~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

まっすぐな音

2013年10月30日 00時58分04秒 | ピアノ

ふと、一年にいったい何回くらいピアノの演奏会(コンクール・発表会を含む)に足を運び、いったい何曲くらい聴いているんだろうか、と考えました。・・・・いや、やっぱり考えないことにしました(笑)。考えるだけでおそろしい。指導者でも審査員でもないのに、身分不相応な(?)回数と曲数に上ることは想像に難くありません。

まあ、ふつうは「うまかった」とか「すごかった」とか、「将来が楽しみだ」とか「感動した」とかいうおおまかな感想でだいたいおさまるんですけど(笑)、たまーに、これはどうしたことか・・というくらいドードー泣きになって、うちに帰り着くくらいまでいかんともしがたいことがあります。

別に、涙もろいというほどでもないですし、好きな曲聴いたらいつでも泣ける、というタチでもありません。もちろん「さあ、今日は泣くぞ」とかまえて行くわけでもない。不意打ちです。

そういう演奏は全部覚えているのですけど(過去7年間)、

当時中1だったMちゃんのリスト

大学出て間もないころのMさんのシューベルト

アマチュア友人Fさんのモーツァルト

K先生のショパン

H先生のベートーヴェン

の5回。1つをのぞき、あとは無料の演奏会。演奏者はソロコンサートをしょっちゅうされるような方々ではないです。どれも有名曲で聴きなれた曲であり、かつ私のほうのメンタリティーが弱っていたとかなにか思い入れのある曲だったとか・・そういうわけでもない。

ときどき、「なんだったんだろうなあ、あれは・・」と思うわけです。作曲家も全部違うし、演奏のタイプも全員違う。

共通することは、非常に「正直な演奏」だったということかな、と思います。先生がたに「正直」というのもなにか失礼な感じなのですが、「作為のない、無垢な演奏であった」ということでしょうか。

「なにも狙ってない」「ただただ曲に向き合う」というところから発された、「まっすぐな音」におそらく射抜かれたんだと思います。

音ですね、やはり・・・。今思い出してもそれぞれを再現できるくらい印象に残っている音です。私にとって、すばらしい財産です。

そしてそういう「奇跡の演奏」が自分にもいつかできたらいいな、と願っています。


弁当ですよ、弁当

2013年10月28日 12時53分14秒 | 家族・友人等

ここのところ、プチ受難の日々。

あるときは、タコのぶつ切りが、口腔内と喉のほうにつながったまま滞在。飲み込むべきか吐き出すべきか、そのままにして隙間から呼吸をすべきか、グルグル・・・。幸いなんとかなりましたけど、もしこれが吸盤でピタッと張り付いてたなら、もうどうなったことか・・・。

あるときは(たぶんその翌日)、急に外耳炎になり「寝られるのかこれ・・」というくらい痛くなり、鎮痛剤を珍しく服用。翌朝は治まってました。

さらにその翌日(昨日)は、右手で携帯を持ったまま左手でコーヒーサーバーからカップへ注いでましたところ・・・ところ・・・、左手の甲に熱砂が。いや砂ではなくて、コーヒーかすなんですが、ドリッパーを外し忘れてたもので、熱湯を含んだままドバっと降ってきたというわけです。これはなかなか危険です。良き奥様方は決してマネをなさらないように。

さて今朝はそれに負けない試練。

別に痛い目に遭ったわけではないのですが、本日からヤカツ(2泊3日の野外活動)の娘のために弁当を作らねばならなかったんです。

弁当は、息子に毎日作り続けてもう6年目、あとわずかでこちらも卒業となるはずなので、ベテランと言えばベテランですが、それはそもそも「男子弁当」、ボリュームの確保が最優先のハードルの低い弁当。

そんなものがたとえ2個でも3個でも、どうってことない。使い捨て容器なので、汁だけは出ないようなものにすればいいっか・・とまあ、それくらいの気持ちだったんですよ。

ところが昨日スーパーで一緒に買い物をしながら、娘が言う言う・・・・

「あのさ、たまに学校でお弁当のとき(運動会や遠足の振替日)、みんなおにぎりとかオムライスとかなのに、あたしだけ白いごはんなんだよね。でね、〇〇ちゃんの弁当は冷凍品と残り物しか入ってなかったらしい」

もしや、その<〇〇ちゃん>って、いちおう気をつかってうちの弁当のことなにげに言ってる??(大汗)・・・・・

というわけで、母、朝から慣れないオムライス弁当。ブロッコリーとスナックトマトと梨とぶどう付。なぜか蒲鉾も。

別に手は込んでないけど、冷凍品も残りものも入ってないぞ、どーだっ!

色だって、黄・緑・赤・白・紫・ピンク。極彩色でめまいしそうだろっ!

もしも、中学から娘弁当生活になったらいったいどうなるんだろ・・・ピアノ弾いてる場合じゃないですよ、これ(泣)。

先日、息子の通う学校がテレビに出てて、そこで、「弁当の思い出を叫ぶ」みたいな企画をやってたんですが、その時、こんなのありました。

「最近、ちょっとふくよかになったおかあさん~。そのことをつい口にしてしまったら、次の日の弁当、上の段も下の段も白いごはんだけでした~~~。これから決して“太った”とか言いませんので、どうかおかずを入れてください~~~~」

いや、いいんですよ。そういう感じで(笑)。

親が神経質な弁当を作るということは、子供になんらかの気がかりな点があるけど、言葉をかけるのも難しく、なんとか「心配してる、ということが通じますように」と念じているということ。できればそういう状態にならないほうが幸せです。

というわけで、たかが弁当、されど弁当。私の本日は朝にして終了(笑)。

 


現代曲だっ! クラムジーク=Crumb×Musik

2013年10月25日 13時36分47秒 | その他音楽

一昨日の10月23日(水)、こんなコンサートに行ってきました。

チラシを以前チラッと見たことはあったのですが、「う?なんだ?」という感じでよく見ておらず(殴)、9月末に朗読とピアノのコラボのコンサートに伺って、その打ち上げにまぜていただいた際、その朗読のコンサートとこのよくわからない(失礼)チラシのコンサートの出演者が重なっていることに気づきました。というより、伊藤憲孝さんご本人よりご案内いただき、「これは行かねば」と思った次第です。

その後さらにFacebookで「あんなこともこんなこともやります。調律師さん号泣です」という話を伺い、「えっ、内部奏法あるんだ~。ふつうはちょっとだけ中の弦を触るようなものでも厳禁なのに」とびっくりして、友人を誘って行ってまいりました。

印象としましては、

<君はかつてこんなショッキングな光景を見たことがあるか?鍵盤を使わないピアノ奏法をどれだけ知っているだろうか?>

とチラシに大書きしたかったような内容でした。

以下プログラム

**********************************

M.フェルドマン:2台ピアノのための2つの小品

M.フェルドマン:インターミッション6

L.バーンスタイン:2台のピアノのための音楽

S.ライヒ:ピアノ・フェーズ

(休憩)

G.クラム:マクロコスモス第1巻より<無限の魔術円><夢の偶像>

G.クラム:マクロコスモス第4巻より<天体力学>

 

ピアノ:山根浩志、伊藤憲孝、吉川絢子

**********************************

前半は2台ピアノ、後半のマクロコスモス第1巻の方がソロ、第4巻のほうが1台4手。

そしてアンコールが2台の即興で、内部奏法あり。

私は現代曲に抵抗はないですけど、全然詳しくはないので、いったいなにがどうなっているのか理解するにはほど遠い聴衆。

なので、ちょっと伊藤さんのブログから失敬して・・・

<10/23の7時からエリザベト音楽大学ザビエルホールにて、アメリカの現代作品を集めたコンサートをします。
20世紀、ヨーロッパの主流となっていた無調やセリーへの疑問から、アメリカでは新な潮流が生まれてくるんですよね。
今回はフェルドマンの美しく沈黙に満ちた作品から始まり、バーンスタインのジャジーなピアノ曲、そしてトランス状態へと誘ってくれるミニマルミュージックの傑作であるライヒのピアノフェーズで前半のハイライトを迎えます。
後半は全てジョージ・クラム。まずら円形に描かれた楽譜が美しいピアノソロをお聴き頂き、メインには演奏時間30分もの大作となる連弾曲「天体力学」を演奏します。
こちらは、薄くマイクロフォンで音を増幅させ、そして内部奏法をはじめ特殊奏法てんこ盛りの作品。きっと皆さんが今まで耳にしたことのない音響をプレゼント出きると思っています!>

・・・・・・はい、そういうことでございます。

予習できたのは、唯一後半のマクロコスモス第1巻くらいで、あとはもうなにをされるか、じゃない、なにを聴かされるかわからない・・・・、というお化け屋敷入り直前モード。たしかに照明も落として若干お化け屋敷感がないわけでもなく、そこに「ちゃりん・・・ちゃりりりん・・・」みたいな不思議な響きがするのはかなり非日常的でした。ライヒなんか、同じ音型の延々の繰り返しをどうやってカウントしているのか、それも不思議。

休憩のとき、楽譜を眺めてみたのですが、円形あり十字架あり、・・・美術ですね、これは(笑)。G.クラムのソロ曲は、動画の印象よりライブの方がはるかに魅力的で美しい曲でした。

G.クラムの連弾、ヘンタイ力学、でなくて「天体力学」。ピアノのいわゆる「普通の音」がほとんどしない(汗)。1曲目はホールど真ん中で聴いていたのですが、いったいなにをどうしたらあんな音がでるのかわけわからず(というか見えず)、2曲目が始まる直前に最前列の左側に移動。

演奏者おふたりとも、椅子なんかすわるヒマもなく、中腰であんなこともこんなことも。練習の際には腰を痛め、指から血を流し・・という惨事だったそうですが、それも納得。ああ、スタインウェイさまが叩かれたり、なにか挟まれたり、突っ込まれたり・・・・。

私も友人も大興奮(笑)。演奏者の組み合わせもいいんですが、オトコの子(・・じゃない大の男です)ふたりが、もう楽しくてたまらないと夢中になって演奏してる興奮がビンビン伝わってきて、こちらもたまらない(笑)。

いやあ、いいもの見せて(聴かせて)いただきました。休憩時、楽譜について個人的に説明してくださったかたが、やはり最前列におられ「すばらしかったですよねえ~」と私たちに声をかけてくださり、なにかを共有したうれしさに満ち満ちました(笑)。


楽しい演奏会、どうもありがとうございました!!!

 

 


レッスン

2013年10月21日 17時10分13秒 | ピアノ

ここのところ、ずっとなにやらときめいてまして、いったい自分は何にときめいているんだろう、青春再びかっ・・と色めき立っていたのですが、どうやらこのせい・・・・血圧の高さと心拍数の多さ。

走ったりしてドキドキした状態で異性に会ったりすると、別に恋愛感情もってなくても、そうなんじゃないかと勘違いしてしまうことがある、とかいうのをきいたことありますけど、何もしてないのに、心拍数90以上なんてシャレにもならんです(汗)。

まあそれはともかくとして、今日はレッスンでした。ただでさえ高めの血圧がさらに上がりそうなベートーヴェンソナタ2曲。しかも5番と23番「熱情」。

本番は来月末で、まだ全然弾きこんでないのですが、そんなこと言ってたら、絶対に仕上がらないので、知人に聴講のお声かけし(しかも5人も)、先週3日間ほど固めてなんとか練習しました。

だいたい1回のレッスンで、ベートーヴェンのソナタ全楽章を2曲って・・・・

しかも13日に師匠が本番で弾いたばかりの5番と、師匠お得意の23番を持っていくって(汗)。

・・・・・・鉄は熱いうちに盗み取れ(違)。

はい、もう勉強になりました~。

「熱情」はですね、大学生のときに遊びで譜読みくらいはやったかもしれないのですが、10年前、5年前、いちおう習うには習ったとしても、ほぼ独習に近いです。5年前に松本氏に1回みていただいたことありますけど、1時間かけて第1楽章の冒頭4小節だけを弾かされ、最後に「・・・考え方変えた方がいいよ」で終わりました(汗)。

そこの考え方はさすがに少しは変わったのですが、「ド素人の遊びで音並べて喜んでいるだけ」の時代に我流で弾いたものがベースになっているのを、ここ数日痛感してまして、フレーズ感とか「今はそうは思ってないのに、そう弾いてしまってる」というのに嫌気がさしてました。・・・・やっぱり指摘されましたけど(笑)。

今日は、熱情は第1楽章だけで終わりましたけど、は~まだ第2、第3もある(泣)。

がんばろ~


この週末のコンサートふたつ

2013年10月21日 16時28分34秒 | ピアノ

ピアノ関係固め打ちの3日間が終わりました。

週末の19日(土)は、東広島の教会で松本和将氏のリサイタルがあり、その6日前のベートーヴェンチクルスとは1曲も重なっていない、という信じらないプログラム。

こんな感じ

***********************************

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第8番変ホ短調
モーツァルト:ピアノソナタハ長調K.330
ドビュッシー:月の光
ショパン:英雄ポロネーズ...

休憩

ブラームス:3つの間奏曲Op.117
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第3番嬰ハ長調
ラフマニノフ=コチシュ:ヴォカリーズ
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第5番ニ長調
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第21番変ロ長調
ショスタコーヴィッチ:24のプレリュードとフーガOp.87 より第24番ニ短調

(アンコール)
ブラームス: Op.118-2

************************************

いちおうバッハ平均律やショスタコの24のプレリュードとフーガを予習してからいったわけで、弾く方が一番大変なのは当たり前ですけど、こちらも素手で行ったわけではなく(笑)。

リハーサルも終わりのほうは聴かせていただいて、教会という響きの特殊な空間で、お客さんの入った本番とどう変わるのかということを体験いたしました。来月は私のお世話するコンサート(これも会場は教会)があるので、生かせるといいんですが。

教会の10周年記念ということで、クラシックやピアノ関係の方以外が大部分でしたが、後半の手加減のないプログラム(?)もよく聴いてくださっていたと思います。そうはいっても、「英雄ポロネーズ」のときの反応はやはり格別(笑)。

 

さて、翌日20日(日)は、午前中某コンクールを聴きに行き、午後からは、藤本宏平氏のサロンコンサートを聴きに楽器店まで聴きに出かけました。

プログラムは以下

******************************

バッハ:半音階幻想曲とフーガ

モーツァルト:ピアノソナタK576 ニ長調

西村 朗:オパール光のソナタ

シマノフスキー:マズルカ 作品50より1~4番

ショパン:舟歌

*****************************

藤本宏平氏というか、藤本君(笑)とは彼が音楽高校3年の頃に調律師さんがらみで知り合い、この春広島に帰ってこられてから、FBなどなどで、交流させていただいております。

くだんの調律師さんから「彼、なかなかマニアックだから仮装さんと話が合うと思うよ」と言われたことがあったのですが、それから8年を経て、こうして応援させていただいております。

私個人的には、西村朗さんとシマノフスキーの曲が、ストライクゾーンど真ん中(笑)。現代曲を楽しみにしているものが少なくともここにひとりはおりますので、今後もいろいろ弾いてください。

 

というわけで、今日の話につづく・・・・

 


恥ずかしながら戻ってまいりました

2013年10月18日 17時57分25秒 | 家族・友人等

うちに高校3年がいたり、高校生の子たちと交流があったりするので、進路について、また「はて、自分はどうして今こんなことになってしまっているのか??」ということについて、ふと考えてみたりします・・・・

私の場合、職業選択については正直失敗してますので、なにも参考になることはないんですね。自分でもいったいどうすればよかったのかわからないし、ある人に「なんでそんなことになってるんですか?」と問われたこともあります。

ふりかえれば・・・

子供の頃は、音楽関係に興味があったので、作曲家になりたいなあ・・とぼんやり思っておりました。

中学に入って、ふつうの勉強が面白くなったことと、あと「自分には音楽家ムリ」とある日突然悟り(笑)、中2になったとたんに、あっさりやめました。

中学から高校1年までは医学部以外の進路はまったく考えてなかったんですけど、

数学がやや苦手だったのと文学の毒を浴びたのとで、これまたあっさり高2で文系選択。

高校3年になり、夏休みの時点で、「この大学はムリ」とこれまた簡単に志望校を下げました。

大学入学のち、大学院進学も考えたのですが、親に反対されたのと、そこまでの情熱がなかったのとで、就職希望。

教員と公務員を迷って、公務員を受けるも失敗。当時は景気がよかったので、民間は受け易く、雑誌社と小売業を考え、夏休み中に内定をもらったデパートに決定。

その後はデパートの店員3年半、医学雑誌編集者を1年と少し、病院秘書1年と少し・・ということで、ちゃんと社員として世間でお仕事したのは6年程度ということです。

あきらめと都合に満ち満ちた経歴でありまして(笑)、およそ自分の子供とかよそのお子さんに「あきらめないで頑張れよ!」などと言えた義理ではございません。

高校時代はそもそも前向きでもなく、ほぼ鬱状態のまま終わった感じですし、大学時代はタガが外れてしまって、就職前に真人間に戻るだけで精一杯(汗)。

結局、自分は何になりたかったんだろう?とか何をやりたかったんだろう?という答えはいまだもって出てないんですね。50を前にしてもまだわかりません。

中学でピアノをやめたとき、いちおう「なんでやめるの?」とか「惜しい」といってくださる方もいるにはいたのですが、当時の中学の音楽教師がニヤっとして、「コイツは将来いつかまた音楽に戻ってくるから、ほっとけ」と言い放ち、あまりにもその態度が「お見通し」みたいな感じだったので、アタマにきて「絶対戻ってくるもんか」と心に誓ったのは忘れられません。

悔しいことに、その後すごすごと戻ってまいりまして、しかも趣味の範囲を逸脱したような状態に陥っております。・・・くそ~~っ!


娘のピアノ発表会

2013年10月14日 22時58分54秒 | 家族・友人等

最近では超珍しい、4日連続更新です。以前は連日更新していたのですが、今年に入ってからはとくに更新率が悪くなってまいりました。

さて、昨日の師匠のリサイタルに続き・・・というようなシロモノではありませんが、本日娘のピアノ発表会がありました。

2時開始だったのですが、娘はだいたい4時くらいと6時頃の出番・・という感じです。

私がこんなこと(?)をやってますので、「お子さん方もお上手なんでしょう?」とよくきかれるのですが、うちは息子も娘も「気の向いたときに練習する」ような状態で(汗)、コンクール等とはまったく無縁の習い事。人前で弾くのは基本的に年1回の発表会のみです。

ただ、私がこんなこと(笑)をやっている関係で、上手なお子さん方の演奏を聴く機会は異様に多く、でもだからといって奮起するでもなく、ひたすらマイペースでやっております。

なので、約2週間前はこんな状態(9月30日のFBより転載)。

娘のピアノの発表会まで2週間を切りました。ふだんまったく関与していないので、いったいどういうことになっているのか、練習中おそるおそるのぞき、
・・・・「なんじゃこりゃ、どこから手をつければ」とボー然、
・・・・思わず言いたい放題言ってしまい、かなりの抵抗に遭い、
・・・・そうだった、この人はこういうアプローチではだめなのだった、と出直し、
・・・・おだてとおどしを交互に使ってなんとか私ペースに持ち込み、
・・・・ついに、娘自身が「あれ、あと2週間ない。それまでにこれできるようになるかな」と心配そうにカレンダーをめくるまでに、心を入れ替えさせました。
こんな短い曲、頼むからちゃんとやってくれ(泣)。>

ソロ曲は、湯山昭「お菓子の世界」より“バウムクーヘン”

連弾曲は、私とのコンビで「ハリーポッター」より“ヘドウィグのテーマ”

例年、この時期だけはさすがに私も気になり、連日のぞくことになるのですが、それでも、本人はたいして自覚なく、親だけがバクバクするような状況。

さすがに今年はちょっとは大人になったのか、ここのところ、ピアノ室に一人でこもってメトロノームかけて繰り返し練習したり、靴はいてお辞儀からやったりしていたようです。・・・・・「ようです」というのは、私もいれてもらえないことが多々あったので。

そこは私も、無理に聴かせろとかそういうことはしないので、逆に「いったいどういうことになっているのだろうか・・・」とこれまた心配。だって去年は、繰り返し3回やって、「終われないんじゃなかろうか・・」とドキドキしましたから(汗)。

結果からいうと、今の彼女のレベルとしては本番はよく弾いてました。

お辞儀も、昨年までは、どこを向いてなにをやっているのかいまいち不明な感じでしたが、いろんな演奏を聴きにいって「あの子はお辞儀おかしかったねえ」とかなんとか親子で話す機会が多いため、ちょっとは気にするようになったものと見えます。昨年まではいくらうるさく直してもなおりませんでしたので、これは本人が自覚したのだと思います。

もちろん、教えてくださっている先生がほんとによくご指導くださっての結果だと思います。ただこれまでは本人に受け皿がなかったので、いくら先生や私にいろいろ言われても、どうも反応がかんばしくなかった・・・そういうことでしょう。

あとはまあ、技術は別として(これは基礎練習が嫌いで足りないのでまだまだです)、本人なりに表現したいことがはっきりしていて、それが聴いててわかりやすいことが取り柄といえば取り柄ですかね。

昨日昼にあったヴァイオリンのレッスンでは、スケール・三度・六度をずいぶんしぼられ(これをたぶん半年以上は弾いてる・・汗)、いつどっちから爆発するのか・・・と私は生きた心地がしませんでしたが、まあそれも以前のように娘が途中でキレて中断、という事態にならなくなっただけマシというもんです。

・・・・・ちょっとだけ「やれやれ」とほっとした、昨日今日でありました。


松本和将ピアノリサイタル ベートーヴェンピアノソナタ全曲シリーズ Part2

2013年10月14日 01時27分09秒 | コンサート(企画、協力、出演 含む)

さて日付の変わったところで、10月13日(日)「松本和将ピアノリサイタル ベートーヴェンピアノソナタ全曲シリーズ Part2」の感想。

前回6月の「1、2、3、6番」に続いて、今回は「4、5、7、8番」。演奏順は「5、4、7、8番」。

昨年までは私、広島開催の氏のほとんどのコンサートにおいて主催側におりまして、リハーサルも本番も客席で聴けることはほぼなかったのですが、

今年になってライフワンさんが、この「ベートーヴェンソナタ連続演奏会」「まつきとわたるとはなこのトリオ」を主催してくださることになり、おかげさまで、じっくり聴かせていただくことができるようになりました。

氏のコンサートスケジュール等を知っている身としましては、「この過密スケジュールでいったい大丈夫なんだろうか?」とたまにはドキドキしないわけでもないですが、そこはまあプロの仕事を信頼するということで(笑)。

前日のリハーサルにも立ち会いましたので、同じ会場におけるお客さんが入ったときとそうでないときの音響の違い、演奏そのものの違いなども興味深く、勉強になりました。

私自身が、ベートーヴェンの初期のソナタがわりに好きで、1番、2番、5番、6番と弾いてきているのですが、今日聴いて思ったこと、「難しいことは抜きにして、やはりこのあたりの作品は“楽しい”」。

今日のプログラムのなかでは、5番、8番は自分で弾いたことがあり、7番はよく高校生や大学生が弾かれるので全楽章通しで聴くこともまれにあるのですが、4番はなかなか全楽章聴くことがないんですね。そもそも先入観として「なんだか長い」という感じ。

たしかに長いし、ビシッと構成が決まっているわけでもないような気がしますが、これまでの私のなかのランキングからはちょっと上昇いたしました(笑)。

7番(ニ長調)は別として、5番と8番がハ短調で♭3つ、4番が変ホ長調で♭3つの調なわけですが、この変ホ長調の響きがなかなかいいんです。それが作曲者ゆえなのか、プログラムのせいなのか、演奏者の個性なのかわかりませんが。

ベートーヴェンのピアノソナタというとピアノ弾きにとってはバイブルという位置づけで、「おいそれと安易なアプローチはならぬ」という暗黙の掟があるような気がしますし、過去の教養主義も手伝って「聴くときは正座」みたいな厳粛な感じも否めません。

たしかにそういう面があるとは思うのですが、今回松本氏の演奏を聴いていて感じたことは「あたたかい」。ハ短調の5番8番においてさえも「あたたかい」。そしてどこか人間臭い。博物館かどこかに展示されているようなベートーヴェンではない。

会場にいらしていた先生のおひとりと立ち話をしたのですが、「生徒がどうもベートーヴェンが苦手で、遅々として進まない。松本先生の演奏を聴いたら好きになってくれるかと思って連れてきたんですよ」とおっしゃってました。

そういう生徒さんにこそ聴いていただきたいし、「楽しいじゃん、ベートーヴェン」と思っていただけたら・・・・と勝手に思った次第であります。

・・・・・というわけで、まだ第2回。残り6回ありますので、次回からでもぜひお出かけくださいませ。


演奏会ラッシュ

2013年10月13日 23時29分48秒 | その他音楽

10月に入って演奏会ラッシュです。

今月すでに、10月5日(土)クレイジー・クラシックス、10月8日(火)エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス、そして、今日13日(日)が松本和将リサイタル。

ちゃんとレビューを書く時間がなかなかないのですが、このままだと、記録なしになってしまいそうなので、直後の感想を自分のFBから転載。

<10月5日  クレイジークラシックス、行ってきました~!
1曲目(パガニーニの主題によるバリエーション)真面目な演奏。おおお~っというウマさで、今日はもうこれだけでもいいや、と思うくらい。
前半のショートコント(?)で爆笑死。
後半「ウエスト・サイズ・ストーリー」、気持ち悪さも加わって(笑)、ボリュームあり。
娘はなぜか、「そこ笑う?なんで?」というとこまで笑いっぱなし。>

※クレイジー・クラシックスを説明するのはとても難しいので、よろしければこちら他の動画をご覧ください。

<10月8日  エル・システマ・ユース・オブ・カラカス行ってきました。
「ヴェルディ:運命の力」「グリーグ:ピアノコンチェルト」「チャイコフスキー:シンフォニー5番」
何年か前に行ったシモンボリバルユースのときもそうだったけど、とにかく人数がすごい。コントラバス15台。ほぼ地鳴り状態でした。・・・・たぶん総勢で100超えてるのでは?(追記:150~160名だったそうです)
娘と一緒に連れていったお友だち、「あんなに(ステージに楽器が)いっぱいでピアノどこに入るの?」と心配そう。
グリーグでは、もちろんオケの人数減りましたけど、それでもコントラバス8台。
萩原さんのピアノ、pp、ppp?いやpppp??まできれいに通る美しい音色でした。アンコールのグノー「アヴェ・マリア」。・・・オケの人で泣いてる人もいました。
後半、チャイコフスキー5番。あの人数でやるんですからもう大迫力。しかも終楽章後半、相当な速度。でも、崩壊しないんですよ、これが。あの狭いぎゅうぎゅうのスペースで、弦楽器全弓で弾きまくり。誰かの目をついたりしないだろうか・・と心配になるほど。
・・・・暗転してるうちにジャンパーを着て・・・・
アンコール、「セキーニャ:ティコティコ」と「バーンスタイン:マンボ」。これはもうお得意ですから(笑)。盛り上がりましたねえ~。しかも最後は着ていたジャンパーを客席に投げるというサービス。気が付けばうちの娘もゲットして大喜びしていたという。いや~、楽しかった!>

夏休みの一行日記みたいな感想で申し訳ありません。

 


あきらめないことが肝心

2013年10月12日 02時03分25秒 | ピアノ

先日、生協の配達員さんが、玄関近くのドアの貼り紙(チラシ)に気づいて言いました。

「仮装さんって、ピアノの先生かなんかですか?」

「先生というようなもんじゃないんですけど、時々弾いたりはしてます」

「そうなんですか~♪ うちの娘、音楽教室通ってピアノ習いよるんですけど、今、<エリーゼのために>弾いとるみたいです」

「あれは難しいですよね。お嬢さん、がんばってらっしゃるんですね」

・・・・・わかるわかる、お父さん、うれしいですよね。娘が<エリーゼのために>練習中。もしもピアノが弾けたなら、弾きたい曲№1の曲、コンサートのアンコールで弾かれようもんなら、大拍手のエリーゼ。

親しみやすい良い曲なのに加えて、作ったのはあのベートーヴェン。「もしもピアノが弾けたなら」でなくても、<ピアノを弾く>というイメージはこういうところにあるのかな・・と時々思います。

私にしても、主人が「妻がピアノを弾く」などということをうっかり世間で口にしようものなら、「まあ、優雅で素敵な趣味をお持ちなんですね!」という反応が間違いなく返ってくるようです。

その「優雅で素敵なご趣味」の奥様は、朝っぱらから、血管キレそうな曲弾いてました(笑)。

 

ここからは「自分比」での話ですので、読み流していただければ、と思います・・・・

今また「熱情」弾いてるわけですけど、10年前に「キーッ」となってどうにも弾けなかったところが、今になってみると「なぜ弾けなかったのだろう」と不思議だったりするわけです。今となっては「弾けない、弾けない」と大騒ぎしていたことそのものがとても恥ずかしい。というより、そんな技術もなかったのに弾けた気になっていたというか弾こうと思ったことそのものが黒歴史に感じられます。当時教えてくださっていた先生は「これだから素人は・・・」と心の中で苦笑いされていたかもしれない(汗)。

今だって、およそ、ちゃんと人前で弾けるレベルとは思いませんけど、全楽章1回通して弾いただけでシンでいたころよりは、「ピアノ体力」はついてきたようにも思います。39歳→49歳で、体力そのものが向上するわけはないので、ヘンに力が入って自爆することを避けることができるようになってきた、というべきかもしれません。

以前もここに書いたことがあるように思うのですが、90歳くらいでピアノを始めて100歳でも人前弾かれ、しかもやはり「10年間」の進歩は顕著である・・・という方がおられるんですね。人間あきらめないことが肝心(笑)。

もちろん暗譜については私の場合、45歳過ぎくらいからほんとに厳しくなってきまして、非常に難儀してますけど、それでもまあ時間かければ、9分程度の現代曲ならなんとか覚えられないでもない。・・・そのかわり、すぐ忘れますけど(汗)。

35歳で再開して以来、みていただいた複数の先生に「なんでそんな難しい曲を弾こうとするの?」とか、「趣味なんだからそんなに一生懸命弾くことないんじゃない?」とか、「解釈は自由ですけど、間違ったことはいけません」とか、ほかにも世間さまからもいろいろなお言葉を頂戴したように思いますが(笑)、そのときなにを言われても、わからんことはわかりませんからね。時間がたって「・・・ああ、そういうことだったのか」とアナを掘りたい気持ちになったときが、成長のタイミングかと。

 もっとも、出発点というか再開の動機が「巧くなりたい」とか「自分の演奏を聴いてほしい」ということではなく、「将来、子供の伴奏のひとつもできるように」「よりよく聴ける人間になるために自分でも弾いてみる」ということでしたので、生徒というか学習者としては態度悪かったかもしれません・・・(汗)。

・・・・・というわけで、優雅な奥様は、うなりながら汗だくです。