珍しい演奏会に行って参りました。
なんと、篳篥(ひちりき)と三味線と箏とピアノの演奏会!
一月ほど前たまたま楽器店でチラシを目にし、「なんと珍しい組み合わせ」と思ってよくよく眺めてみたら、ピアニストは知り合いの方(笑)。即メールしてチケットの取り置きをお願いしました。
出演者は全員20代。東京芸大で一緒だった友人同士だそうです(みなさん広島在住)。
プログラムは以下でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Group-4-「古典(クラシック)音楽を求めて -1-」
1)フーガの技法より Contrapunctus-1-BWV1080 J.S.バッハ・・・・ピアノ
2)朝倉音取(神楽歌)・・・・篳篥
3)「秋風の曲」より組歌(光崎検校)・・・・箏
4)雨の樹 素描(武満徹)・・・・ピアノ
5)更衣(催馬楽)・・・・歌謡&笙
6)合方 :長唄「都風流」より<虫の合方>(吉住慈恭・稀音家浄観)、長唄「勧進帳」より<滝流しの合方>(四世杵屋六三郎)・・・・・長唄三味線
♪♪休憩♪♪♪
〇出演者(&司会者)によるトーク
〇箏、長唄三味線、篳篥、笙、ピアノのための「彩」(委嘱初演 作曲:松本憲治)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
場所は区民センターのスタジオでしたので、客席は150くらい。それがぎっしり満席。
だいたい演奏会に行きますと、ピアノがらみだと知り合いだらけ、弦やオーケストラだとちらほら知り合い・・という感じなのですけど、今回、出演者以外まったく知り合いはいませんでした(笑)。
出演者が全員20代にもかかわらず、お客様の年齢は高め、近くの席からは「高齢者が多いんだから、もっとプログラムの字を大きくしてくれなきゃ、読めないわ~(笑)」という声もきこえました。
司会の方(構成・作曲)が、最初に話をされ、あとはそれぞれの演奏の時に、スクリーンに解説が映し出される、という形で進行しました。
衣装は、前半、ピアニストはグリーンのドレス、篳篥と笙は雅楽の装束、三味線と箏は黒い着物、後半はそれぞれが私服というか少しラフな服でした。
感想・・・・ひちりき、ナイス!
みなさんそれぞれすごいなあと思ったのですが(技術の高さは、よく知らない楽器でも伝わってきました)、篳篥はなんといいますか、音がどこかから湧いてきてどこか別の世界へ連れていかれるという、ほんと不思議な感覚。私服に着替えた姿は、体格のいい若いお兄ちゃんだったのですけど、雅楽装束での姿はオーラ全開でした。
進行もよく工夫されていて、聴きやすかったように思います。
「フーガの技法」のバッハのかっちりした音楽のあと、音そのものの確かさを引き継いだ篳篥が、拍節のない曲の姿と間を自在に表現。そのあと、自在なところを受けついだかのような箏にのせて、楊貴妃を題材にした白楽天の「長恨歌」が弾き語られる。「鴛鴦の瓦は 霜の花匂ふらじ 翡翠の衾 ひとり着て などか夢を結ばむ」と切々と語られたところで、「雨の素描」のたゆたう透明な音が奏でられる・・・・・といった感じで、「異なった楽器を無理やりジョイントさせてみました」みたいなところはありませんでした。
途中のトークで、ピアニストのMさんが「ピアノと箏・三味線は実は似ているところもあって・・」とおっしゃってました。音が減衰する楽器であるという点ですね。日本にはそういわれてみれば、弓で弾く楽器はほぼないのかな・・・と思いました。
もともと音楽というのは時間の芸術で、片っ端から消えていくものである上、あらためて私自身を振り返ると、これまでやった楽器はピアノと箏とチェンバロという、弾いた瞬間に音が過去のものになってしまう楽器ばかりなんですね(汗)。・・・・どれだけ刹那的ではかない人間であろう(逃)。
最後に全員による、委嘱作品(初演)の演奏がありましたが、面白かったですね~。
司会をされていた作曲者の方が「これは実験的でも前衛的な曲でもなく、空間に5人の奏者の音を満たして楽しむという趣向です」みたいなことをおっしゃっていましたが、そういう意味でとても成功していて、聴くほうはおおいに楽しめました。
このコンサートは4回シリーズで、次回は11月27日(土)だそうです。(広島市西区民センター・スタジオ 18:30)
次回も期待しております。
なんと、篳篥(ひちりき)と三味線と箏とピアノの演奏会!
一月ほど前たまたま楽器店でチラシを目にし、「なんと珍しい組み合わせ」と思ってよくよく眺めてみたら、ピアニストは知り合いの方(笑)。即メールしてチケットの取り置きをお願いしました。
出演者は全員20代。東京芸大で一緒だった友人同士だそうです(みなさん広島在住)。
プログラムは以下でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Group-4-「古典(クラシック)音楽を求めて -1-」
1)フーガの技法より Contrapunctus-1-BWV1080 J.S.バッハ・・・・ピアノ
2)朝倉音取(神楽歌)・・・・篳篥
3)「秋風の曲」より組歌(光崎検校)・・・・箏
4)雨の樹 素描(武満徹)・・・・ピアノ
5)更衣(催馬楽)・・・・歌謡&笙
6)合方 :長唄「都風流」より<虫の合方>(吉住慈恭・稀音家浄観)、長唄「勧進帳」より<滝流しの合方>(四世杵屋六三郎)・・・・・長唄三味線
♪♪休憩♪♪♪
〇出演者(&司会者)によるトーク
〇箏、長唄三味線、篳篥、笙、ピアノのための「彩」(委嘱初演 作曲:松本憲治)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
場所は区民センターのスタジオでしたので、客席は150くらい。それがぎっしり満席。
だいたい演奏会に行きますと、ピアノがらみだと知り合いだらけ、弦やオーケストラだとちらほら知り合い・・という感じなのですけど、今回、出演者以外まったく知り合いはいませんでした(笑)。
出演者が全員20代にもかかわらず、お客様の年齢は高め、近くの席からは「高齢者が多いんだから、もっとプログラムの字を大きくしてくれなきゃ、読めないわ~(笑)」という声もきこえました。
司会の方(構成・作曲)が、最初に話をされ、あとはそれぞれの演奏の時に、スクリーンに解説が映し出される、という形で進行しました。
衣装は、前半、ピアニストはグリーンのドレス、篳篥と笙は雅楽の装束、三味線と箏は黒い着物、後半はそれぞれが私服というか少しラフな服でした。
感想・・・・ひちりき、ナイス!
みなさんそれぞれすごいなあと思ったのですが(技術の高さは、よく知らない楽器でも伝わってきました)、篳篥はなんといいますか、音がどこかから湧いてきてどこか別の世界へ連れていかれるという、ほんと不思議な感覚。私服に着替えた姿は、体格のいい若いお兄ちゃんだったのですけど、雅楽装束での姿はオーラ全開でした。
進行もよく工夫されていて、聴きやすかったように思います。
「フーガの技法」のバッハのかっちりした音楽のあと、音そのものの確かさを引き継いだ篳篥が、拍節のない曲の姿と間を自在に表現。そのあと、自在なところを受けついだかのような箏にのせて、楊貴妃を題材にした白楽天の「長恨歌」が弾き語られる。「鴛鴦の瓦は 霜の花匂ふらじ 翡翠の衾 ひとり着て などか夢を結ばむ」と切々と語られたところで、「雨の素描」のたゆたう透明な音が奏でられる・・・・・といった感じで、「異なった楽器を無理やりジョイントさせてみました」みたいなところはありませんでした。
途中のトークで、ピアニストのMさんが「ピアノと箏・三味線は実は似ているところもあって・・」とおっしゃってました。音が減衰する楽器であるという点ですね。日本にはそういわれてみれば、弓で弾く楽器はほぼないのかな・・・と思いました。
もともと音楽というのは時間の芸術で、片っ端から消えていくものである上、あらためて私自身を振り返ると、これまでやった楽器はピアノと箏とチェンバロという、弾いた瞬間に音が過去のものになってしまう楽器ばかりなんですね(汗)。・・・・どれだけ刹那的ではかない人間であろう(逃)。
最後に全員による、委嘱作品(初演)の演奏がありましたが、面白かったですね~。
司会をされていた作曲者の方が「これは実験的でも前衛的な曲でもなく、空間に5人の奏者の音を満たして楽しむという趣向です」みたいなことをおっしゃっていましたが、そういう意味でとても成功していて、聴くほうはおおいに楽しめました。
このコンサートは4回シリーズで、次回は11月27日(土)だそうです。(広島市西区民センター・スタジオ 18:30)
次回も期待しております。