ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

燃費偽装問題に思うこと

2016-06-06 11:53:00 | 社会・政治・一般

三菱自動車に続いて、鈴木自動車も燃費偽装があったことが発覚した。

最初に書いておくと、燃費を偽装して消費者を騙したことは悪い。これは、どうしようもない事実だ。その点を庇うつもりは一切ない。

ただ、この問題は別の意味で非常に厄介な課題を抱えている。現在、売れ筋の車は、概ねハイブリッド車など燃費の良い車となっている。この燃費というものは、けっこう水物というか、状況次第でいくらでも変わる代物だ。

同じ車であっても、ドライバーの技量や癖により、燃費が大きく変わることは自ら運転する人なら、経験あることだろう。また、同じ車で、ドライバーも同じであっても、夏場か冬場、あるいは昼間か夜かで燃費は違う。また走る道が一般道なのか、高速道路なのかで、まったく変わってしまう。

またカタログ燃費と実燃費の乖離も相当にある。これは致し方ない部分もある。かつてのテンモード燃費、あるいは現行のJP燃費は、実際の車に搭載されている電装部品がない状態で計測される。

つまり一般の車に搭載されているDVDやスピーカー、その他の電気を使用する器具がない状態で計測される。これはデーターの公平性の点から致し方ないと思うが、実際の車では電気を消費する機材が多数設置されている。

当然ながら、電気を多く消費すれば、それは燃費に大きく影響する。これは小型車ほど影響が大きく、結果としてカタログ燃費と実燃費との乖離という問題が生じてしまう。

だからといって、カタログ燃費を偽装していいという理屈にはならない。しかし、実際の燃費である実燃費こそが、本当のガソリン消費を示す数値であるのも確かであり、カタログ燃費は目安に過ぎない。

そして、私の知る限りでは、三菱と鈴木はこの実燃費の良好な車が多いのだ。技術屋が幅を利かす三菱や、実用一点張りの軽自動車作りの名人である鈴木は、この実燃費に拘ったのではないかと想像できる。

消費者を騙すのは良くないのは当然なのだが、今回の事件には、正直あまり悪質な印象が私にはない。これは横浜のマンションの基礎杭うちの偽装とは、まるで違うと思うのです。

もし、車を出来るだけ安く買おうとお考えなら、三菱と鈴木は買い時かもしれませんね。



コメント (4)
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