ふと、一年にいったい何回くらいピアノの演奏会(コンクール・発表会を含む)に足を運び、いったい何曲くらい聴いているんだろうか、と考えました。・・・・いや、やっぱり考えないことにしました(笑)。考えるだけでおそろしい。指導者でも審査員でもないのに、身分不相応な(?)回数と曲数に上ることは想像に難くありません。
まあ、ふつうは「うまかった」とか「すごかった」とか、「将来が楽しみだ」とか「感動した」とかいうおおまかな感想でだいたいおさまるんですけど(笑)、たまーに、これはどうしたことか・・というくらいドードー泣きになって、うちに帰り着くくらいまでいかんともしがたいことがあります。
別に、涙もろいというほどでもないですし、好きな曲聴いたらいつでも泣ける、というタチでもありません。もちろん「さあ、今日は泣くぞ」とかまえて行くわけでもない。不意打ちです。
そういう演奏は全部覚えているのですけど(過去7年間)、
当時中1だったMちゃんのリスト
大学出て間もないころのMさんのシューベルト
アマチュア友人Fさんのモーツァルト
K先生のショパン
H先生のベートーヴェン
の5回。1つをのぞき、あとは無料の演奏会。演奏者はソロコンサートをしょっちゅうされるような方々ではないです。どれも有名曲で聴きなれた曲であり、かつ私のほうのメンタリティーが弱っていたとかなにか思い入れのある曲だったとか・・そういうわけでもない。
ときどき、「なんだったんだろうなあ、あれは・・」と思うわけです。作曲家も全部違うし、演奏のタイプも全員違う。
共通することは、非常に「正直な演奏」だったということかな、と思います。先生がたに「正直」というのもなにか失礼な感じなのですが、「作為のない、無垢な演奏であった」ということでしょうか。
「なにも狙ってない」「ただただ曲に向き合う」というところから発された、「まっすぐな音」におそらく射抜かれたんだと思います。
音ですね、やはり・・・。今思い出してもそれぞれを再現できるくらい印象に残っている音です。私にとって、すばらしい財産です。
そしてそういう「奇跡の演奏」が自分にもいつかできたらいいな、と願っています。