群馬県にある尻焼温泉の川を堰き止めた露天風呂は野湯の入門編に相応しいワイルド且つ開放的な温泉ですが、その手前に上州がつくづく温泉に恵まれているところだと実感させられるお風呂「京塚温泉・しゃくなげ露天風呂」があります。
通常ですと、野反湖へ伸びる国道405号線沿いにある「喜久豆腐店」で温泉に入りたい旨を申し出て料金を払うと鍵を借りられるので、それを持参して約500mほど川へ下ったところにある露天風呂へ赴きドアの錠を開けてお風呂に入る、というやや面倒な段取りを踏むのですが、私が訪問したときにはお風呂の前の小屋におばさんがいたので、お豆腐屋さんを経由することなく、直接おばさんに料金を払って錠を開けてもらいました。
ドアを開けると目の前に大きな岩造りの露天風呂があり、その向こうにお風呂の名前にもなっているしゃくなげが植わっていました。お風呂の手前側には簡素な脱衣スペースがあります。浴槽はひとつしかないようで混浴となるわけですが、おそらくこれを避けるために鍵を設けて1組限定の貸切状態(家族風呂状態)にしているのだと思われます(もちろん管理面の都合もあるのでしょう)。お風呂からは白砂川の渓谷が一望でき、とても開放的です。
この露天風呂のすごいところは注がれるお湯の量。無色透明のお湯が大量にドバドバ音を轟かせながら注がれています。そして注がれた量と同じ分のお湯が贅沢に川へ捨てられていきます。無論加温・加水なしの掛け流し。無名の温泉ながらこの贅沢な湯使いには感心させられます。温泉に恵まれている上州ならではでしょう。お湯からは仄かにたまごの匂いが香り、石膏味とごく薄い塩味が感じられました。なお露天風呂の隣には男女別になっている湯屋があり、こちらは地元の方々が月会費を支払って利用しているようです。
雄大な渓谷を眺めながら贅沢な湯使いの温泉に浸かれるにもかかわらず、まだあまり知名度が上がっていないようなので、露天風呂好きの方にとっては穴場といえましょう。
傍にしゃくなげが植わっている岩の露天風呂
ドバドバ注がれるお湯
露天風呂の隣にある地元民向け湯小屋
JR吾妻線・長野原草津口駅より花敷温泉(野反湖)行バスで約30分、花敷温泉下車。
バス停から500m程戻ると「喜久豆腐店」。
豆腐店とガソリンスタンドに挟まれた路地に入って坂道を下り川を渡ると左手にある(約500m)。
長野原草津口~花敷温泉 バス時刻表(JRバス関東)
群馬県吾妻郡六合村大字入山字京塚 地図
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
数値データ不明
営業時間・定休日など不明
500円
私の好み:★★
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