曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

さらば愛しきクルマよ

2014-12-04 23:37:52 | クルマ
3代目フィットRSがウチに来たということは、それまで乗っていたストリームは、もういないわけである。

小さいクルマに乗り換えることを決めたのは夏だ。次は何にするのかを決めるのは、フィットのイヤーモデル的マイナーチェンジがどうなのかが判明する秋ということになっていた。夏から秋にかけて、僕は「ストリームを運転できるのはあと何回」と数える日々であった。

ストリームは「最低でも2回車検を通す。7年くらい乗る」と嫁に宣言して買った。それが志半ばにして手放すことになってしまった。

最初の愛車、初代フィットからストリームに乗り換えた時も悲しかった。初代フィットは、僕にドライブの楽しさを教えてくれた恩車だった。ナビの移設をやってもらう関係で、初代フィットはストリームの納車の前日にホンダカーズに引き渡した。といっても、いつも通り来客用駐車場に停めて担当営業マンに鍵を渡しただけ。その日は体調が悪く、車内の片付けしかできなかった。洗車してやれなかった。

代車で帰宅し、翌日ストリームの納車の前に、頼んでフィットを見せてもらった。フィットは、普通客が行かない店の屋上の駐車場で、他の下取り車や代車要員?と一緒に並んでいた。僕が感傷的すぎるのかもしれないが、フィットは寂しそうに見えた。

その初代フィットを見たのは、それが最後だ。その後の消息は分からない。何故か分からないが、聞かないほうがいいような気がしたのだ。

今回の乗り換えは、納車当日までストリームがウチに居た。ストリームを運転してホンダカーズに行った。運転しながら、今までありがとうとか、いい人に買われるんだぞとか、心の中で語りかけていた。前の週は、ストリームでの最後の家族旅行として、日帰りで河口湖に行った。納車の前日は、子供たちをストリームの前に立たせて記念撮影した。ストリームと自撮りしたり、車内を動画で撮ったりもした。出来るだけのことはしたつもりである。もちろん洗車もした。ガソリンスタンドの洗車機に突っ込んだだけだけど。

でも、納車当日は、またあっけないお別れだった。ホンダカーズの駐車場は、乗り入れるとすぐにスタッフが飛んでくる。担当の営業マンなら多少配慮してくれたのかもしれんが、そうではなかったので、またしても普通に鍵を渡しただけ。感傷に浸れる間がなかった。僕はそのまま振り返ることもせずに店内に入ってしまい、二度とストリームを見ることはなかった。

今これを書いていても、軽く胸を締め付けられるような気持ちになる。しかし、一方で新しいマシンを手に入れた喜びもある。納車までの待ち時間もそうだった。別れの寂しさと出会いの喜びが混ざって収拾がつかなくて、僕は混乱したまま各種の書類にサインをした。

愛車への愛は永遠ならざる愛だ。車には寿命があって、それは結構短い。最後まで一台の車と添い遂げることは不可能ではないが、経済的にも機械的にも容易ではない。だから我々ドライバーは、愛車との永遠の別れを何度も経験しなければならない。モノに思い入れる傾向がある僕には、なかなかキツイ経験である。他の人は、どうやって愛車とお別れしているのだろうか。

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