温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

三朝温泉 株湯

2011年02月19日 | 鳥取県

三朝温泉の共同浴場のひとつである株湯は、昨年春にリニューアルオープンされたばかり。新しいもの好きの私は、某日に三朝温泉を訪れた際、真っ先にこの株湯へと向かいしました。


敷地の隅っこには株湯混合泉の貯湯タンクがあります。今から入るお湯はここから配湯されてくるんですね。


湯屋は昔ながらの共同浴場の趣を保ちつつも、ものの見事に綺麗に生まれ変わりました。館内にはまだ建材の匂いが残っていました。券売機で料金を支払い、チケットを受付のおばさんに渡します。


脱衣所も綺麗で清潔。基本的には木目を多用した落ち着いた雰囲気です。画像には写っていませんが、ちょっとした腰掛けスペースもあります。


浴室のカランはシャワー無しの混合栓が5基。腰掛は株湯のネームが入ったオリジナルの物です。


浴槽は石板造りで3~4人サイズ、お湯は底にあいた穴から供給されており、その量はかなり多く、窓下の排水溝へふんだんに溢れ出ていました。加水加温循環消毒は一切無いそうです。


お湯はごく薄く橙色を帯びた透明ですが僅かに濁っているようにも見えます。微金気味でほぼ無臭。少々の泡付きも確認できます。お湯の中では鮮やかな橙色や白色の浮遊物(塊)が浮き上がったり沈殿したりしていました。
加水されていないためか湯加減がけっこう熱く、長湯できないのでお客さんの回転は早めです。

三朝は基本的に放射能泉ですが、源泉によってかなり個性にバラつきがあってバラエティーに富んでいるので、一ヶ所入ったからといって満足しちゃいけません。温泉街の奥に位置するこの株湯では、熱い新鮮なお湯できりっと身を引き締めることができるので、三朝を訪れたら是非散歩がてらに一っ風呂浴びていきたいところです。

なお株湯の敷地内には飲泉所と足湯が併設されていますが、そちらについてはまた今度。他の飲泉所や足湯と一緒に取り上げるつもりです。


株湯混合泉
単純弱放射能温泉 51.0℃ pH7.2 溶存物質0.925g/kg 成分総計0.929g/kg

倉吉駅から日の丸バス・三朝方面行で三朝車庫前下車(約25分)、バス停から徒歩1分
鳥取県東伯郡三朝町三朝635-1  地図
0858-43-3022
三朝温泉観光協会ホームページ

8:00~21:45(日曜は10:00から)
300円
ロッカー有料(100円)、他の備品は無し(販売あり)

私の好み:★★
コメント (3)
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関金温泉 関の湯共同温泉

2011年02月18日 | 鳥取県
 
大山の東麓に位置する関金温泉は1200年の歴史を有しているのだそうです。倉吉からのバスを降りると、町並みからは昔ながらの宿場の面影が残る長閑な風情が漂ってきました。


関金温泉では「温清楼」に入ってみたかったのですが、残念なことに最近休業してしまったので、その奥にひっそり佇む共同浴場「関の湯」で湯浴みすることにしました。温泉街の谷戸の一番奥に位置していますが、国道から現地へ向かう道沿いには随所に「関の湯」の幟が立っているので道に迷うことはありませんでした。

 
途中には「延命茶屋」と名づけられた休憩所があり、茶屋という名前のクセに何にも飲食できないのですが、そのかわり足湯が設けられています。

 
「関の湯」一帯は谷頭のようになっているのですが、奥へ行くに従いどんどん寂しくなってゆき、「温清楼」を含め少なくとも2~3軒の旅館が廃業していました。ご多分に漏れず当地の温泉も斜陽まっしぐらなのでしょうか。

 
関の湯の向かいには真言宗の古刹「大滝山地蔵院」があります。関金温泉は行基が開湯したと伝えられていますが(弘法大師説もあり)、この地蔵院も行基が開山したそうなので、当地においてお寺と温泉は密接に関連していたのでしょう。温泉旅館は参詣客にとって門前宿として機能していたのかもしれません。


さて「関の湯」へ伺いましょう。
玄関入って正面の受付で料金を支払います。玄関の左側が浴室で、受付側が女湯、手前側が男湯。


全体的にこじんまりとしており、脱衣所の造りも至って質素で、必要最低限のものしかありません。脱衣所に洗面台は無く、なぜか浴室内に設けられていました。ただしカランはありません。

 
浴槽は木造で、2人入ればいっぱいになってしまいそうな小さなものです。湯船は女湯との境が違い格子になっており、お湯は向こう側とつながっていますが、互い違いになっている格子の重複部分が長いために、向こう側の様子は全く見えないようになっています。

お湯は無色透明。湯口に「飲泉可」と書かれているので飲んでみると、ほとんど無味無臭でアッサリしており、すっきり軽くて飲みやすい口当たりでした。強いて言うならば喉越しに微かなほろ苦さが残る程度でしょうか。

湯温は40℃くらい、スベスベ気持ちよい浴感でとっても柔らかく、いつまでも入っていたくなる上品なお湯です。後を引くのでなかなか出られませんでした。湯上りもさっぱり爽快ですが、じわじわと体の内部から温まっているのがわかります。温泉地の共同浴場らしく、しっかりお湯が掛け流されているのも嬉しいところです。


単純弱放射能温泉 39.5℃ pH7.8 17.9L/min 溶存物質0.432g/kg 成分総計0.436g/kg
(衛生管理のため消毒剤を注入、冬季は加温)

倉吉駅より日本交通バス・関金線で関金温泉下車(約35分)、バス停より徒歩5分(約550m)
鳥取県倉吉市関金町関金宿1227-1  地図
0858-45-3186


6:30~21:00(10月~3月は7:00~21:00) 毎月1日・15日休業
200円
備品類なし

私の好み:★★
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岩井温泉 岩井屋

2011年02月18日 | 鳥取県

岩井温泉の中心部に位置する「日本秘湯を守る会」会員の旅館です。宿泊だといいお値段するので、日帰り入浴をお願いしてきました。

 
老舗らしい上品な館内には掛け軸や骨董のお皿が陳列され、骨董屋さんが見たら「いい仕事してるねぇ」と唸りそうな調度品も置かれています。

 
庭園を見ながら歩けるガラス張りの浴室へのアプローチも素敵。


お風呂は足元湧出の内湯「長寿の湯」、露天「背戸の湯」、内湯「祝いの湯」の3つに分かれており、長寿の湯と背戸の湯はセットになっているらしいのですが、これらの浴室は男女日替わりになっており、運悪くこの日の男湯は「祝いの湯」のみだったので、こちらのお宿が誇るお風呂には入ることが出来ませんでした。従いまして、ここでは「祝いの湯」に関することだけを書かせていただきます。


脱衣所に入るとお香のいい香りが。畳敷きなので裸足でも楽です。どちらかといえば狭い空間ですが、共同浴場のように一度に大人数が使うことはあまりないでしょうから、必要最低限の広さに留めたのかもしれません。さすがに旅館だけあって、脱衣所内のアメニティーは充実しています。


浴室でも御香が焚かれていていい香りが漂っていました。木材と石を多用したシックな和風の造りで、一番奥に秘湯を守る会の提灯がぶら下がっています。床の石もただ敷かれているのではなく、歩くエリアとそうでないエリアを分けて違う石材を配しているところも庭園を思わせてくれます。和風一辺倒かと思いきや、画像左奥に写っている明り採りの窓にはステンドグラスが使われていて、明治や大正期のような和洋折衷っぽさをさりげなく醸し出していました。
室内には竹の湯口から湯船へ注がれるお湯がチョロチョロと立てる音が響くのみで、上品な静寂に支配されていましたが…


いきなり入口付近で「カタン」といい音が響くではありませんか。振り返ると、そこには鹿おどしが置かれていました。ちょろちょろとお湯が鹿おどしの筒に注がれています。


洗い場にはシャワー付き混合栓が3基設置され、カランから出てくるお湯は源泉使用です。

 
浴槽は石板貼り。浴槽の縁から静かながらシッカリとオーバーフローしています。湯口のまわりだけ深くなっており、身長165cmの私ですとへそ上まで沈んでしまうほどです。その部分は底がスノコ敷きになっており、たまに気泡がプクプクと上がってくるのですが、これって足元湧出だったりするんでしょうか(そうだったら嬉しいな)。

お湯はほぼ無色透明ですがやや黄色っぽいようにも見えます。湯口のお湯は飲泉可なので、喜んで口に含んでみると、金気味+石膏味+微芒硝味が感じられるのですが、石膏味にせよ芒硝味にせよ、東日本の硫酸塩泉とはやや毛色が異なるような感じです。湯口で嗅ぐとタマゴらしき匂いと金気の匂いが感じられました。なめらかさの中に引っかかりが混在するような浴感(サラサラとキシキシの混在と表現することもできそう)。黄土色の浮遊物がちらほら見受けられました。ちょうど良い湯加減に調整されているので、いつまでも浸かっていたくなります。後を引く素晴らしいお湯です。

ゆかむり温泉と同じ源泉(第一泉源)のはずですが、こちらの方がはるかにお湯の持つ個性が強く伝わってきました。湯使いに縁るものなんでしょうか、お客さんの出入りが少ないのが良い方向に働いているのでしょうか、あるいは私が雰囲気に呑まれちゃっているだけなんでしょうか。とにもかくにも、お湯にも内部の造りにもうっとりできる、素敵なお風呂でした。


第一泉源
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 47.6℃ pH7.3 797L/min 溶存物質1.729g/kg 成分総計1.735g/kg

JR山陰本線・岩美駅(あるいは鳥取駅)より日本交通バスの岩美・岩井線(蕪島または長谷橋行)で岩井温泉下車、すぐ
鳥取県岩美郡岩美町岩井544  地図
0857-72-1525
ホームページ

日帰り入浴12:00~19:30
750円
貴重品は帳場預かり、シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★


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岩井温泉 岩井ゆかむり温泉共同浴場

2011年02月17日 | 鳥取県
 
因幡の岩井温泉は1300年の歴史を有する山陰最古の温泉なんだそうですが、当地には湯かむりという風習が残っているそうで、頭に手ぬぐいを乗せて柄杓で湯をかむるのが、そのスタイルなんだそうです。その不思議な習慣の名前を冠した公営の共同浴場へ行ってきました。岩井屋の並び、明石家の向かいにあります。平成14年にオープンした比較的新しい建物で、館内は明るく清潔、バリアフリー対策も随所に施されています。券売機で料金を支払い、券を受付のおばちゃんに手渡します。

 

(↑画像右はクリックで拡大)
脱衣所は無駄がなくて使いやすい合理的な造り。
室内には「ゆかむり唄」の歌詞が掲示されていました。


浴室に入ってまず目に飛び込んでくるのが、壁面の大きなタイル画。歌に合わせて踊る2人の女性と、岩井温泉名物の湯かむりを楽しむ爺さんたちの様子が描かれています。なお浴室内にあるカランはシャワー付き混合栓が6基。

 
浴槽は2つ。手前側が方形で奥が円形。それぞれに湯口が設けられ、その投入量はかなり豊富です。浴槽の切り欠けからどんどんお湯が排出され、人が入るとザバーっと豪快に溢れ出します。やっぱり新鮮なお湯に入れるって気持ちいいですね。


手前側の方形の浴槽では掛け湯用の桝が湯口を兼ねていました。

いずれも源泉温度が高いため加水されていますが、それでも特に奥の円形の浴槽は熱く、湯浴みする皆さんはじっくり浸からず、すぐに上がり、床に胡坐をかいてグッタリしていました。

通常は上述の湯口からお湯が投入されているのですが、一定時間毎なのか或いは偶々だったのか、私の入浴中には湯口のお湯が止まり、その代わりに浴槽側面や底の穴からの投入が数分だけ行われました。投入量は相変わらず多いため、お湯がどんどん切り欠けから排出されていましたが、湯口をこのように切り替える目的って何なんでしょうね。

無色透明のお湯は僅かに黄色を帯びた貝汁濁りを呈しているようにも見えます。お湯の中には赤茶色の浮遊物がチラホラ。金気味+石膏味、弱金気臭+土気臭+石膏臭(+タマゴ臭とは似て非なる匂いも感じられました)。キシキシ系の浴感で、硫酸塩が効いているのか温まりも強く、湯上りは長い間ホコホコと保温が続いて湯冷めしませんでした。

訪問時は休日だったためか大変な混雑で、ひっきりなしにお客さんが出たり入ったりしていました。でも多客時でも湯船のお湯が鈍ることが無く新鮮さが保たれていたのは、贅沢に使い捨てることができる豊富な投入量のおかげでしょうね。


第一泉源
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 47.6℃ pH7.3 797L/min 溶存物質1.729g/kg 成分総計1.735g/kg

JR山陰本線・岩美駅(あるいは鳥取駅)より日本交通バスの岩美・岩井線(蕪島または長谷橋行)で岩井温泉下車、すぐ
鳥取県岩美郡岩美町岩井521  地図
0857-73-1670
ホームページ

6:00~22:00
300円
100円リターン式ロッカーあり、ドライヤーは受付で貸し出し、シャンプー類は販売?

私の好み:★★
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鳥取市街 元湯温泉

2011年02月17日 | 鳥取県

鳥取駅付近の市街地にはいくつか温泉浴場がありますが、その中でも「元湯」という名前に惹かれて「元湯温泉」入ってみました。大正14年に噴泉浴場として開湯されたそうですが、その際に地元の方はこちらを元湯と称したので、それを屋号にして今に至っているんだそうです。
2006年に改築されたばかりなので、外見は比較的新しく小洒落ており、近所の日の丸温泉みたいに赤い温泉マークが高いところに掲げられています。


内部は、下足箱の木の鍵、大きなアルミ板で出来ている脱衣所の脱衣棚の鍵、番台などなど、昔ながらの銭湯を思わせるグッズや構造が散見されます。


 脱衣所と浴室の間にある洗面台には昭和の琺瑯広告看板のミニチュアがいくつも飾ってありました。意図的にレトロな雰囲気を醸し出しているのですね。洗面台の向かいには常連さんのお風呂道具がズラリ。地元の方から愛されているお風呂なんだということがよくわかります。


浴室は床、浴槽、腰板などがタイル貼りですが、それ以外(壁や天井・梁・柱など)は木造で、ぬくもりが感じられるデザインです。天井も高いので、室内面積の割には開放感がありました。カランは10基設けられており、いずれもお湯のみで押しバネ式。シャワーもお湯しか出ず、コックで開閉します。


半円形の浴槽に張られたお湯は無色透明、微かな塩味+芒硝の味&匂いが感じられます。しっかり循環濾過消毒しているようで、塩素臭が強いのが残念なところ(小さな浴槽に次々と不特定多数のお客さんが入るところですから、消毒は仕方ありません)。また源泉温度が高いために加水もされているようです。人が湯船に入ればザバーっと溢れ出ますが、そうでなければお湯はきちっと浴槽の縁スレスレのところで水位をキープしています。循環濾過されているものの、湯面まわりや浴槽外側は茶色く着色しており、お湯が持つそもそもの濃さを窺い知ることが出来ました。

訪問時は日曜日の夕方でして、おそらく最混雑時間帯だったのでしょう、最大で15人ものお客さんが狭い浴室内に入っていました。街中の便利な場所にあるので、ホテルのユニットバスの狭さから逃れたい時に入ると良いかもしれません。


ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 49.7℃ pH不明 溶存物質4.159g/kg 成分総計4.176g/kg

JR鳥取駅から徒歩10分(約1km)
鳥取県鳥取市末広温泉町557  地図
0857-22-7617
ホームページ

6:30~9:30、13:00~23:00 無休
350円
ロッカー・ボディーソープあり(シャンプー類は販売)、ドライヤー3分10円

私の好み:★+0.5
コメント (2)
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