ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

良識と本音との争い

2016-06-10 12:01:00 | 社会・政治・一般

CBSニュースを見ていたら、ようやくヒラリー・クリントン女史が民主党の大統領候補として決まったとのこと。

こりゃ、近年まれにみる捻じれ選挙になるかもしれない。私の想像では、サンダース上院議員を応援した民主党の支持者は、おそらくはヒラリーには投票しない。トランプに投票する可能性が高いのだ。

一方、トランプに投票しなかった共和党支持者たちも、素直にトランプを支持したくない。まだヒラリーのほうがマシに思えてしまう。ただ、近年政権与党から遠ざかっているがゆえに、迷いがちでもある。

トランプもサンダースも、共に従来の伝統的な大統領候補者からは程遠い。どちらも共和党の政治姿勢、民主党の政治姿勢とはかけ離れているのが特徴である。そして、だからこそ支持された。

これは、ここ30年あまりのホワイトハウスが取り仕切る政治が、一部の超富裕層を優遇する一方で、中産階級を没落させて下層階級を増やしてきたことの顕れである。

アメリカの大衆は、もはやアメリカンドリームを求めず、弱者を蹴落として、自分だけが強者(富裕者)になることに絶望を覚え、日々の暮らしに追いまくられている。かつての余裕はなく、外国のことに関心を持てず、今日の暮らしに一喜一憂していることの証でもある。

そのようなアメリカの大衆、とりわけ没落した白人労働者階級こそが、トランプやサンダースを支持してきた。だからこそ、予備選挙は大変な混乱状態となったのだと思う。

良識あるアメリカ人は、ヒラリーなら安心できる。現実を破綻させるような極端な政策をとらないと分かっているからだ。しかし、ヒラリーが現状を良くさせる方向に行くかどうかに確信を持てずにいる。

一方、本音の部分ではトランプが従来の政治家とは異なることを察知している。だからこそ不安を覚えるが、それを未知の可能性として現状打破の希望を抱かずにはいられない。

長かった大統領予備選が、もうすぐ終わりますが、これからの本選が目を離せません

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