ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

アメイジングスパイダーマン

2012-07-19 14:12:00 | 映画

ここしばらく、アメリカのパルプマガジンのヒーローたちを取り上げることが増えた。

多分、春先以来の激務による過労と、不況により財布の中身が寂しくなったことが影響していると思う。こんな時は、お気楽なヒーローもので心を和ませたいではないか。そんな気分なのだ。

そんな情けない理由なのだが、白状すると楽しい。なんといっても十代前半に楽しんでいたアメコミ・ヒーローたちなのだ。つっこみどころは、沢山ありすぎて困るぐらいだが、大人の余裕でそれすら流して楽しめる。

なかでもスパイダーマンは、アメリカの正義が前面に出てこないだけに、素直に楽しめる。だが、既に三作も作られているスパイダーマンを最初からやり直すが如き本作はどんなものだろう。

ちょっと不安を感じながら映画館に入ったが、思ったよりは好印象であった。なかでもクモの糸を壁や柱に絡ませての空中散歩の失敗が楽しかった。そりゃそうだ。あんなアクロバティックな空中散歩、最初っから上手くいくわけない。

失敗しながらも、少しずつ空中散歩を上手くなっていくのは、ある意味とてもリアルで、いささか内面の葛藤を処理しかねている主人公をよく描けているように思えた。もともとスパイダーマンはアメコミでも悩めるヒーローとして名高く、それをどう描くかが見ものだと思っていた。

誰だって最初は初心者だ。スパイダーマンも最初は初心者ヒーローだった。未熟で、自意識過剰で、己を客観視できずに暴走する若者そのものだ。だからこそスパイダーマンは面白い。

ただ、この作品伏線が多すぎる。これじゃァ、二作目以降が必ずあるんだよとの宣伝が散りばめられているのが見え見えだ。この点が不満だね。ヘンな後の引き方はやめにして欲しい。

アメコミらしく、すっきり、ばっちり、時間内で解決して欲しいな。余計な伏線は、むしろマイナス要因だと思うぞ。

コメント (4)
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