温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

上北温泉郷 まつのゆ

2010年12月06日 | 青森県

青い森鉄道(旧東北本線)・上北町駅から歩いて数分のところ、駅前商店街?の外れにある大きな温泉公衆浴場です。浴場としては古いんだと思いますが、改築されたのか建物は比較的新しく、かなり綺麗で明るい施設です。脱衣所も浴室もともに青森県らしく広々しています(以前の浴場は旅館「松園」に隣接していたようですね)。

 
タイルを多用した浴室には、これまた青森県標準の押しバネ式カランと壁直付の固定式シャワーが計37ヵ所も設けられていて、カランからはちゃんと源泉のお湯が出てきます。
内湯は一番大きな主槽、ぬる湯槽、あつ湯槽と並んでいて、あつ湯の隣にはスノコが敷かれていてトドになれるスペースが確保されていました。また、脱衣所側にはスチームサウナ・遠赤外線サウナと水風呂・電気風呂が、屋外には露天風呂が、そして露天と内湯の間には打たせ湯が・・・というように、よりどりみどり、バラエティに富んでいます。ほとんどスーパー銭湯並みですね。

薄い麦茶のような褐色透明で無味無臭、ぬるぬるに近いつるつるすべすべが明瞭で気持ちよい浴感。主槽は真ん中に飛び出た湯口からお湯が注がれ、手前側の切り欠けからオーバーフロー。ぬる湯やあつ湯はそれぞれの湯口から投入されています。あつ湯は50℃近い源泉をそのまま注いでいるため箆棒に熱く、全然入れませんでした。ぬる湯は長湯するのに丁度良い湯温で、じっくり浸かっていると肌に薄っすらと気泡が付着します。主槽はあつ湯とぬる湯の中間程度の湯温で、熱湯好きな老人もぬるい湯が好きな子供も入れる万人受けしそうな湯加減ですが、バイブラやジャグジーが作動していて、ちょっと騒々しいなぁ。


露天は周囲を壁に囲まれているので景色は全く楽しめませんが、火照った体をクールダウンする場所としてはいいかも。湯加減もいい感じでした。壁際の湯口からチョロチョロ投入されている他、底からも供給されているので、こちらもしっかり掛け流しです。

 
広い駐車場の手前に源泉施設と思しきタンクがあります。そこから建物へ引かれたパイプの途中から、余ったお湯が捨てられていました。源泉湯量が豊富なんですね。



松の湯温泉
アルカリ性単純温泉 49.5℃ 溶存物質0.503g/kg(成分総計も同数値)


青い森鉄道・上北町駅より徒歩5分(430m)
青森県上北郡東北町上北北1-34-49  地図
0176-56-5953

5:00~22:00
290円
貴重品ロッカーあり(無料)、ドライヤー20円、石鹸類は販売

私の好み:★★
コメント (2)
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ひばの湯ぽぷら

2010年12月06日 | 青森県

2008年に開業したばかりの比較的新しい温泉公衆浴場。ポプラ保育園に隣接しています。同じポプラですから経営者は一緒なんでしょうね。通りに面した敷地入り口には看板が立っていましたが、建物自体には何の表示も無いので、果たしてここが湯屋なのか、そうだとしても営業しているのか、ちょっと不安になっちゃいました。


昼前に訪問したところ無人状態(湯上りで帰るときに店番のおばちゃんが笑顔で登場)。玄関入ったホールに設置されている券売機で入浴券を購入し、傍にある机の上に置かれた所定の箱に券を投入。ホールは休憩スペースも兼ねていますが、誰もおらず、アイスクリームが入った冷蔵庫がジーと音を立てているだけで、ガランとしていました。ちなみにアイスも券売機により自己申告制で購入。お客さんを完全に信用した実に長閑な姿勢です。こちらのお客さんは皆さん正直なんでしょう。

 
名前の通り、浴室は総ヒバ造り。青森県地域は明治以降リンゴが有名になりましたが、それ以前はヒバ材が特産品でして、日本三大美林にも青森ヒバが挙げられているのは皆さんご存知の通りです。室内にもヒバのいい香りが漂っており、木のぬくもりがあちらこちらから伝わってきます。ヒバ財をこんなに贅沢に使っていながら入浴料が200円とは恐れ入ります。今時高級旅館だってこれほどヒバを多用できないんじゃないかしら。

シャワー付き混合栓が6つ、浴槽はメイン槽と寝湯槽のふたつ、そして打たせ湯も設けられています(露天風呂は無い)。


寝湯は一人サイズですが、仰向けになった際の体の曲線に合わせて底が湾曲しており、うまい具合に体にフィットしました(勿論体格によりますが)。打たせ湯は常時流れているものではなく、自分でバルブを開け閉めして利用します。

薄い黄色で透明、ほとんど無味でわずかに臭素臭が感じられる若干熱めのお湯が、ふんだんにオーバーフローして、洗い場いっぱいに流れていきます。つるすべ感も良好。湯面には泡が固まりになって浮かんでおり、湯中でもじっとしていると細かい気泡が肌に付着します(分析表を見る限り、溶けていたガス類ではなく、源泉から湯船へ投入される過程で紛れ込んだ空気だと思いますが)。
お湯の知覚や浴感は近所の長崎温泉に似ているような気がします。


裏手に回ると、地面からパイプ類がたくさん出ていました。源泉施設でしょう。

安くてきれいで使い勝手が良く、お湯が新鮮で木のぬくもりが暖かい、とっても気持ちの良いお風呂でした。



往来ノ下源泉
アルカリ性単純温泉 45.8℃ pH8.75 溶存物質0.538g/kg(成分総計も同数値)

青森県上北郡東北町往来ノ下31-3  地図
0175-62-2945

6:00~21:00 第二水曜定休
200円
ロッカー・ドライヤーあり、シャンプー等は無し

私の好み:★★★
コメント (2)
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出町温泉

2010年12月06日 | 青森県

青森市内、三内小学校付近の住宅街にある温泉銭湯。建物自体は大きいのですが、表通りから路地をちょっと入った奥に立地しているので、見つけにくいかもしれません。金曜日の夕方に訪れたところ、沢山の常連さんで賑わっており、地元に愛されていることがよくわかります。

スピーカーから演歌が流れてくる玄関に置かれた券売機で入浴券を購入。それを番台のおばちゃんに手渡します。演歌は脱衣所でも流れているのかと思いきや、館内には響いておらず、それに代わってテレビがついていました。広々とした脱衣所には棚の類が無く、籐の籠がたくさん積まれています。このため脱衣所の床はお客さんの衣類が入った籠で埋まっている状態。いまどき珍しい光景かもしれません(三千石浴場や黒石市の岩木温泉など、青森県内にはここと同じく棚が設けられておらず籠を床に置いて使うところが残っているんですよね)。


浴室も広く、カランがズラリと並んでいます。正面奥の浴槽上には、富士山のような山と松のペンキ絵が描かれていて、いかにも昭和の銭湯を強く感じさせる雰囲気。船底に塗るような鮮やかな水色塗料で塗られた四角錐の高い屋根も印象的。浴槽は向かって左側3分の2が一般的な深さで20人近く浸かれそうな大きさ。やや熱め。青森県の銭湯ではお馴染みの泡風呂になっています。右側は4人サイズで若干深めでちょっぴり湯温が低く、こちらにも泡発生設備が装備されています。両方とも泡風呂なので、この手の設備が苦手な人にとってはちょっと騒々しいかも。

無色透明無味無臭の癖が無いお湯。左側の大きな槽の中央に飛び出た、ドーム状の骨組みで覆われた湯口から源泉が大量に供給され、洗い場へ向かってオーバーフローしていきます。その様を見ていると実に豪快。加温加水循環なしのかけ流しで、塩素消毒されているようですが、ほとんど気になりませんでした。カランから出るお湯も当然源泉のもの。


ちなみに「出町」とは創業当時のオーナーさんの名前なんだそうです。玄関には昭和44年の分析表が残っていました。今も昔も泉質は単純泉で変わらず、以前の源泉温度は47℃(現在44.9℃、以下同様)でこちらも大した変化はありませんが、現在ではナトリウムイオンと塩化物イオンがそれぞれミリバル%で7割と8割を占める食塩泉型であるにもかかわらず、以前は炭酸水素イオンが131.427mg(56.2mg)もあって陰イオンの7割以上を占めており、ツルスベ感が強いことの多い重曹泉型であったようです。でも成分総計が0.3985g/kg(0.686g/kg)で現在よりもかなり薄いので、そんなに実感は得られなかったのかもしれませんね。あるいは以前の分析結果が不正確なのかも。


出町温泉2号泉
単純温泉 44.9℃ pH不明 溶存物質0.686g/kg(成分総計も同数値)

青森県青森市西滝2-6-23  地図
017-781-2531

6:00~23:00
400円
ドライヤー10円、石鹸類販売、ロッカー無し

私の好み:★★
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