~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

空気の休符

2006年04月30日 21時33分37秒 | 見る・読む
N響のコンマス、マロこと篠崎史紀氏の著書「ルフトパウゼ ウィーンの風に吹かれて」を一日で読み終えた。

以下、本文より引用。

<楽員全員が自分のタイミングで入ったように感じているのに、なぜか揃っているという状態に持っていけるのは、コンマスのハンドパワーのようなものである。
もちろん、このパワーには仕掛けがある。
それは呼吸と気であると言ってよい。楽譜には、音符に対してここで必ず息を吸うというタイミングがあり、全員の呼吸と気が揃わない限り、音は合わない。全員一致の呼吸と気がオーケストラをリードしていく。音の合図というより、むしろ奏者たちの呼吸と気を揃えるための合図を出すのがコンマス・ハンドパワーの源といえよう。>

<もちろん音の出だしだけに、こうした全員の意識が集中する呼吸の瞬間があると思えば間違いである。ご存知だろうか、たとえ譜面にはどこにも書き記されていなくとも、ほんの一瞬の「ため」のような呼吸のタイミングがあることを。ドイツ語では「ルフトパウゼ」(空気の休符)と言う。例を出すとするならば、クレッシェンドが高まった後にp(ピアノ)に切り替わる一瞬のタイミングに、風がふっと静まるような「ため」を感じることである。>

マロさま、たまりません。
「呼吸と気」はここのところ私の頭を占めていたことであり、
また「ルフトパウゼ」とは初めて知った言葉ですが、私この一瞬が好きでピアノを弾いてるとも言っても過言ではありません。

クレッシェンドのあとのピアノ、フォルテのあとのピアノ、その直前の「間」・・どうしてあの瞬時の「凪」はかくも心をとらえるのか。


みいらがひとーり、みいらがふたーり

2006年04月30日 09時29分51秒 | 雑感
昨日(29日)、午後2時くらいから数名の方をお招きしました。

どういうメンバーかというと私の所属するピアノサークルの数名。
内訳は、女性3名とお子さん1人、男性3名。
女性のうち2名は数年来のおつきあいで、住んでいるところもごく近いのですが、
考えてみれば女性のあと1名はこれまでお会いしたのは1回、男性2名は2回、男性1名にいたっては今日が初めて(!)ということなので、
ネット上のやりとりというのがいかに距離を縮めるかということ、良くも悪くも<出会い系>ということです(笑)。

1番乗りのH君はすぐ吸い込まれるようにピアノ室へ。
その間にこられたKさん(とそのお子さん)とコーヒー飲み飲み、
MAKSIMのライブのDVDなぞ見ながら(かなり強烈なもの。ピアノを弾く後ろでレースクイーンみたいなおねえちゃんたちがクネクネ踊っている)お話していましたら、
旧知のふたりが来訪。ひところはこのお二人ともしょっちゅうお会いしていたのに、ずいぶんひさしぶり。

ピアノ室から出てきたH君はそのうち、うちの物理好きの息子や(とある)アニメ好きの夫につかまり大人気。
その間女性3人はピアノ室へ。
そうこうしているところへ大阪出張のお土産を抱えたIさん登場。
Iさんがこられたので、もうお茶やってる場合でもないでしょう、ぼちぼちワインでもあけるか・・と用意したのですが、
女性3人はまだまだ弾いている様子。
「見てきましょう」といったH君も、みいらとりがみいらで吸い込まれたまま。
だいたいあのピアノ室は私ひとりでも、すぐ温度湿度があがり、あわや酸欠か?という状態になるというのに、4人も入ってみんな倒れてはいないか・・・
と私が様子見にいったところで「なにか弾いて」
・・・・・・・・・・・・5人目のみいら。

弾いていましたら、IMさんがお見えに。
私とは初対面、ほかの方とも「初めまして」が飛び交う。
キョーレツなベートーベン好きとお見受けしました。
いるんですねえ、こういう方が。ベートーベンのリクエストが出ましたけど、私、心とレパートリーの準備が・・・・次は用意しておきます。
ワインのおつまみに用意していたブルーチーズから、話題は「クサヤ」方面に。
Iさんのご郷里はクサヤが名産らしいので、クサヤパーティーを1回やりたいね・・・・
という<ご冗談を!>な提案も飛び出しました(笑)。

かくして、かつ弾きかつ飲みかつ歌い・・な午後が過ぎていき、
なんとなく夜に入り、女性陣3人はお帰りになり、
私も、一日中家の中に居てあきてしまった子供たちを散歩がてら夕食に連れて行き、
えっ。。。うちには男4人?うち3人はピアノ室?
ど、ど、どうなっているんでしょうか・・・みいらは何人に?


と夜10時もぐるっと回ったころ、そおっとドアを開けたら・・・・
4人、リビングで寿司つまみつつCD聴いて盛り上がってました!しかもグールド(爆)。
うちの主人も含めですが、みなさんお好きですなあ、音楽。


というわけで当初の目的どおり、<ゴールデンウィーク初日をだらだら音楽とともに過ごそう>
という一日が終わっていったのでした。

また、いつかやりましょう!





連弾は暑い季節に?

2006年04月28日 18時57分57秒 | ピアノ
さっと弾くだけで20分以上かかっていた五重奏が終わってしまったので、
ピアノの練習時間には少し余裕が出来てきた。
地味にシューマンをさらっているのだが、どうも燃焼系が足りない。
技術的にはどっちが難しいともいえないのだが、こう「臍下丹田」にぐっと力が入り、
足裏に低音のバイブレーションを(チェロが入るとなおさら)ビシビシと感じるブラームス節がもはや恋しい。

そうはいっても、まずは次の課題にとりかからねばならないので、
久しぶりにグリーグの連弾を合わせてきた。
ブラームスやシューマンを見ていたあとだと譜面自体がスカスカに感じ、
どうも気合がいまいちで(ソロでリストを練習している相方も同じような感じを受けるようだ)、一人での練習はちとだらけがち。
そうは言っても、個人的には頻発する細かいトリルや両手トリルと苦手箇所がたくさんあるので、やらねばならないことは実は多いのだが・・・・。

一回目、こけまくり。ごめん(笑)。
一人で弾くときは、自分の都合のいいポジションで音を出しやすい体勢をとるのだが、
二人だとそれが無理なことも多いのでこれから練習のなかで工夫していかなければならない。
この曲は音を並べるだけならそう複雑でもないし、難しいほうではないと思うのだが、
ダンパーペダルを交替で使用するし、ペダル二本をふたりで踏み分けたりといろんなことをしているので、
手の交差、脚の位置、こういったことに慣れつくしておかないといけないと思う。
並んで弾くというよりは、お互いからだの位置をずらしたり入れ替えたりするという感じで、
ただでさえこれから暑い季節なのに、大変なことになりそうです(笑)。

ともあれ、ひさびさの合わせはかなり楽しかった。
私自身の当面の課題は、すみずみまできちんと音を出すこと(どんな体の向きであれ)、音色の変化(オーケストラの楽器ごとの)をわかりやすくすること。
ふたりの課題は、テンポをもう少し細かく設定すること、強弱の変化の位置を細かく決めること、・・・といったところだろうか。

それと、なんといっても鼻息

はい、がんばりま~す!


目的はなんだったのか?

2006年04月27日 10時05分13秒 | 見る・読む
山形由美さんのフルート2本(500万円と700万円)がどうやら見つかったようだ。(ご本人未確認のため、まだ本物かどうかはわからない)

23日のお昼に東京駅のコインロッカーに預け、そのままなくなっていたのだという。報道によると、なんでも東京駅に預けられた一時間半後に川崎駅のコインロッカーに施錠しない状態で放置されていたらしい。不思議に思った管理会社が倉庫に保管していたのだが、昨日のワイドショー等を見「もしやこれでは?」と届け出たとか。

那須にお住まいの山形さんと中継がつながっていたが、
「まだ半信半疑なんです。でもずーっと1時間も眠れなかったのが、やっと昨夜は眠れました」と。
そこでつっこむ、私ごひいきの司会のO氏。
「いや~、よかったですねえ。ところで、私なんか車盗られてまだ出てこないんですが、もし出てきても誰が乗ったかわからんようなモン乗る気起きないなあ~なんていってるんですが。・・・・フルートってビミョーな楽器じゃないですか?そのあたりいかがですか?」
・・・・・・・・コラっ!おやじようも訊き難いことを・・・・・よくぞきいてくれた
「はい、そうですね。私が手にとってみて間違いなく私のものだとわかったら、楽器屋さんにメンテナンスに出します。フルートってちょっとした衝撃にも弱いのでそのあたりも心配なので」
・・・・・・・・おみごと。優等生なご回答
またまたO氏
「川崎駅で発見されるまで1時間半ということですので、まあ電車の移動の時間もありますし、たぶん触ったりとかするヒマはなかったと思われますよね。よかったですね~~」
・・・・・・・・まだいうか。

そりゃまあ、山形さんほどのご容姿ならば、純粋な音楽ファン以外のヨコシマなファンもたくさんおられるだろうから、たしかにどういう目的で盗ったのかは想像たくましくなってしまうところだろうけど。
かくいう私も・・・・ああ、パユのフルートになりたい・・・(殴・蹴)

それにしても総額1200万円もの楽器、どうしてコインロッカーなんかに?
持ち歩けない大きさではなさそうだが?
ピアノをはじめとする巨大な楽器をのぞき、演奏者というのは楽器のメンテナンスや移動も含めすべてが自己責任。
そういえば、かつてヨーヨーマ氏が、タクシーにチェロを忘れたという事件があった。名前をつけ、飛行機の座席もひとつキープするほどの愛する伴侶をなぜ?

ま、知り合いにもデパートにベビーカー(もちろん赤ちゃん入り)を置き忘れ、あわてて電話したという御仁がいるので
「人間いろんなことがある」ということで(笑)。


チャーシュー号

2006年04月26日 17時48分08秒 | 家族・友人等
午前中は学校で委員会。

脱靴所で声をかけられた。
「この前お電話したのは私です」(ま、まさかブログは読まれてないはずだが・・・・・
例の、<ソプラノでなめらか、学校関係のものとは思えなかった>電話の主だ)
見れば、2、3回お話もしたことのある方。そうはいっても1000人近い児童の在籍する小学校だ。
ただでさえ日頃「ああ顔は出てくるんだけど、名前が・・名前が」と姓名失認症進行中の私にとっては、これは難易度高。
失礼をわびるのも忘れ「ああ、この容姿雰囲気ともキャビンアテンダント風な方なら、あのようなアテンションプリーズな電話をいただいてもむべなるかな」と一人納得してしまった。

委員会を終え、買い物ついでに自転車屋によってみた。
「この3歳児になにかないですかね?」
「これなんか、どう?」と奥からごそごそ持ってきたのは、
12インチ補助輪付き。小さな前かご、後ろ座席アリ。
色はどうやらブルーのようだ・・・というのは全体に白く色落ちしていてよくわからなかったから。
「これね、ずっと店頭においてたもんで日焼けしてんだよね」
日焼けもですけど、キャラクターのブタなんかそれこそヘドロベロじゃないですか。
フレームとペダルはぴっかぴかの新品だが・・・。
私はかまわんのだが、問題はうちの子がこれに乗るのかどうか・・・
「このブタちゃん汚れてるよ」とか言いつつも「乗って帰ろうよ」とすっかりその気。
う~ん・・・・・では、こうしよう。4駅ほど先のショッピングセンターでの買い物を終えてもまだその気が残っているなら買うということで・・・

2時間後、結局、この自転車2000円で買いました。
帰ってからやったこと。
まずエタノールで汚れ落とし・・・・・ブタは黒ブタではなかった・・・
次に工作用の絵の具&ペンで彩色
仕上げに3歳児のお好きなシールをトッピング。

ずいぶん風変わりな自転車になりました。
サドルにはエビ天のシール、後部席にはナルトとイチゴのシール。
そして、ちょうど帰宅した上の子がこっそりチャーシューのシールを・・・
かくして食べ物シールのべったべたのマイチャリの出来上がり

3歳児は「こぶたちゃん号」と呼んでいるようですが(笑)




藤棚

2006年04月25日 16時58分27秒 | 雑感
公園の藤満開。

道々ハナミズキに見とれていたら
「♪ジャンジャンジャーン ジャンジャンジャーン」
どこからか火サスの着メロが。
うらやましかったので、今つくりました。
今日からEメール着信は火サスだ!


もちっとましなトークにしてくれ

2006年04月25日 13時56分57秒 | 家族・友人等
「電話の対応は愛想よく」をつい先日心がけた私である。
本日かかってきた電話は、1.友人、2.実家の母、だった。

昼ごろまた鳴った。見覚えのない番号表示。
「はい、Aでございます
「Aさまでいらっしゃいますか。こちら、英語教材の○○と申します」
「(わっ・・3回目だ。どうしよう・・)・・あ、はい・・」
「その後、いかがでいらっしゃいますか?」
「はあ、ぼちぼち」
「おかあさまとしては、今どんどん言葉を覚える時期のお嬢様に日々どんなことをされてますか?」
「(・・・幸い「おかあさん、のど渇いた~」と子供が叫ぶ)・・あ、今ちょっと」
「お嬢様の声ですね。まあ、元気そうな。なにか呼んでいらっしゃます?」
「はい、あの・・・トイレ」
「まあ、どうぞどうぞ行ってきてください。待ってますから。大丈夫ですよ!」
「(待たんでいい!)いや、ものすごい長いですから」
「大丈夫ですよ~。待ってます」
「そういわれても困るんで」
「おかあさま、こういう大事な時期です。英語は方言と同じように学習じゃなく環境です。この際ぜひご検討ください。
しゃべることのできる子供にしましょうよ。私たちの二の舞にならないように


・・・・・・・いつ私が英語がしゃべれんいうた!・・・・しゃべれんが・・・・


かくして、「電話は愛想よく!」のせっかくの心がけもつぶれてしまいそうなのであった。

鼻息もぴったり

2006年04月24日 16時09分43秒 | 室内楽
ピアニストの仲道祐子さんは、姉の郁代さんとよくデュオを組まれていましたが(現在はこのお二人のデュオ活動はお休みらしい)、
以前にこんな記事をみたことがあります。

(お二人は2台ピアノを背中合わせで弾くというスタイルをとられたことがあるらしいのですが)
「その際の息の合わせ方のポイントは?」
「姉の鼻息です」

それを読んだ時、私は大笑いしてしまったのですが、これが実は笑い事ではないのだ・・と近頃痛感しています。
よく、子供が連弾すると「せーの!」とか「1、2・・」とかいって合わせますね。
3拍のばすところなんか頭で「いち・に・さん」と拍子をとって、同じように手を上げます。
まさか、大人でこれやるわけにはいかない。
まだ横並びの連弾はいいです。手が見えるし、打鍵の瞬間というものは割合わかりやすい。
これが弦楽器と合わせるとなると、弓をひいたどの瞬間で音が出るのか、慣れない私にはいまいちわかりにくい。
しかも、何人も並ぶと、完全に死角になってまったく見えない楽器と合わせなければならない瞬間が多々あります。
これ、難しいです。どうするか・・・・
鼻息
そうなんです。
アンサンブルのピアノパートのみの練習の譜めくりをしたことがありますが、
この方一人で弾いていても、はっきり「スー」とか「フッ」とか息をしておられました。
ただ息してるだけではないです。ちゃんと聴こえる。
おとといのアンサンブルの時なんか、4~5人がいっせいに息するもんだから
「ゾーッ」と風が起こるような感じ(笑)。
当たり前なんですね。

昨年だったか、ピリスのレッスンがテレビであったとき、ピリスが
「息が出来てない!」と何回も言って、しまいには生徒の髪の毛をつかんで
「ここで吸う!」とか顔を上げさせたりしてましたけど、
ソロの演奏だって、呼吸がきちんとできてない演奏は、聴いてるほうも息苦しい。
「息が合う」といいますが、それは複数の演奏者同士の問題でもありますけど、
演奏者と曲(フレーズ)との問題でもありますね。
これがたぶん曲に「息(命)をふきこむ」ことにつながっていくのでしょう。

というわけで私、
「鼻息」も荒く(?!)練習いたしたいと思います。


ベルマークは私まで

2006年04月23日 13時24分33秒 | 雑感
実は昨日の午前中は、授業参観にPTA総会にPTAの役員決めがあったのだった。
いろいろ考えた末、時間的に総会と役員決めはどうしても出られないことが判明したので、総会の方は委任状を出し、役員決めのほうはどのみち、希望を書いて出していれば何かに当たるであろう・・と思っていた。

さて、授業参観だが、子供らが板書をノートに写し始めると、廊下の方でひそひそ話が。
お母さんの一人と目があった。
「あ、AさんAさん~」
「この組、役員が決まらなさそうで困ってるんですよ」
「私、今日どうしても総会からあと出られなくて・・・」
「え゛~!」
「なので、土日活動の地域役員以外ならやります。いちおうベルマーク委員希望と出しているけど、なんでもいいです」
「え゛~(うれし泣き)・・いいの?・・いいの?・・学級委員でも?」
「いいですよ」

といういきさつがあり、メールのアドレスをいちおう教えて午後のアンサンブルに向かったのだった。

アンサンブルの合間にメールを開いてみたら、めでたく「ベルマーク委員」。
とりあえず、3歳児つれ(幼稚園にまだ入れてないので)での行動に少し配慮していただけたかと思われる。

昨晩遅くなって、留守中に2件ほど役員関係の電話があったことが判明。
今朝、かけてみた。
一件はベルマークの委員長さんだった。
「私、これまでなんにも係したことなくて、じゃんけんで負けて・・それでなっちゃって・・前の方がいろいろ教えてくださるという話ではあるんですけど・・」
一面識もない方だったが、初めてで委員長さんとはちょっと同情した。自分が全体会に出てなかったこともあって、「一緒にベルマークがんばりましょう!」と市民運動家のようにお声をかけてしまいました。

遅い朝食を作っていたならば、電話がなった。
フライパン片手にでると
「(ソプラノでなめらかな口調) Aさまでいらっしゃいますか?」
「(セールスだな・・)そうですけど」
「お忙しいお時間、まことに失礼いたします」
「(絶対セールス!・・)・・はい・・」
「私、Fと申しましてT小PTAのものですが」
「(最近のセールスはPTAをかたって攻めてくるのか・・)・・はい・・」
「昨日は、ベルマーク委員をお引き受けくださり、まことにありがとうございました!」
「(何で知ってる?)・・はい・・」
「つきましては、現在名簿を作成しておりますので、下のお名前をおきかせ願えますか」
「(!!??ほんものか)・・○○と申しますが」
「はい!ありがとうございました。これからよろしくお願いいたします。まことにお忙しい時間に失礼いたしました」
「あ・・あ・・・、こちらこそよろしくお願いします。ありがとうございました」

電話を切ってからも、それが学校関係の電話だったという後味がしなかった。
ここのところ、電話をかけてくるのは親かセールスにほぼ限られており、このように流暢な「その他の電話」には慣れていなかった。
でも、考えてみれば、自分も仕事をしているときは、電話に向かえば地声より10度は音程があがり、満面スマイルの対応だったものだが、そうでなくなったとたん、きわめて愛想が悪くなり、普段の私との会話に慣れている人間は
「い、いま、だ、だいじょうぶ?・・・」とか
「い、いそがしい?・・・」とかいう反応を示すようになってしまった。
どうも電話での自分は「常に不機嫌な感じ」を与えているのだ・・と自覚はしているのだが、「受ける時」はやはりセールスが多いこともあり、なかな変えられない。

これからは役員を引き受けたこともあり、ちょっと社会性(?)も取り戻してみるか。



アンサンブル大会

2006年04月22日 22時13分13秒 | 室内楽
ま、まさにお屋敷でした。

20畳以上はゆうにあると思われる防音ホール。ピアノはペトロフのグランド。
壁はよく音楽ホールに見られる凸凹のレリーフ(防音・音響上の必要かと)。
部屋の一角にはバーカウンターがあり、メニューまで備えてありました。
コーヒーカップはマイセン、ロイヤルコペンハーゲン、ジノリ、大倉陶園などなど。

練習していってよかったです。場所負けしてしまいます・・・しかも至近距離でお客さん(演奏者も含めてですが)26~8名。

さて、お楽しみのプログラム
 1.パッヘルベル  カノン(子供の合奏)
 2.ベートーベン  弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 作品18-4より第1&4楽章
 3.ドヴォルザーク 弦楽五重奏曲ト長調 作品77より第1&2楽章
 4.シューベルト  弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 「死と乙女」より第1&2楽章
 5.ドヴォルザーク ピアノ三重奏曲第4番 ホ短調 作品90「ドゥムキー」より第4&5楽章
 6.モーツァルト  弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516より第1&2楽章
 7.モーツァルト  Vn.とVla.の為の二重奏 K.424よりテーマとバリエーション
 8.ベートーベン  弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 作品74「ハープ」より第1楽章
 9.モーツァルト  二つのVn.とVc.の為の三重奏 K.266より第1&2楽章
10.ブラームス   ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34より第1&4楽章


私、こんなにたくさんの室内楽曲を一日で聴いたことありません。
四重奏ってよくホテルのBGMなんかでかかってますけど、今日のはとてもとてもなんとなく聴くような類のものではなく、一曲終わることに「おーっ」とか「はーっ」とか言いたくなるような内容の濃さでした。
しかも、うまいんだな!これが。
やっと弾いてる人なんかいないです。ちゃんとアイコンタクトをとり、味わい楽しんで曲作りをしている。
いつも一人でピアノを弾いているものからすると非常に不思議なんですが、たとえば「5小節休み」というところがあったり、伴奏で同じ音型が延々続いたりするのに、よそ見していて、どうしてぱっと譜面に戻れるんでしょうか?
これが難しいあまり、私は暗譜してしまったわけなんですが・・・。

面白いことも多々ありました。
「死と乙女」のVnのS君。楽譜はコピーのままバラバラで譜面台に立ててたのですが、弾き終わったものから次々とはらはらと下に落とす。
見ているほうは、順番間違って落とさないか、弾いてる途中で落ちないか気が気ではない。でも、無事に終わりました。。。。不思議。
ベートーベンの「ハープ」の時(このお宅のご主人と奥様がメンバーに入っていた)、ここのワンちゃんがいきなり吠え始めた。いままで部屋の片隅で静かに静かにしていたのに。しかも、ちゃんと合いの手のように吠える。
終わってお客のひとりが「四重奏でなく、五重奏でしたね」(笑)
この家の女主人いわく「うちのフォルテ(ワンちゃんの名前)は不協和音が嫌いなのよ」

そしていよいよトリ、ブラームスの本番。
第1楽章・・・リハーサルよりはるかに良いでき。5人の集中もすばらしい。
第4楽章・・・1楽章につづきよい具合。このまま行くぞ~~~
          
突然、VnのS君(「死と乙女」と同一人物)の音がしなくなった
「すみませ~~ん。楽譜が見当たりません」
おいっ、コピーのぺらぺらのまま弾いてるからじゃないのか!
かくして惜しくも中断。楽譜は別のコピーの下に埋もれていたらしく、まもなく再開。
なにごともなかったかのように、熱く、濃い五重奏は興奮のうちに終わった。
中断はかえすがえすも惜しかったが、私のこれまでの演奏経験の中でこれまでにない濃さだった

終わって水をガブ飲みしていたら、隣で「熱かったなあ!濃かったなあ!熱かった、ほんとに熱かった」とつぶやいているお兄さんがいました(爆)

みなさんはこれから大宴会のようでしたが、私お先に失礼してまいりました。
ペトロフは無事だったでしょうか・・・・・・・