ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

Love まさお君が行く!

2012-07-10 16:26:00 | 映画

人前で泣くのが大嫌い。

だから、泣くと分かっているような映画は、あまり見たくない。見るのならば、一人家でDVDで見ればいい。そう思っていいる。それは今でも変わらない。ただ、知人のお子さんが観たがり、その付き合いで映画館に行く羽目に陥った。

お笑いと、いささかのお涙頂戴ものだと予測はしていた。予測通りの内容でもあった。分かっていたけど、やっぱり涙腺ゆるむぞ。

犬という動物が人間の身近な存在となった歴史は古い。もっともネアンデルタール人らの旧人類には犬と共同生活を送っていた形跡は見られない。犬が人間のそばで暮らしていたことが分かる痕跡は、クロマニヨン人ら現行人類の住居跡などから分かるが、氷河時代が緩み温暖化が進んでからだと考えられる。

いかなる経緯で犬と人間が仲良くなったのかは、いまだに謎であり、諸説いろいろある。一番流布しているのは、なんらかの理由で親犬と引き離された子犬を、人間が拾って育てて狩りに使うようになったという仮説だろう。

だが、近年の研究で犬自らが人間の生息域に積極的に入り込んできて、結果として共同作業をするようになったことが契機ではないかとの新説が出た。これは今もアフリカの一部の地域であるようで、野犬は人間の集落周囲に棲み、ライオンなどが近づくと野犬を吠えて人間に知らせる。結果として野犬は自らの安全を確保し、人間も早期にライオンの接近を知り、双方が利益を得る。

ちなみに、そのアフリカの村では犬を飼う習慣はなく、なんとなく自分たちの集落の近辺に生息する友好的な生き物として扱われているそうだ。アフリカでは犬は、あまり強い存在ではないがゆえに、最強の生物すなわち人間に寄り添うことで生き残る方策としていると考えられる。

私のその研究を知った時、犬は人間の都合だけで家畜化されたのでないと分かって、妙に安堵したことを覚えている。なぜなら、人間の都合だけで飼われたり、捨てられたりする犬を見てきたからだ。

犬は忠実な友となる。裏切ることを知らず、その黒いつぶらな瞳で飼い主に付き従う。その犬を人間の都合で飼いならし、人間の勝手で捨て去る。捨て去られた犬は野犬と化して、人間不信に陥り強烈な憎悪さえ抱く。

私はそんな野犬を何度か見ている。野犬に罪はない。責任を問われるべきは、捨てた人間の側にこそある。犬を飼う以上、最後まで面倒を見る覚悟が絶対に必要だと思うし、法律で義務化して欲しいと願っている。

もっとも最近は人間の子供さえ満足に育てられないダメ親がいるようなので、可愛いとの気持ちだけで安易に犬を飼いだしたバカ飼い主が、自分の一方的な都合で犬を捨てるのも、ある意味当然なのかもしれない。

殴るぞ、馬鹿野郎!

ところで表題の映画は、実話をもとにしている。「ポチたま」とかいう番組を見かけたことがあるが、どうもそれらしい。もっとも売れない芸人は見知らぬ人で、映画でその役を演じたSMAPのお兄ちゃんではなかった。

でも、売れっ子のSMAPのお兄ちゃんのいささか過剰な演技、そう悪くなかった。こんなお笑い芸人がいたら、たしかに売れないだろうな、と思ってしまったからだ。その意味で演技は相応なのだろう。

無理に見るような映画ではないけれど、観てもそう後悔することはないと思います。まァ、犬好き故の贔屓も加算されていますがね。

コメント (6)
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