-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

畑沢へまだ直線距離6.6㎞

2019-10-22 15:49:32 | 自然

 台風19号が過ぎ去ってからも、用事があったり風邪をひくなどして、10月8日から二週間近くも畑沢へ行くことができませんでした。風邪が治りました。ようやく、外出可能です。ところが、真っすぐに畑沢へ向かえばいいのでしょうが、久しぶりのドライブなので、幼児期に逆戻りして、いつもの道草を始めました。国道13号線を北上していたのに、村山市金谷でハンドルを西に切りました。最上川の隼を左に見ながら橋を渡り、少し進んだところを右に曲がると、私の大好きな「じゅんさい沼(大谷地沼)」へまっしぐらとなりました。

 私が「じゅんさい沼」を好きな理由は、動植物が豊富で豊かな自然があることです。ジュンサイを収穫することが大きな目的としていることからか、水位の大きな変動がありません。そのために水生植物が安定しています。私の拙い植物に関する知識でも、沢山の植物名を挙げることができます。例えば、コウホネ(河骨)、ヒツジグサ(未草)、ジュンサイ、ムジナモ、サンカクイ、シカクイ、フトイ、マルイ、ミズオオバコ、セキショウモ、オカトラノオ、ミゾソバ、オモダカ、ミツガシワ、ミソハギ、アシなどです。ところで、マルイ、サンカクイとかシカクイ等の名前は、ふざけているのではありません。いくら私が「適当な人間」でも、これは本当の名前です。ただし、命名者がふざけていたかどうかは別です。ちゃんとした方が調べれば、外にもホソイ、フトイとかが見つかるでしょう。

 水生植物が豊富ですから、当然、魚種も豊富であることが予想されます。釣りなどは禁止されていますので、捕獲して調べることができません。それでも岸からでも、はっきりとメダカや鮒の稚魚らしき魚が見えます。それもかなり賑やかに泳いでいますので、様々な魚がいるはずです。釣りを禁止していますので、悪党どもが勝手にブラックバスやヘラブナを放流しません。この釣りを禁止していることが、自然が豊かに残っている最大の理由かもしれません。ブラックバスなどの魚が放流されたら最後、この生態系が根こそぎ破壊されてしまい、ただの「水溜まり」になってしまいます。残念ながら、尾花沢市内にはそのような溜池が多いようです。村山市はその点を誇りにできると思います。東沢公園でもブラックバスを駆除しました。ここで尾花沢市の名誉回復として一言、添えます。徳良湖では3年に一回の水利施設点検に合わせて、ブラックバスの駆除をやってきました。お陰でほぼ駆除された可能性があります。頑張りました。もしも、まだブラックバスが徳良湖にいるとすれば、悪党どもがまたもや違法な放流を行ったことになります。ブラックバスやヘラブナ釣りは、釣具店にとってのドル箱です。竿、ルアー、リール、浮き、バッグ、糸の外にも頭から足の先まで、身に着けるものも全て高価です。商業主義に踊らされているのは、スポーツだけでなく、今では釣りもそうなってしまいました。

 本題から外れましたので、戻ります。この写真の向こうには葉山が写っています。背炙り峠からの葉山を眺めるときと違って、かなり近い所からの眺めですが、あまり大きくないように感じます。これはじゅんさい沼から葉山に向かってかなりの傾斜で地面が上昇しているからと思われます。それに葉山のずっと手前にある低い山々が葉山を低く見せています。沼と道路の間には桜が植えられていて、春の景色も見事です。

 じゅんさい沼には畑沢などで見られないトンボも飛んでいます。今回は見ることができませんでしたが、大部前に撮影しました。チョウトンボです。畑沢では絶対に見ることができません。じゅんさい沼ならではの昆虫です。推測ですが、かなり昔からでないと棲息しないのでしょう。「大谷地沼」の名前から察するに、昔から広大な湿地があったと思われます。

 次に珍しくないのですが、去年も今年も畑沢の稲刈で見ることができなかったイナゴです。じゅんさい沼でようやく会えました。

 空を見上げると、一見、トンビらしき鳥が飛んでいました。しかし、トンビの尾の特徴と異なります。鷹の仲間です。写真を拡大してネットで調べたら、ノスリだそうです。翼の模様が特徴的です。極、ありふれた鷹だそうです。畑沢ですとハヤブサ(隼)をよく見かけます。それにしても、恥ずかしい写真です。望遠レンズがないのですからしようがありません。

 

 じゅんさい沼の東側に目を向けると、ありました。畑沢の山がこちらを見ています。写真の左の山が大平山です。畑沢から眺めた形とはかなり違います。ここから見ると、大平山は尖がり山です。ずっと右の大きな山は甑岳です。横から二つの山を比べると、甑岳が大平山よりも高いことが一目瞭然ですし、風格も違います。甑岳が山岳信仰の対象になることが分かる気がします。

 

 じゅんさい沼の近くにある畑にマメガキ(豆柿)がありました。今では珍しくなりました。私が小さい頃は、畑沢でよく見かけたものです。冬に雪が積もってからが食べごろで、秋に口に入れると渋くて渋くてたまらなくなったものです。そんなものをどうして植えてあるのかは、さらに次の写真で分かりました。

 下の写真に写っているのは普通の柿です。ところが、幹を見てください。途中から太さも色も変わっています。幹の下は台木で、それに普通の柿を接ぎ木したことが分かります。台木の幹の色はマメガキと一緒です。つまり丈夫なマメガキを台木にして、普通の柿を接ぎ木したのです。すると、さっきのマメガキの木は、接ぎ木した普通の柿が枯れるなどして、台木がそのまま枝葉を茂らせたもののようです。

 

 畑沢でいろいろと作業をして、夕方に帰るときは、背炙り峠を通りました。あいにくの曇り空です。峠での眺めには面白みがありません。峠で停車することなくそのまま村山市側に下ってきたら、葉山のシルエットの中に白い雲が閉じ込められています。ん!少しは面白いかなとパチリ。

 でも、いまいちです。写真の下には高来沢(こうらいさわ)の堤が見えます。「こうらい」と言えば、普通は「高麗」を思い浮かべます。埼玉県では高麗を「こま」と呼ばせる高麗郡があります。朝鮮半島に因んだ昔からの地名です。「高来沢」も何かそのようなことがあるのかなと想像していますが、誰も教えてくれません。

 ところで、この堤には何十年か前に胸が張り裂けそうなくらいに悲しい事件がありました。当時はまだ稀な事件でしたが、今ではしばしば起きるようになってしまいました。世の中がより変な方向に進んでいることを示しているようで、何ともやるせない気持ちです。

 

コメント
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