ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

10クローバーフィールドレーン

2016-06-20 12:17:00 | 映画

時として、エイリアンよりも人間のほうが怖い場合もある。

プレッパーズと云う言葉を知ったのは、CS放送のディスカバリーチャンネルであった。曰く「世界の滅亡に備える人々」である。どうも、米ソの冷戦が深刻な状況であったキューバ危機の頃から生まれたらしい。

核戦争が実際に起こった場合に備えて、自宅の地下にシェルターを作り、そこに大量の食糧、武器、弾薬、医薬品などを備蓄しているとのことである。冷戦が終結しても、彼らは備えることを止めなかった。生物兵器、未知の病原体、宇宙からの侵略者などに備えるため、家族ぐるみで郊外に地下シェルターを作ったり、防衛隊を組織したりしているという。

驚くべきことに、このプレッパーズはアメリカだけで300万人はいるという。彼らのために、地下シェルター建築を請け負う専門業者までいるというから驚きである。

表題の映画は7年くらい前にDVDで観た、ちょっと変わったエイリアン侵略映画であった。一応、本作品はその続編との位置づけのようなのだが、私からすると、エイリアンよりも、このプレッパーの男性のほうが怖い。

この映画では描き切れていないが、どうもかなり怪しい過去の持ち主らしいのだ。この映画、作中の大半が、このプレッパーに救われた女性と、シェルターを作るのに協力した男性の三人で成り立っている。

ゆえに、非常に濃密な人間関係が構築される。これが怖いのだ。閉鎖された地下シェルターの中で繰り広げられる人間模様は、SFというよりもサイコ・ホラーを思わせる。もちろん、前作のエイリアンも出てくるのだが、やもすると余計な継足しの印象が否めない。

エイリアンものとしては、異例な低予算で作られているようだが、意外に面白い。続編と考えずに、スピンアウトした作品だと思って観れば、けっこう楽しめると思いますよ。

コメント
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