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~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

室内楽セミナー修了演奏会

2007年03月31日 23時05分06秒 | 室内楽
「室内楽セミナー」の修了演奏会を聴いてきた。

14:30~19:00という長丁場なので、さすがに全部は聴けなかったのだが、17時くらいに行ったところ、少しプログラムが押していたおかげで、7曲くらいを聴くことができた。

会場は割合埋まっていて、上の方の席をとっさにとれなかったので、一階の平場にすわったのだが、これが大変な誤算で、ドヴォルザークのピアノ五重奏なのにピアノがまったくといっていいほど見えない。
だが、ごく間近で長原氏のバイオリンを見ることができた(チェロは辻本氏)。
「見ることが」といったのは、氏の音は私の頭上はるか会場の遠くへむけて響いていたからだ。
メンバーは一般とか学生とかさまざまな方で構成されていて、1楽章ずつピアノとセカンドバイオリンとヴィオラが入れ替わっていた。
みなさん大変お上手なのだが、舞台近くで聴くと、それぞれの弦楽器の音の飛距離が違うのが如実にわかって、それはそれで勉強になったのだが、少し聴づらくもあった。
期間中の講習を拝見すればもっと変化がわかっておもしろかったのかもしれないが、アンサンブルのプロとともに練習を積まれた成果か、アイコンタクトや息遣い等、よくあっておられた。

次はシューマンの「ピアノ五重奏」で、ピアノは松本氏、あとバイオリンとチェロにプロの方が入っておられた。
なので、受講生はセカンドバイオリンとヴィオラを1楽章ずつ交替で弾いていた。1楽章はいきなり合奏ではじまるのだけれど、これもピアノが隠れて見えなかったのは残念だった。
・・が、鼻息は聞こえました。いつか是非やりたいと思っているので、冒頭の息の合わせ方をちゃんと見たかったです・・しくしく。
ヴィオラというのは、ピアノ弾きなぞはあまりその存在を深く考える機会が少ないのだけれど(私だけか・・・すみません)、今日はほんとに大変な楽器なのだと思った。
音程が難しいことはよくいわれるのだが、音程に不安がないレベルであっても、バイオリンとチェロの間をつなぐというか、生かすも殺すもヴィオラ次第という感じで、下手をすると、高音と低音が離れてしまったり、ハーモニーに生彩を欠いてしまったりする。
つくづく難しい役割を担った楽器だと思った。
合唱・合奏の方々はこういう中音域の難しさというものを日々自覚しておられるのだろうが、ピアノソロでは割合おろそかになる。ピアノ曲でも和音の多い曲というのは(いや和音が多くなくても)、常にそういう難しさを抱えているのだということを改めて考えるよい機会になった。
松本氏のピアノは、「溌剌とした清澄な変ホ長調」という雰囲気で、気持ちのよい演奏だった。五重奏の要として、フレーズの終わりなどは、他の楽器の音をすべてすくいあげ一つにまとめておられ、先日の連弾に続き、アンサンブルのセンスの良さに感嘆した。

休憩のあとはさすがに、平場はもうやめようと思って2階の高いところへ移った。
やはり全然違いました。眺めも音も。

プロコフィエフ:「五重奏ト短調」
これ初めて聴く曲だっただが、実にすばらしかった。
大学生4人と院卒1名というメンバーだったのだが、バイオリンの女性(芸大3年)の卓越したテクニックと、5人一丸となって刻まれるリズムが、一種熱狂の雰囲気を醸し出していた。これは、この年代にしかできない演奏かもしれない。
いいものを聴いたと思った。

ブラームス:「セレナーデ 第1番」より第1&6楽章
これはうちにCDがあって、断片的にシンフォニーを思わせるところもある魅力的な曲なので、生で聴けてうれしかった。
これは長原氏がバイオリン、あとヴィオラとチェロにプロが入って、
フルート、クラリネット2本、ファゴット、ホルン、コントラバスに受講生が入る。
まるでオケのトップに召集をかけたような楽器編成だ(笑)。
どうやって8人であわせるのかと思ったら、弦と管が向き合わせになるようにゆるやかな「ハ」の字になっていた。
これだけの人数いると、長原氏のリーダーシップも目に楽しく、合奏の楽しさを堪能した。

チャイコフスキー:「フィレンチェの思い出」より第4楽章
これは子供も含めた受講生全員の合奏。
さすがに指揮者が立たれました。
私にはあまり馴染みのない曲だったが、「うまい」だけでなく「厚み」のあるアンサンブルで、「フィレンチェ」とはいいながらも、作曲者チィコフスキーのロシア的部分も感じられたように思う。
こんなにたくさんの受講者がここ数日で、すばらしい音楽的体験をされたかと思うと、どういうわけか自分までもうれしい。

最後は演奏アドバイザーによる演奏

メンデルスゾーン:「ピアノトリオ第1楽章」
ピアノは松本氏だったので、音色・歌心等々大変期待していたのだが、
いや、もう期待以上のすばらしい演奏だった。
実は私、この曲を遊びで合わせてみたことがあるのだが、細かい音符が結構多いのと、バイオリンコンチェルトに通じるような、透明でのびやかな曲想に難儀し、・・私にはムリと思ったものである。
バイオリンの千葉さんのみずみずしい音色、ここぞというところできてくれるチェロの辻本氏、そして松本氏は細かいパッセージはほんとに美しく、歌うところは伸びのある音で息長く、大きなフレーズはうねりとともに押し寄せるように、実に実に聴き応えがあった。
・・ますます私にはムリな曲と思えたものだが、一方でますますこの曲が好きになった。

大トリは、ドホナーニ:「弦楽三重奏 セレナーデ」より
バイオリンが長原氏、ヴィオラ生野氏、チェロ向井氏。
私の席は、ちょうど音の届き具合もよく、信じられないくらい3つの楽器がまとまって聴こえてきた。いくらプロでもなかなかこうはいくまい・・と私勝手に思ってしまいました。
チェロはなかなか聴きに行く機会がないのだけど、向井氏はその体格を裏切らないふくよかで温かい音で、この方のソロコンサートも聴いてみたいものだと思った。


以上、聴きまくって900円
昨年までも聴いてみたかったのだが、やっとなんとか行くことができた。
ちなみにこのセミナー、今年で4回目。
もちろん来年も開催予定。受講の募集は秋頃にあるようだ。
来年かどうかは別として、いつか受講してみたいとも思っている。

興味のある方は、受講なり聴くなりぜひ来年!


あまのじゃくエチュード

2007年03月30日 12時41分51秒 | ピアノ
月刊誌「CHOPIN」でショパンのエチュードの誌上レッスンが始まった。
4月号より24曲を1曲ずつ、横山幸雄氏のご教授でということである。

4月号は10-1。
エチュード初心者の私が蛮勇ふるってトライしている曲だ。
この曲がいかに難しいかということは今号にも書かれている。

<・・・・(ショパンのエチュードは)1曲ずつかなり明確な技術の方向性が示されていて、人によって難しいと感じる作品にも違いがあるはずだが、その中でもとりわけ作品10の2作品25の6(3度ですね)のように薬指や小指を酷使するものがその最難関に位置しているということは、多くの人にとって同感だろう。
その次には作品10の1作品25の8(6度ですね)、作品25の10番(8度というかオクターブですね)あたりだろうか?>
<逆にショパンエチュードの導入にあたっては、その中で比較的手になじみやすい作品からはいるべきで、僕は作品10の11番(両手アルペジオのやつ)、作品25の1(エオリアンハープ)、25の2、25の3番あたりをおすすめする。
その後に続くのが作品10の4番とか10の8番だろう。
わりととっつきやすいという観点から「黒鍵」や「革命」を早い時期に勉強する人も見かけるが、音楽表現の点からかなりの高い音楽性を要求されるので、指だけ回って消化不良気味であることが多い。また比較的音符が少ないからと作品25の5番などを試みて表現の難しさから挫折することも少なくないようだ。>

これを読ませていただいた限りでは、私の順番は完全に逆だ。
何を隠そう、今練習しているのは10-1、10-2、25-6、「革命」なんであって、バカモノ以外の何者でもない。
エチュードに関しては中1でチェルニー50番を20番くらいまでやったという(もちろんちゃんと弾けてたはずはないが・・)その程度で、この取り組みかたはやはり愚か者としかいいようがない。

が、言い訳をさせていただければ・・・・・、
趣味でだらだらやっている以上は、なにかのコンクールの課題曲でショパンのエチュードを弾かされることはもはや無いし、この年から始めて「ちゃんと弾けるようになる」というのも、相当難しいことなので、ならば、手足が思うように動くうちに難しいものから弾いていこうじゃないか・・・というのが、本当のところである。
このあたりが、将来のある子供たちとは違う。たとえ手を痛めたからといって、「将来が閉ざされる」とか「仕事に差し障る」ということはいっさいないんだし。

というわけで、私、愚行を日々着々と(?)進めております。
10-1や2は、苦手な右4の指との戦いでありまして、
この強化のために、家事中も
<洗濯物を干す時、洗濯バサミを親指と薬指で使う>とか
<買い物を下げて帰るときに、袋を下げる指を2の指から順に一本ずつ送っていく>とか
かなりマッスルなことやってます。
もっともこんなこと本番が近かったら恐ろしくてやれることではなく、
まあ痛めたら痛めたとき・・くらいの気楽さがあってこそやれることなのですが。

「革命」は結構だらだら弾いてる曲なのだが、
絶対右手の方が難しい。それこそ肘の力を抜いて・・となると、今までどうやって弾いてたのか思い出せないくらい難しいです(泣)。

ああ・・・ちゃんと習いにいかないと。
でも、こんな順番で持っていったら、どの先生にも怒られそうだし。。。。



とりあえずできることから

2007年03月29日 10時14分20秒 | ピアノ
先日、11日間にもおよぶ某アカデミーを受講して帰ってきたMMちゃんだが、
この間のレッスンにおけるいろいろ興味深い話を、お母様を通してきくことができた。

なかでも○村紘子先生によるレッスンで
「もっともっとフォルテで!!」といって実際弾いてくださったところが
ピアノの弦が上下に揺れていた・・・・という話をきいて、
「いや、いくらなんでもそんなに弦自体が上下するなんて」と半信半疑だったのだが、
私も見ましたよ、先日。

松本氏が「完全に腕の重みを指にかけて弾けたらこういう音になるはず」といって、弾いてくださったとき・・・弦が波打ってました。
わぁっ、これってほんとにこんなになるんだ!とびっくり。

であらためて、昨日MMちゃんのお母さんとメールしてたのだけれど、
「それって、いわゆるロシア奏法とかいうやつですかねえ」という話になり、
「でも、女性がいきなりそれやるとつらいですよね。指に負担かかるし」というあたりで、MMちゃんが紘子女史によるレッスンのあと指を痛めた(因果関係は不明だが)ということを思い出した。

MMちゃんは、ずばぬけたテクニックと感性の持ち主とはいえ、まだ中1だから、しなやかな分、関節なんか柔らかくて危ないところもあると思うのだが、
一方で、私なぞは関節の硬い分、キケンも伴なうと思う。

松本氏もこれをやるためのいくつかの段階を示してくださったのだが、
その話を総合すると

○ 手や指のフォームの確認
○ 指先の関節への力の集中に耐えうる指の強度
○ 腕の動きを助ける意味での、指先の器用さ
○ 一音一音をはっきり打鍵できるような、指の付け根からの上下運動
○ 腕や肘から力を抜くイメージと実際のタイミング

これができるようになって初めてできる弾き方のようだ。
要するに、「強くて自在に動く」指あっての、脱力というか重力奏法ということだ。
当然、椅子の高さや手首の高さの問題も出てくるし、
すべての楽曲においてこの奏法がいいというわけでもないとは思う。

レガート奏法などにかまけていると意外とおろそかになっているのが
「一本一本の指ではっきり打鍵する訓練」なのであって、
今私、娘と一緒に「バーナム ミニブック」で
「指一本一本に力を集めて、付け根からきっちり上下させる(イメージとしてはポゴレリチに近いです)」練習をしている。

・・・・くやしいことに、娘のほうが指がちゃんと上がるのですよね・・・
ピアニッシモなんか、指が強くてコントロールがよくないことにはいい音でませんから、娘とこつこつ毎日練習していきたいと思います。


もうすぐ新年度

2007年03月27日 17時29分04秒 | 雑感
3月もあと残すところ4日。

先日の公開レッスンをもって、本年度のピアノ関係のイベントはすべて終了。
4月以降、人前での演奏の予定はまったく無い。
2003年以降4年連続でコンペに出ていたので、こういう年は久しぶりな感じだ。
弾かなければならない曲は今のところないので、指のトレーニングやフォームの見直しをゆっくりとやっている。

娘の方は、4月からの入園にあわせて、とにかく朝ちゃんと起きられる真人間目指して、生活時間の見直しだ。
・・と思って、昨日は朝早く起こして(今まで何時に起きていたかは、どうかきかないでいただきたい・・・・)、昼は散歩させて、夜はまあまあの時間に寝かせたら、今朝はいきなり6時過ぎからメガホンを持って家族を起こしまくり、参った・・・・
ピアノもさすがに今までのようではいかんでしょ・・親ばかり練習してどーする、とここのところ15分やそこらだが、毎日ついて弾かせている。

私、弾く方はともかくとして、演奏会等はできるだけ聴きに行きたいと思っているので、気になる公演をピックアップしてみた。目についたものだけなので、なにかありましたら、どうぞ情報お願いします。


4月22日(日)
青柳いづみこさんによるドビュッシーの講座~「子供の領分」を中心に~


6月8日(金)
ミハイル・プレトニョフ&ロシア・ナショナル管弦楽団演奏会

チャイコフスキー:イタリア奇想曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番」(上原彩子)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界」


6月9日(土)

大植英次&大阪フィルハーモニー交響楽団演奏会

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番(小菅 優)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」


6月17日(日)
エフゲニィ・ザラフィアンツピアノリサイタル

べートーヴェン:ピアノソナタ第17番「テンペスト」
ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番
リスト:ピアノソナタロ短調
ラフマニノフ:エレジー、V.Rのポルカ


本日、大フィルのチケットはゲットした(発売初日。しかしかなりの勢いで売れてるとみました)。
そのほかは、ゴールデンウィークに「熱狂の日」に行くことは行くのだが、行くと決断したのが遅く、チケットはようやく22:30開演のイド・バル=シャイ(ヤナーチェクやドビュッシー)をなんとかゲット・・という状態。
それにして「熱狂の日」のチケットって安いんですね。そのためにわざわざ行くとなるとものいりですけど、上京のついでだとほんとお得です。
ちなみに私の買ったチケットは1500円。

さて、4月からはどんな年度になるのやら

これだけはカンベン

2007年03月26日 23時47分42秒 | 家族・友人等
友人のブログを読んでいていきなり思い出したのですが・・・・

私の天敵はなにを隠そう「絶叫マシーン」。
それも特別に怖いものとかいうことではなくて、
ジェットコースターレベルですでにお手上げ。

えっとですね、私は地方出身者であることもあってか、
そのスジの乗り物に初めて乗ったのは、なんと就職してからなので、
つまり23歳かそこらということになりますね。
それもデートとかそういうことではなくて、社員旅行でムリヤリ行かされた「富士急ハイランド」。

最初に乗ったのは、そのなんというやつだったかな、とにかく高低差やひねりもあるんだけど、座席は肩をがっちりガードされるタイプだったので、怖くたって別にすわってりゃいいことで、極端なこというと「目をつぶってたら終わってた」という感じで、どうってことなかったんですね、これが。
で、やめりゃいいのに、調子に乗って次へ行った。
これが、別に極端に怖そうではなかったのだけど、膝だけを押さえる座席でした。
・・・・大変でした・・・
とにかく
「おろせ~~~おろせ~~、とめろ~~」と騒いだ挙句に失神しかけて、いやしてたかもなんですが、
終わって止まったときは、どうも床に落ちてたらしく、下から見ていた同僚たちが
「ちゃんと乗ってる?落ちてない?」
とわざわざ見にきました。

以来、この手のものより怖いものは多分世の中にはなくて、
出産や手術もこれよりはどうってことなくて、
でも、子供につきあって乗らなければならないこともあって、
これは、母親としては「義務」と割り切って気合いれて乗ったことはあるにはあるのですが・・・

なんせ、ディズニーランドの「ダンボ」でもうアウトです。
あれに乗るだけで、たいがい冷や汗なので、子供には
「絶対レバーには触るな!!」といい、
ちょっとでも上下させようもんなら
「やめんか~~~っ」と絶叫。

東京にいた時分はそう混んでない日にディズニーランドにいくこともできたので、
アトラクション乗りまくりも可でしたけど、そうすると、ジェットコースターなんかも簡単に乗れちゃうわけです。
一度スペースマウンテンの前通ったら、5分待ちでして、「う~ん」と悩みました。
というのは、まだ独身の頃に行った時、たしか1時間半だか2時間半だか待ったのですけど、その間に緊張のあまりお腹が下って何回もトイレへ駆けこんだという、「乗る前からすでにスリリング」な経験をしてたんです。
5分待ちなら「下る」ヒマもなかろうと、当時4歳か5歳くらいだった息子と乗ったんですが・・・
ジェットコースター初体験の上、暗闇がまだ怖かった息子の方が完全にビビッてまして、母としてはビビる余裕がなかった。
というよりは、私は、外の景色がみえる方が圧倒的に怖い。
真っ暗だと、高いんだか低いんだか、上なんだか下なんだかわかんないので、たいして怖くないんですね。

これってどうなんです?
大人になってから初めて乗ったからこうなんですかね?
別に高いところが極端に嫌いとかいうこともないし、
飛行機は好きですし。
要は三半規管あたりの問題ですか?

せっかく、今から宇宙飛行士でも目指そうかと思ってたのに・・・(爆・逃)

子どもの為のコンサート

2007年03月25日 22時54分27秒 | レッスン&セミナー
「HIROSHIMA MUSIC FESTIVAL」(主に室内楽のセミナー等が行われる)のイベントのひとつ、「子どもの為のピアノコンサート&座談会」に行ってきました。

昨日まで行くかどうか迷っていたのですが、やっぱり松本氏のソロ聴きたいよなあ・・・と思ったのと、昨日購入したCDにやっぱりサインをいただいておこうというミーハー根性丸出しで、娘連れて行って参りました。

行ってみてびっくり!
昨日と同じ会場なのですが、親子連れであふれかえっていて、
「こんなに天気いいのに、なんで室内のイベントに?」と自分ちのことは棚に上げて思ってしまいました。

プログラムは最初に松本氏のピアノソロで
ショパン:幻想即興曲
ドビュッシー:月の光
吉松隆:「プレイアデス舞曲集」より、<西に向かう舞曲> <聖歌のきこえる間奏曲> <プラタナス・ダンス>

昨夜、CD(グリーグ「抒情小曲集」とムソルグスキー「展覧会の絵」のカップリング)を聴いていて思ったのですが、
氏の演奏は、大きなフレーズ感やここぞというところの迫力、あとビートの効かせ方が魅力的な一方で、非常に繊細で透明感のある美しい音と叙情的な歌心がぐっときます。
そういう意味ではCDのグリーグはなんともぴったりな感じだったのですが、今日の演奏も「月の光」や「プレイアデス舞曲集」が、周囲の子供のざわめきや叫び声なんかとはまったく別次元から降り下りてくるようで、なんともすばらしかった。
アンコールにはなんと「熱情第3楽章」が弾かれましたが、細かいパッセージも決して切って捨てるような音ではなく、余韻まで含めて音といった感じの濃やかなピアニズム。迫力と濃やかさというのは同時に可能なのだ・・としみじみ感じた次第。

そのあとは、子どもたちのピアノトリオでバッハの「二つのメヌエット」。
子供のピアノやバイオリンは聴いたことがありましたが、チェロは初めて。
いくらサイズが小さいとはいえ、はやり大きい弦楽器は音を押さえるのは大変なんだろうなあ・・と思いました。
小学3年と4年の組み合わせでしたが、こんなころからアンサンブルをやるのと、ずっとソロばかりやって大きくなるのでは、音楽の聴こえかたが全然違うだろう、また違って当たり前・・・できればソロ楽器でもこういう機会を努めて作っていくべきです、ほんとに。

3つめのプログラムは松本氏と小5の女の子による連弾
ラヴェル:「マメール・ロア」より<眠りの森の美女のパヴーヌ> <女王の陶器人形レドロネット>

これは見事でした。
このお嬢さんの演奏はつい先日聴かせていただいたばかりなのですが、彼女のリズム感のよさと、情緒たゆたう透明感のある音はこの曲に合っているし、
また松本氏はさすがというべきか、プリモとのコンビネーションを音量の加減だけでなく、音色によってセカンドを<背景>にしたり<霧>にしたり、あるいはリズムをはっきり刻んでプリモをのせるものにしたり、
「おお連弾というものはこういうものなのか!」と私、目からウロコでした。これまでも連弾は好きでいろいろやってきたのですが、もうぜんっぜん次元が違いました。


最後は、松本氏のお母様を交えての座談会。
なんでも、幼稚園のころ、買い与えた鍵盤ハーモニカをいじっているうちに鍵盤ものが弾けるようになり、電器店に行っては電子ピアノで知っている曲を弾きまくり、そのうち人が集まってきたりしていたそう。
それを見た周りの方々が「ピアノ習わせたら」ということになって、年長さんから先生について習い、そしてピアノも買われたとか。
なにより人前で弾くことが好きで、本番前も上がるということはなく、直前までマンガを読んでいたりで、ずっとそういう状態だったのだけれど、プロとなってからはやはりそうばかりでもいけない、緊張感もないと、ということでした。
・・・・これはもうプロのコンサートピアニストになるべくしてなった、いや選ばれた人というべきなんでしょうね・・・

無事CDにサインもいただき、ついでに写真も撮ってもらって
なかなか充実の2日間でした。

松本氏、公開レッスン

2007年03月24日 22時01分19秒 | レッスン&セミナー
公開レッスン、いってまいりました。(松本氏のプロフィールはこちら

今日はほんとに大荒れの天気で、私もこんな用でもなければ絶対に出かけたくないような気分。しかし、18時からのレッスンが決まっているので仕方ありません。

今日は主人がいなかったので、息子留守番、娘は託児というわけで、やっと17時半くらいにすべりこみました。・・・・ぜい・・・ぜい・・・
このようなお天気のせいもあってか、ギャラリーはごく少なく、閑散としていました。

松本氏はちょびっと茶髪、服装もかなりラフで、ピアノの脇に立ってレッスンしておられました。私の一つ前は、スクリャービンのソナタ2番。
ピアノが一台しかないので、受講者と交互に弾くことになるのですけど、氏が弾くと、同じピアノと思えないほど、「ゴゴゴ~~~~」とサクレツするんです。
この「幻想ソナタ」って何回か聴いたことあるんですが、どうかするとどこ聴いていいかわからんまま、にゅるにゅるっと終わってしまう演奏も結構あります。それがまさに「なぎ倒されるような」迫力。びっくりしました、ほんとに。

会場のピアノは、聴いてるとそれほどでもなかったのですが、弾いてみると、かなり古くて余韻を残すのが難しく、低音のほうは少し音のおかしいところがあって(調律のせいではないのかもしれないのですが)、何回何回も「和音を押さえ違った?」と思って焦りました。集中はいまひとつでした。

弾き終わって・・・

「えっと、<一般>の方ということは、お勤めですか?」に始まり、「お子さんは何歳ですか?」にいたるまで少しプライベートな質問があって、「??」と思っていましたら、
「以前、やはり主婦の方の演奏を聴いたのですが、生活の忙しさというか、子供の寝たヒマに急いで練習するというか、そういうところがどうしても出てくるんですね」

・・・ズボシ・・・

・・・というのは、けさ練習していて、ことに「キエフの大門」がフレーズの終わりまでじっくり待てず、先を急いで弾いてるな~~~~これは、つっこまれるかもしれない・・と思ったところで、ならそういうところを直していけばいいのですが、なかなかそうもいかないのが悲しい・・・・

「<卵の殻をかぶったひよこ>とか<バーバヤガー>とかはどんどん前に進む感じでいいのですが、<プロムナード>や<キエフの大門>はゆったりした時間を感じて弾く。
うちでも、すわって気持ちを切り替えて練習する。人前で弾く時は、いきなり弾きださないで、会場の気持ちがこちらに集中したのを感じてからおもむろに弾き始める」

内容的には2曲目の<こびと>もキャラクターとしてはいいでしょう、というわけで、だいたい「緊張感のある曲」は問題ない、ということでした。
音楽的には<キエフの大門>の拍子のとり方(2拍子と3拍子の交錯するところ)などの指摘もありましたが、レッスンのほとんどの時間が費やされたのは

「音の出し方」

それも「余裕のあるフォルテ」ということで、脱力の仕方をいわれましたが、これが
「和音をがっちりつかんでいても、ひじは完全に力が抜けること」というわけで
「和音をつかんでみて」とおっしゃって、私のひじをつつかれるわけですが、
「まだ力入ってます」
「まだまだ入ってます」
・・・・・いや、触られる瞬間に力入ってしまってたりなんかもするんですが・・・(汗)
ようするに、指一本でつつかれてもふらーっと揺れるようでなければダメなんだそうです。
そのためには当然、相当指の力があることと、指一本一本が和音にそって細かく動くことが必要で、指先の関節に力を集中し、手の形としては指を立てすぎず寝かしすぎず、でも、これで音色が決まるのだから、最大の注意を払わなければならないということでした。

で、「展覧会の絵」は録音もされた氏のことですから、自分でももちろん弾いてくださるわけですが、
なんというんですかね、氏の指とくらべると私の指なぞは軟弱きわまりないというか、私からみた娘の指レベルでした。
和音を弾く時もまったく腕もひじを動かさずに、指と腕の重みだけで「バン」とでますし、
オクターブのスケールなんか腕なんか全然振らずに、指だけで超高速で弾かれるわけです。いや、腕なんか振ってたら、超高速では弾けませんもん。
あと、「親指をもっと動かす」上から弾くのではなく「親指自身ではじいたりする弾き方もやってみる」といわれました。

「脱力」というのは、初歩でもよく言われることなんですが、脱力にも絶対「初級」「中級」「上級」とあるよなあ・・・と氏の演奏を見ながら思ったことでした。

とにかく、ものすごく高度なこと(でも、もっとも大事なこと)を指摘されて、これは大変だなあ・・と思っています。
「この音の出し方ができるようになれば最強ですから」といわれたことでもあり、
焦らず、少なくともむこう1年は「音の出し方」に専心してみたいと思います。


明日・・

2007年03月23日 15時04分09秒 | ピアノ
明日ですね、某ピアニストによる公開レッスンを受けるのです。
それは、先月いきなり友人からふられた話で、あまり深く考える間もなく
「じゃ、『展覧会の絵』にしようっかな♪」というくらいのノリでOKしたわけです。

某ピアニストは、テレビで演奏をちょっと聴いたことあって、経歴とははだいたい知ってましたけど、
あまり知りすぎてもなあ・・・と検索もかけないでいたのですが、今日になって「まったく検索かけないのもなあ・・」とやってみたらですね、
ファンクラブのサイトやらブログやらあって、CD情報もあったのでなにげなくクリックしてみたらですね・・・

展覧会の絵

あ゛~~~~~~~

しかも、どうも早い時期の録音。

あ゛~~~~~~~


これって、どういう顔をしていけば・・・・
「あなたの展覧会にほれこんで」ではないし・・・・・
「CDがあるのを知って」でももちろんないし・・・・・

「昨日、HP見て知りました!まだ聴いてませんっ!」
しかないです・・・・(泣)


なんかね、彼の持ち味からして、ひょっとしたらひょっとするんじゃないかと思ったんですよ・・・・やっぱりお好きだったんですねえ。
でも聴いてないのがたぶん幸いだと思います。
聴いてたらご本人の前でなんか弾けませんっ