~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

見慣れない雑誌を買って

2006年08月31日 22時14分17秒 | ピアノ
「プレジデント Family」という雑誌を買った。
<President>というと、おじさま方の読む経済雑誌だと思っていたので
私は、ここのところそれ系のところを探していたのだが、
どうもそれらしい雑誌はなく、
うろうろしていてやっとみつけた場所は「育児コーナー」(爆)。
見回すと、「日経 キッズ」「AERA キッズ」など、同じくご本体のイメージとは、ちょっとミスマッチな雑誌が他にも並んでいた。

がしかし、表紙に並ぶ活字はなかなかだ。
「大学を出なくても一流企業で活躍できる道」
「お金に困らない子の育て方」
「嫁にいける娘、いけない娘」

ページをめくると
「T洋E和女子大 vs T田塾女子大
稼ぐ夫を掴まえられるのはどちらか」
 
などなどやはりこれは<経済誌>なのだと痛感した(笑)。

ところでこの雑誌を買ったのは、なにも「稼ぐ夫を掴まえられる娘に育てたい」とか、
「お金にこまらない息子にしたい」とかいう下心があったわけではない。

私が2年前にファンになった、小5のピアニスト愛ちゃん(このブログでもたびたび書かせていただいているのでフルネームは省略)の特集が掲載されていたからだ。

愛ちゃんはお隣の県に在住だが、月に2回ほど一人飛行機で上京し、
そのまま先生宅に泊り込んでレッスンを受ける。
レッスンはピアノにとどまらず、食事作法や言葉遣い等生活全般に及ぶ。
「レベルが高くなればなるほどピアノにはその人の人格的なものが出る」という先生のお考えに基づくものだという。
カーネギーホールなどでもすでに弾いている彼女、練習時間はさぞや・・と思うが、なんと自宅での練習時間は平均一日15分らしい。
(そういえば2年前、彼女のお母さんとお話したとき「ほんとに練習しなくてしなくて・・」と言っておられたのだが、どうやらほんとのことのようだ)
でも記事によると、譜読みが終わった時点で暗譜は完成しているというし、
年長さんの一年間だけで、算数は公文の高校レベルの課程に至ったというから、
やはり天才であることは間違いないだろう。
それと、「人に聴いてもらうことが好きでたまらない」ということなので、
聴衆がいないとやる気が起きないのかもしれない。
普通は人前で楽しく弾くために死ぬほど練習せねばならないのだが、
そこが凡人とはちょっと違うようだ。
ご家族の写真も出ていたが、とにかくご両親は「あの子が<自分は特別だ>と思うことが心配だ」そうで、
「ピアノのレッスンがあるから、そんなことするヒマがない」などと言い訳しようものなら、お父様は激怒されるという。
また指の怪我なども「するときはするものですから」と、ボール遊びなども普通にさせているという。
コンチェルトの依頼などもたくさんあるようなので、怪我とか体調には親はどうしても過敏になってしまうと思うのだが、
そのあたり、ほんとに立派なご両親だと思う。(ちなみにお父さんは<クラシックなんて聴いたこともなかった>という方らしい)

さて来月17日には、この愛ちゃんの演奏が聴ける。
しかもベートーベンの「悲愴」。ほんとに楽しみだ。

1809、1810、1810生の3人

2006年08月30日 12時36分09秒 | ピアノ
ひさしぶりにシューマンから離れて、いろいろ少しずつ弾いてみているのだが、
いかにあの曲がこんがらがったややこしい曲だったかがわかる。

本選でいただいたコメントのなかに「指がよく動く方ですね・・。もう少し音に追われ続けずにすむような曲を弾かれたら・・」みたいなものがあったのだが、
今の私がもし審査員だったら、まったく同じことを書く(爆)。
構成についてもいまひとつ必然性が感じられないところもあるし、
音の多さにしても「この音って絶対必要?」と考えるとそうでもないところもある。
「プレスト・パショナート」には、最後の方に弾きにくくてたまらないところがあり、それはたぶん演奏時間の関係上弾かずに済むはず・・・だったのだが、
どういうわけか本選ではそこまで弾くことになってしまい、しかたなく適当に音を抜いて弾いた(殴)。たぶん聴いている方には気付かれなかったと思う。

ところでシューマンと非常にかかわりの深いメンデルスゾーンを弾くと、これと反対の感想が湧いてしまう。
聴いていると大変美しいし、流麗で天才だなあ・・と思うのだが、
弾くと「この普通の音階と普通の和音なんとかならんか・・」と延々続くノーマルな音型に物足りなさを感じることがある。なんか足したくなる。
弾くとほんとにそう思うのだが、聴くとそうでもない。
・・これって実はものすごいことなのではないだろうか?
少なくとも「弾くとものすごいのに、聴くとそうでもない」よりはすごいことのような気がする。

シューマンを弾いたあとで、ショパンを弾くとこれまた驚く。
ムダがいっさいない。完成されすぎていて怖い。
楽曲が完璧だということは演奏者の妥協もいっさい許されないということだ。(かつて吉田秀和氏もそういったことを書かれていた)
ショパンは旋律自体が親しみやすいがゆえに、このあたりが難しいところなのだが、本人も結構そういう人物だったのではないだろうか?
社交界ではおしゃれでユーモアあふれるショパンは大人気だったというが、
音楽上では、彼はおそらく誰かのマネをしようとも誰かの意志をつごうとも思わず、独立峰だったのだと思う。
私などは、もともとショパンが好きでたまらないという人間ではないだけに、
楽譜を見ると、研ぎ澄まされた感性と意志が恐ろしくなり、逃げ出したくなる。

なんだか、シューマンをくさしたような内容になってしまったが、
人の心の深い部分、整理しようのない次元にまで下りていって音楽をかいた
作曲家として、
私はたとえようもなく彼の音楽を愛しているし、これからも弾いていきたいと思っている。

「この夏は、シューマンの曲とともに過ごせて幸せだった」と涼しくなった今日、しみじみ思う。


家事のおともには・・

2006年08月29日 01時20分24秒 | その他音楽
あれだけ移動ばかりでイヤだと思っていたのに、
一日たったら、もううちにいるのにあきていた(爆)。
これから家事と子どものことに明け暮れるのかと思ったら「新幹線何時間でも乗ります」とまで思った(殴)。
ここ数日荷物を持ったまま、たまには子供まで抱えて、東京のあちこちの駅の階段を何百段上り下りしたのかわからないのに、
なぜか体重は増えており、ただ筋肉痛だけが残っていた。

ピアノはとりあえず弾いたけれど、どうも音が少なくて物足りなく(笑)
「ドン・ジョバンニ」のCD全幕を2回流した。
序曲の「ジャーン」で一瞬、子供が「オペラ座?」と反応するのがおかしい。
しかも序曲を無視して「オペラ座」を歌い出すと、なぜか「トッカータとフーガ ニ短調」になってたりするのもおかしい。
どれもまあ同じニ短調なので、許してやろう。
ニ短調といえば、「第九」もそうなので、こうやって並べてみると
劇的でかなり派手な始まりのものが多い気がする。

途中は結構これBGMになって、子供も無反応で過ごしてくれるのだが、
最後の方の「騎士長の亡霊が宴会に現れるところ」になると
「なに?この音楽?」ときいてくる。強烈だもんなあ。
とてもこの迫力を出せるものではないが、ピアノで弾けないものか・・・。
これはムーティ&ウィーンフィルの録音だが、やっぱりムーティの盛り上げ方にはしびれる。
弦楽器の、震え・あおり・粘りつくようなスケールの上下行はやはりこうでなくっちゃ・・と思う。
歌?歌もちゃんと聴いてます。このCDではサミュエル・ラミーはレポレロをやっているのだけれど、うちのLDのほうではラミーはドン・ジョバンニだ。どちらにしろ、好きな声。
ドン・ジョバンニとレポレロと騎士長という男3人(テノールがいないというところがまた渋い)の掛け合いは、緊迫感と迫力に満ち、このまま私も地獄へでもどこへでも連れていってくれ・・・という気になる。

ということで、なんだかんだいっても現実逃避な一日でした


おまけ

2006年08月27日 22時50分16秒 | 雑感
帰り、駅からタクシーに乗っていたら、3歳児が
「あたしムーミンのお歌、ピアノで弾いてない!!」(ていうか弾けないと思うが・・)
それをきいてた運転手さん
「私、ピアノ始めたんですよ。娘も教えてくれなくて自分でボチボチやってるんすけどね、和音が難しいんですわ。
でも学校で理屈っぽく先生が教えてくれて嫌になってたようなことが<ああ、こういうことか>とわかったりして楽しいですわ」

そういうお話こちらも楽しいですわ(笑)。
そういえば先日、うちの真下にお住まいの方が「ピアノ調律師協会」の封筒を抱えててびっくりしましたが、
世の中似た領域にお住まいの方って意外に身近にいらっしゃるもんなんですね。

なんか不思議。

帰路

2006年08月27日 16時50分56秒 | 雑感
結局午前中は、師匠の家に忘れものを取りに行ったり、喫茶店でジュースを飲んでいるうちに終わり、
時間的にとても遠出は無理になり、上京前に予定していたいくつかのコースのうち、後楽園に行くことにした。
ムーミンベーカリーとアンパンマンショーを見てほぼ時間、
そこから主人の入院先に駆け込んだらもう2時半すぎてて、
ほんの5分位いただけで新幹線に乗るために、品川に向かった。

8月12日から今日まで18時間以上母子で乗った新幹線、これでしばらくはお別れであってほしい。

余韻

2006年08月27日 08時32分36秒 | 雑感
朝から、ミシェル・ダルベルトのスーパーピアノレッスンの再放送を見た。
シューベルトの最後のソナタ。
先日も書いたように、今の私はとてもこういう晩年の作品に近付けないので、聴くのみだが、こういう作品は「音無き音」を聴く姿勢ができたら是非弾いてみたいと思っている。
昨日の師匠のお宅には、スタインウェイとベーゼンドルファーがある。
昨日弾いたメンバーはみな両方の弾き比べをさせられたが、だいたいは「ベーゼンのコントロールが難しい(鍵盤を重く感じる)」という感想だった。
ベーゼンにも個体差があるのでなんともいえないが、私にとってベーゼンはほんとに難しい。
「弾く」というより「響かせる」技術がないからだ。
たとえばスタカートをピアニシモでぽんと弾いても、ピアノの方から鳴り返してくる。オーケストラにおける楽器による時差ではないが、タッチによって音色や余韻が全然違う。
こういうコントロールができるようになったら、是非シューベルトをベーゼンドルファーで弾いてみたいと思う。
それ以前にこの楽器に慣れなければならない、というところがつらいところだが(笑)。


小イベント

2006年08月26日 21時35分02秒 | 雑感
昼ごろ少しだけ病院により、
昔のピアノの師匠宅へ(写真)。
今日はここで学生時代のサークルOGのプチコンサートがある。
プログラム自体は4曲だったが、うちの子を含めお子さん方も4人来られ、ゲスト10名に師匠ご夫妻というほどよい人数だった。
一通り弾くと、恒例の初見大会。

1.アイネ・クライネ・ナハトムジーク(2台8手)
2.ハンガリー舞曲第一番(2台8手)
3.「展覧会の絵」からプロムナード&キエフの大門(2台8手)
4.威風堂々(2台8手)
ハンガリーなんかめちゃくちゃ(爆)だったが、在学期間がずれているような若い方ともご一緒できて大変楽しかった。
ソロは遠慮された先生やその他メンバーも次々と入ってこられ、一気に親交が深まった。
結局、2~6時の間弾いたり食べたりしゃべったりで、その後歩いてホテルへ。
いつも利用してる所なのだが、なぜか最上階ワンランク上の部屋に変更されラッキー。
晩ご飯買うついでに、禁断のHMVに寄ってしまった。
シュナーベルのベートーベンソナタ全集CD10枚組
レヴァイン&メトの「魔笛」「トゥーランドット」のDVD(もちろんそれぞれ全幕)
しめて6500円。

記念すべき日?

2006年08月26日 00時04分21秒 | 雑感
(日付変わって)昨日午後からは子供たちを連れて、滞在先の近くの公園内にあるプラネタリウムに出かけた。
なんといってもテーマが「ムーミン谷のオーロラ」(爆)。
ムーミン好きと天文好きの二人の子供それぞれを同時に楽しませる絶好の機会だ。

ムーミンは後半上映だったが、これは変に専門がかってなく、ほんとに<ただのアニメ>上映だった(笑)ので、3歳児は大満足。もともとモランという魔物には目が無いのだが、今日の主要キャラクターだったので大興奮だった。

そして、前半の話の一つはすごいタイミングのもの。
「昨日夜、冥王星が太陽系から外されることになりました。」
たぶん太陽系8個になって初日のプラネタリウム解説だったはず。
なんとも記念すべき日だった。



これまた初体験

2006年08月25日 20時33分52秒 | 雑感
主人のオペは朝一だったので、7時半ごろ病院へ入った。
まもなく麻酔医から説明。
全身麻酔は、かけられる方は「二度と目覚めなかったら」という恐怖がないとはいえないだろうが、局所麻酔を二回受けた私としては、術中の雑談が耳に入ったり(「この前の医師会で・・」とか「センセ、いい糸使ってますね」とか)
「あれっ?・・ああこれ筋肉か・・」とリアクションされたりで、
身動きとれないままドキドキさせられるのもなんだかなあ、だ。

だいたいこういうことは内部事情に詳しければ詳しいほどロクでもないことを耳にするものだから、医療関係者であるほど、自分が患者になるのは心臓に悪いかもしれない。

さて、昨日いわれた通り、私一人、別室の大画面で手術見物をしたわけだが、
最初麻酔を打たれたとたん「コテッ」と半分あちらの世界に行ってしまった主人を見た時は、ちょっと「おっ」と思ったが、
あとの過程に関しては「血のにじむような工事」(実際使われてるのは工具?)を見ている感じで、特になんとも思わなかった。だいたい人の体の一部に対して「気持ち悪い」と反応するのも失礼な気がしないでもない。
まずは無事終了。


再び上京

2006年08月24日 21時39分03秒 | 雑感
明日、主人が整形外科系の手術を受けるので、再び上京した。
一週間程度の入院だが、いくらなんでもまったく顔を出さないわけにもいかないので、午後の新幹線で向かった。
病院に着いたのは19時過ぎ。ちょうどラッシュ時と重なり、満員電車に慣れない子供らは大変そうだった。
着いてしばらくすると、タイミングよく明日の手術についての説明があった。
患部のMRI、CTを示されたあと、手術の手順についての説明、さらにまったく同じ症例の方の手術ビデオ解説(それもまことに懇切丁寧な)、
いや恐れ入りました。
最近は説明義務が厳しくいわれるので、大変専門的なところまで患者に説明される。
以前、自分が帝王切開を受けた時は、さすがにこう思った。
「ここまできたらお任せしてるんだし、途中でお手伝いできるわけじゃないし、<ちごてまっせ!>と言えるわけでもないんだから、別に説明してくれなくても」(笑)。

明日のオペは控え室の大画面で様子が見られるようだ。
なかなか無い機会なので、是非見せていただきたいと思う。