたが、それでも「5月くらいには収まってるかな」という希望的観測。まさかこの年末年始に過去最悪の状況になっているとは誰も予想しておらず・・・
「年末年始は帰省も控えよ」ということで、うちは家族バラバラに新年を迎えます。
おそらく、初の「おせち写真なし」元日になるはずであります。
というわけで、コンサートも非常に少なかったのですが・・
・1月25日(土)ご近所の地域交流サロンでの「夢LIVE」
私と二胡、ボーカルの友人とで、小さいコンサートをしました。
早春賦、異邦人、ラストエンペラー、賽馬(二胡&電子ピアノ)
燕になりたい(ボーカル&二胡&電子ピアノ)
(2月末、3月、4月の本番は中止または延期)
・6月21日(日)恒例のフルート&ピアノのコンサート春の部
・6月24日(水)ご近所の百歳体操後のミニコンサート(チェロ&電子ピアノ)
星に願いを オーラリー 大きな古時計 浜辺の歌 渡る世間は鬼ばかり 愛のあいさつ
ふるさと
・7月11日(土)室内楽のコンサート
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲全楽章
・9月16日(水)乳幼児対象のミニコンサート(チェロ&ピアノ)
・9月23日(水)ご近所の百歳体操後のミニコンサート(チェロ&電子ピアノ&ボーカル)
秋の長調メドレー(紅葉、赤とんぼ、里の秋)、秋の短調メドレー(月の沙漠、荒城の月)
ムーンリバー&マイウェイ、愛の讃歌。 ほかに友人の弾き語り(東京キッド、Let it be)
・10月12日(月)絵と音で楽しむ「ねこ」のひととき(電子ピアノ、朗読、絵画展示)
二週間前に同茶房で出会った、猫の絵を描くアーチストさんとのコラボを急遽決行(笑)。
・10月18日(日)プチライブ&ベートーヴェンリレーコンサートリハーサル会
新しく入ってきた小学生男子君の初ステージともなりました。
一部は、ピアノソロ、ピアノ連弾、マンドリン&ピアノ、マンドリン&二胡&ピアノ、二胡&ピアノ という、アンサンブルを含めた緩い発表会。
二部はベートーヴェンのソナタ全楽章を5人でリハーサル。
・10月25日(日)恒例のフルート&ピアノのコンサート 秋の部
・11月28日(土)弦楽器の発表会(伴奏)
ブレヴァル:チェロソナタハ長調、 ヴィヴァルディ:チェロソナタ第3番
リヒャルト・シュトラウス:チェロソナタヘ長調より第1楽章
・12月5日(土)、6日(日)ベートーヴェン生誕250年記念ピアノソナタ全32曲リレーコンサート(第13回 ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会) ※詳細は1つ前の記事で
ボランティアは、3か月に1回伺っている、通所リハビリテーションの施設に2月に行くことができました。がそれ以降は、近所のデイサービス、老人ホーム含め、感染拡大防止のため立ち入り禁止。
披露宴は15回・・・それでも15回もあったんだなあ、とびっくりです。
生徒は、今までにない年齢層が3人増。
今年初め頃に、グリーグのコンチェルトを練習しながら「・・・三度をなんとかせねば」と思い、よろよろとショパンの25-6に取り掛かり、
ベートーヴェンのソナタもなぜか三番を弾くことになり、「これは今年は三度を練習せいということだな」と思い、念仏のように今年は三度を唱え、じゃない、練習しました。
25-6はいまだ継続中、というか歯磨きレベルで、弾かないと気分悪い感じです。まだ上手には弾けないけど(笑)。
なんだかシマラナイ終わりになってしまいましたが、来年は良い年でありますように!
ああ、今年も終わりそうです。
一昨日まで気の抜けない本番があり、昨日今日と年末の買い物と掃除をし、明日一日でお節らしきものを用意し、元旦に出奔(?)という恒例のタイムスケジュールです。
今夜の「プロ野球戦力外通告」はもちろん外せない。
昨年のブログをみると、12月の半ばから約10日にわたって喉をやられ、ちょうどクリスマスのボランティアラッシュの時期、声が出なかった模様。今年は2回ほど「これはもしや、もしや、まずいのか?・・」ということがありましたが、自作の黒砂糖漬け生姜に焼酎をドボドボ入れてお湯割りし、そのせいか気のせいか知りませんが、なんとかしのぎました。
今年は例年よりちょっと多めの披露宴仕事、伴奏いろいろ。ベートーヴェンソナタは今年も2曲(なんとか暗譜)。二胡との初コラボ、鍵盤ハーモニカ四重奏。師弟コンサートでの松本さんとの2回の連弾。そして数年来事務局スタッフを務めている3月のカンマームジークアカデミーでなんと受講生までやってしまう・・という、「いい加減にせーよ、55歳!」な年でした。
そういう「度の過ぎた趣味」を重ねていて、今年はなにか(おそらく師弟連弾やらカンマーの経験から)ちょっと今までと違うなにかを得たような気がするのですが、ほんとに気のせいかもしれないので、書かないでおきます(笑)。
どちらさまもよいお年をお迎えくださいませ。
<今年弾いた曲>
(コンサート)
2月9日 デュオコンサート(@ザビエルホール) 「くらくらクーラウ~クッキークランチ・ポルカ~クラリネットがこわれちゃった」
3月8日 松本和将と±15AGEの門下生によりソロ&デュオコンサート(@南区民スタジオ)「子供の情景(全曲)」「ハンガリー舞曲 1&2番」
3月30日 カンマームジークアカデミーin呉(呉市文化センター) 修了演奏会 「メンデルスゾーン:ピアノトリオ第1番第1楽章」
4月13日 お好みコンサート(@南区民スタジオ)フォーレ=浅田陽子「エレジー」
4月21日 闇鍋会(@ムシカ)「江南春色」「絆」「塞馬」(以上二胡と)、 メンデルスゾーン「ピアノトリオ第1番第1楽章」
5月26日 山のコンサート フルート伴奏(@個人別荘)10曲
6月8日 コンペ予選(@安芸区民ホール)フォーレ=浅田陽子「エレジー」
7月3日 子供のための七夕コンサート(@府中)8曲
7月28日 リラックスコンサート(@尾道ミュゼッタ)フルート伴奏10曲
8月3日 コンペ本選(@大阪音大)フォーレ=浅田陽子「エレジー」
9月15日 弦楽器発表会 チェロ伴奏(@安芸区民スタジオ)フォーレ「シチリエンヌ」、カサド「愛の言葉」
9月18日 集会所子育てサロンコンサート 9曲
9月23日 尾道コンサート(@ミュゼッタ)「テンペスト第1楽章」、「マメール・ロワ 第4曲」
10月20日 山のコンサート フルート伴奏(@個人別荘)10曲
11月3日 大学サークルOG会演奏会(@松尾ホール)「テンペスト第1楽章」
11月30日 ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会(@安芸区民スタジオ)第13番、第17番
12月28日 チェロ発表会伴奏(@東区民スタジオ)シューマン「幻想小曲集Op.73」、シューマン「アダージョとアレグロ Op.70」、ハイドン「チェロ協奏曲第2番第1楽章」
(ボランティア)
病院通所リハビリテーションデイサービス:3月18日、6月10日、9月9日、12月16日
ご近所デイサービスステーション:納涼会 8月7日、8月9日、
クリスマス会 12月19日、12月23日、12月24日、12月25日
ご近所地域交流サロンクリスマス会:12月22日
老人ホームクリスマス会:12月25日
松本和将の世界音楽遺産 シリーズ第4回フランス編
ルネスの空間とピアノを知り尽くした素晴らしいリサイタルでした。
ここでライブ録音したらよかったのに…と思うくらい。
「世界音楽遺産」と銘打つからには、いつかその日(フランス編)が来ると思っていたのですが、ついに来たその日(というかその年)。
フォーレは弾かないだろうけど、ドビュッシーはどうするのかな〜とか、
いろいろ野次馬的に予想していたわけですが、ラヴェル中心といった趣のプログラム。
ドイツ、ロシアものが、おそらく自他ともに認める得意ジャンルなのでしょうけれども、
CD「静止した夢のパヴァーヌ」に見られるような、清澄な叙情性と繊細な感性をもっと聴ける機会が増えるといいなあ、と個人的にはずっと思っていたので、今回のフランスものにはかなり期待していました。
最近は、今日のプログラムにないラヴェル作品の演奏会や
ラヴェルの室内楽もされてましたし。
ラヴェルの作品は私自身が不勉強なのでたいした感想が書けないのですが、
とくに「ガスパール」、トレモロ、連打、グリサンド、…すみずみまでクリアで表情があり、
ハーモニーの組み立てと残し方が見事でした。
最近違う作曲家のレッスン受けていても、ハーモニーの感覚が「おっ」という瞬間が多々あり、期待を裏切らないフランス年だった気がします。
今月24日(日)、東京文化会館で同じプログラムでのリサイタルがあります。
昨日、日帰りで東京に行って参りました。
いいお天気! 広島の方がたぶん寒い。
東京文化会館、最後に行ったのはいつだったのか・・・・たぶん30歳のときに行ったポリーニが最後くらい。
ということは、23年ぶり?
なのに、上野駅と文化会館のこの変わらなさはどうだ(笑)。
なにしにきたかというと、これ↓です。
実は、行きたいたい行きたいと思いつつも、日程やらなんやらで、「行く!」と決めたのは11月14日(火)。
23日は朝から晩までベートーヴェンの会、25日は夜お仕事、自分もですけど、家族は大丈夫なのか?(汗)
でもまあ東京にも家族いますし(・・・会うかどうかはわからんけど・・・)という言い訳にならない言い訳を引っ提げて決行。
盛況です。
開演時のざっとのつかみでは、9割入り?という感じ。小ホールといっても、広島では大ホールサイズですから、ええ。
で予想してきた通り、並びの席や会場内には、広島でのレッスンや呉のセミナーでご一緒した若い方々がたくさん。
<プログラム>
ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2「鐘」
チャイコフスキー:「四季」より 7月<刈り入れ人の歌>、11月<トロイカ>、4月<松雪草>
ラフマニノフ=コチシュ:ヴォカリーズ Op.34-14
ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調 Op.32-12
スクリャービン:練習曲嬰ハ短調 Op.2-1
スクリャービン:ピアノソナタ第5番 Op.53
~~~~休憩~~~~
ムソルグスキー:展覧会の絵
プロムナード 1.小人 2.古城 3.テュイルリー、遊んだあとの子供のけんか 4.ブイドロ(牛車)
5.卵の殻をつけたひな鳥のバレエ 6.ザムエル・ゴルデンベルクとシュムイル 7.リモージュの市場
8.カタコンブ ーローマ時代の墓 9.鶏の足の上に建っている小屋(バーバ・ヤーガ) 10.キエフの大門
<アンコール>
チャイコフスキー:「四季」より、6月<舟歌>
ラフマニノフ:Op.23-5
今日のピアノは、タカギクラヴィアさんからレンタルのニューヨーク・スタインウェイCD368(1912年製)とのこと。
これがね、もうどういう音がするのか、聴きたくて聴きたくて辛抱たまらず、遠路やってきたわけです。
一曲目の鐘、思ったより大きい音ではない気がするのですが、客入りで音吸い込んでる可能性もあり、様子見。
低音域は「ときたまダミ声にも聞こえるほどの野太い音」、中音域は「人懐こい音」、高音域は「閃光や宝石のようなきらめく音」と思ったのですが、
帰ってから読んだプログラムの楽器説明には「1800年代のロマン派独特の香りを残し、太い重低音と輝かしい高音、メロウな中音域、豊かな色彩を持つこの楽器は、多くの巨匠たちと過ごしてきたキャリアの余裕すら感じられる」と。・・・まさにその通り!
いきいきとした情景の浮かぶチャイコフスキーあたりから、楽器もどんどん鳴ってきて(といっても、耳障りなほどの音量とかそういうことではまったくなく)、
ヴォカリーズではもう会場が一体となって聴き入ってました。
今回のプログラム、実は私は、今年2月の倉敷でのコンサート、11月に某所での通し練習と、2週間前のかしわや入江さんでのコンサート、そしてこの東京文化会館と計4回聴いております。
ヴォカリーズの情感とか歌については、これまでレッスン等々でも身近に接してきて、存分に聴かせていただいてきているのですが、
「油のしみた木」「時代のついた石」「木綿の服の匂い」「ランプの明かりとぬくもり」といった私自身もこれまで経験したことのないような感覚的なものがおしよせてきたのは初めてで、異時代、異空間をさまようことしばし。うーん、53歳なんて、このピアノの年齢にしてみれば、赤ん坊のようなもんです。そのピアノを操り、引き出す、松本氏凄し。
スクリャービン14歳時にかかれたエチュード、私自身はなんと50を過ぎてから巡り合った曲ですけれども、曇りガラスを通して凍てついた戸外を眺めるような・・・こういう曲と演奏に12歳(なぜか限定)で出会っていたなら、人生はまた変わっていたかもしれないですけども、出会わなくて幸せだったかもしれず(笑)。
つづく、スクリャービンの5番ソナタ、この曲の印象は2週間前のかしわや入江さんでのコンサートとかなり違ってました。
かしわや入江さん<可部>
漆喰と木に囲まれた人肌のスペースで聴くスクリャービン、ことに中音域が官能的ともいえるようなピアノの音で、うちにうちに入り込まれる感覚があったのですが、
昨日の東京文化会館では、浮遊感とか、光の層、閃光が強く感じられました。
プログラムノートには「この5番ソナタを弾いていると僕にはいつも、銀河系の果てしない輝きと人間の体内に滑り込んでいくような感覚が同時に感じられる」とあるので、スペースや楽器、聴き手の状態で「宇宙と体内」のバランスが多少変わってくるのかもしれません。
・・・・そういうことがあるので、同じプログラム、何度でもどこででも聴きたい(笑)。
休憩後は、「展覧会の絵」。
この演奏は、11月の某所での通し練習のとき(この会場は残響時間が長く、ピアノはスタインウェイ)、「<カタコンベ>をぜひ本番のピアノで聴きたい」と思ったんですね。
現代の、スタイリッシュで清潔感あふれるピアノはそれでそれでいいのですが、
消臭・消音が進み、さまざまな逸脱が毛嫌いされる昨今、なにか土臭いとでもいうようなものが恋しい。
今年どういうわけか、「展覧会の絵」がほんとによくコンサートにかかり、なにかの記念年なんだろうか?と思うほどでしたけれども、
時代の空気を敏感に察知するアーティストたちになにか、そういう反動みたいな気が降りてきたのだろうか・・・と思わないでもないです。
そういう中で、「これだ」という楽器と演奏。
ふだん聴きなれた楽器と比べると「うなり」や「きしみ」みたいなものも感じるのですが、
理性では制御できないような感情が、ダミッた低音(たまに轟音)や切り裂くような高音とともに迫ってくる。
「汚れてもいいんだよ、見苦しくてもいいじゃないか」という声が聴こえる(←個人的妄想)。
全体的には楽しい曲ですし、タイトルを追うだけでも十分面白いのですが、
音っていうのは、人間の根っこを揺さぶりますね。
聴きながら湧きあがったものを文字にしてみると、こういうことだったのかな、と。
最後に東京まで行って聴き届けてよかった(笑)。
長文にお付き合いくださった方々、ありがとうございました。
10月31日です。ハロウィーンです。
今をさかのぼること20年近く前、まだ渋谷のハロウィーンなんて影も形もなかったころ、
東京練馬区の某所、某公園ママコミニティ、というよりは「向こう三軒両隣」的な子供母親入り乱れての遊び仲間で、
徹夜で仮面ライダーの衣装を作ったりしてバカ騒ぎしていたのを思い出します。
「今日ちょっと子供預かってくれん?」「いいよ」
「今晩一緒にご飯食べん?」「食べよ食べよ」
「今夜旦那いないから、飲みに来ない?で、そのまま泊まれば?」「いくいく」
・・・日々こんな感じで、子供と親合わせて10数名、ハロウィーンでなくても毎日がお祭りのような状態。
相互集団預かり保育みたいな感じでしたね。ほんと助かったし、楽しかった。
それにしても、どんどん月日が経つのが速くなっておそろしい。
昨晩某番組で、マツコさんが「体感としては、子供のころの1年が今は2か月って感じ。そうすると、自分は体感ではあと5年ちょっとしか生きられないことになるかも」とおっしゃってましたけれども、
まさにそんな感じです。私がもし83まで生きられたとしても、体感としては5年ですね。・・・そうか5年か・・・
さて本日は、今年で満9年第10回のイベント、「ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会」のエントリー締め切り日でもあります。
11月23日が本番ですので、あと約3週間です。
エントリーまだの方、今夜12時までお待ちしておりますよ~
その予行演習をかねて、一昨日の日曜日、ステップに参加してきました。
もちろん全楽章弾くと長すぎてご迷惑をおかけするので、ハンマークラヴィーア第4楽章のみでのエントリーです。
フリー12分で申し込んだのですが、数日前に測ったら、「・・・演奏時間だけで12分??」な感じで、
もしこれで、暗譜落ちして周回遅れとか、宇宙との交信とかになったら、ものすごいご迷惑をおかけしてしまうと悩み(最後の部のトリだし)、
でも、あんな楽譜をいきなり譜めくりお願いするのも申し訳なさすぎる・・・と、セルフ譜めくりを決意。
素敵なセルフ譜めくり目指して、数日前からはそんな練習ばかりしてました(笑)。
ここで、完全暗譜をチョイスしないところが、アレなところではありますが・・・。
1週間前も台風接近で、20日(金)にサントリーホールに生ポゴレリチ初体験に出かけた際は、天候が気になったのですが、またしても台風接近。
午前がこうで、
夕方からがこう。
・・・雨が止んだので行かねばなるまい。
今回のステップは、チェロとのアンサンブルもあり、ふだんチェロと組むことの多い私は、大いにこれでリラックスできたのですけれども、
自分がアンサンブルするわけじゃないですしね・・・ほんとはそっちのほうがずっと楽しそうでうらやましい(笑)。
次々知ってる子たちが上手にアンサンブルし、隣県の知人が、披露宴のお色直級の素敵な本格的ドレスとアクセサリーでバッハとショパンという王道の演奏。
別にベートーヴェンが王道でないというわけではないのですが、自分の苦手ジャンルなだけに、バッハとかショパンとか弾けるってすごいな・・と憧れます。
まあそういうわけで、平常心でちょっと弾いてきました、くらいの感じで終わったのですが、
そうはいっても、うちで弾くのの7割弱くらい?
でも、楽しかったですねえ、汗だくだったけど。全楽章弾いたらもっと楽しくなるかな?(笑)。
私自身のツメや修行の問題なのかもしれないですけど、この曲に取り掛かって9か月、苦しかった思いはないです。
曲に漲る溢れんばかりの前向きパワーに日々力をもらうばかり。
譜読み時期の「なに弾いてるんだか、どこ弾いてるんだかわからない」状態のときも、神棚のお菓子をこっそりいただくように楽しみ、
テクニック的にとんでもなく難しいところは、どこまでできるようになれるか、日々ああでもないこうでもないと楽しみ、
ある程度弾けるようになってからは、「まさかこんな日がくるとは(35歳の再開時に)想像すらしたことはなかった」と有難がり、
なによりも、ここまで導いてくださった師に感謝。
あと3週間、ここからが全楽章総括で大変なところとなりますが、
なんとか体調に気を付けて完走(完奏)したいと思っております。