ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

教育基本法を巡るドタバタ劇

2006-05-23 09:40:08 | 社会・政治・一般
「日米安保、絶対反対!」 懐かしい言葉です。

他にも沢山ある。「自衛隊は違憲」「核兵器廃絶」「ノーモア・広島、長崎」「ソ連、中国との連帯」「憲法9条死守」「君が代、日の丸反対」。でも、いくら声を枯らして叫ぼうと、決して過半数にはならない冷酷な現実。

反対すれども、反省はしない彼等平和市民運動家たちは、自分たちの善人性を信じて疑わないがゆえに、なぜ自分たちの正しい主張が支持されないのか分からない。せっかく、社会党が村山首相の下で与党になったのに、日米安保は保持され、消費税は廃止されず、日の丸君が代はなくならない。

絶望した彼らが思いついたのが、子供たちを味方につけること。まだ世情を知らず、判断力も十分でなく、教師の教えに従順に従う子供たちに、自分たちの思想を刷り込むこと。いつの時代でも若者は不満を抱き、反発するエネルギーを秘めている。そのエネルギーを自らの政治目的に活用することで、世の大人たちから支持されなかった自分たちへの支持者とさせる。

その結果、教師の教えに素直に従うまじめな子供たちが彼等平和市民運動の新しい支持者となりつつある。歪んだ自虐的歴史教育や、ジェンダーフリーといった頭でっかちの妄想的理想論が幅をきかせるようになった。

幸いにして、社会に出て理想と現実の間で悩み、葛藤し、苦しみもがいて妥協点を見出す経験を経ると、十代の頃の馬鹿げた教育の間違いに気が付く。いや、気が付いて欲しい。

今、国会で審議されている教育基本法ですが、日本くらいでしょう。愛国心がこれほど議論を呼ぶなんて国は。

私は愛国心を強要されることには反発を覚えますが、その一方愛国心を否定する歪んだ心性に寛容でいる気持ちはない。国あるいは政府が嫌なら、嫌でない国にすればいい。選挙で投票したり、政治献金したり、あるいは政治家に直接質したりすればいい。役人になって、いい国に少しでもなれるよう努力してみろと言いたくなる。

否定することで、賢しげに偉ぶる底の浅い識見には吐き気を覚える。矛盾と不備だらけの法制度のなかで、疑問をもちつつも地道な仕事をしている役人や政治家に遠く及ばない。今の日本政府が嫌なら、嫌でない政府になるよう努力してみろと言いたくなる。反対するしか能がない、口先だけの理想論には、もうこりごりなのです。
コメント
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