ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「風の大陸」 竹河聖

2006-05-06 22:31:27 | 
本を読んでいると、その作者となんとなく波長が合うというか、共感することがあります。具体的にどうこうという訳ではないのですが、妙に同調してしまうことがあるから不思議。

伝説のアトランティス大陸を舞台とした伝奇小説である本作は、連載当初から、何となく波長が合う感があった。後書きを読むと、作者の竹河聖は猫好き、音楽好きと芸術肌の方のようで、私とは異なるライフ・スタイルなので、不思議に思っていたのですが、ある時判った。

竹河聖は、私と同じ元・キリスト教徒だったのが、波長が合うと感じた原因でした。言葉にして説明するのが難しいのですが、イエスの愛を信じつつ、教会のあり方に疑問を感じ、教会から離れた者に相通じあう感性に、私は惹かれていたようです。

私は海外、特にヨーロッパへ行くと、必ず美術館巡りをしますが、実は宗教画が苦手。子供の頃から聖書に慣れ親しんだがゆえに、宗教画の前に立つと様々な言葉が語りかけてくる圧迫感があって、どうも近づきがたい。だからといって、神を否定している訳ではない。このあたり、私自身が完全に把握していない、複雑怪奇な心象なので説明できません。

なお、本作「風の大陸」自体は、キリスト教とは無関係です。これはこれで、小説として面白い。このたび、最終巻を迎えたようなので、近々一巻から読み直すつもりです。へへっ(笑)、実は最終巻は、まだ読んでいません。最初から読み直して、最後の感動を迎えるつもりなのです。どんなエンディングなのか、楽しみでなりません。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする