曖昧批評

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永遠に未完の完全試合

2013-06-29 22:57:08 | スポーツ


中日ドラゴンズの山井大介が、昨日の横浜戦で 史上77人目のノーヒットノーランを達成した。マスコミの論調は、あの日本シリーズ完全試合未遂以来の物語が完結、みたいな雰囲気だ。

未完の完全試合。山井大介の"決断"の理由。

今Wikipediaを見ると、プロ野球関係者を中心に、あの継投は当然という風潮になっているらしい。

僕はあの継投に否定的である。というか、低迷するプロ野球人気をさらに低迷させた最悪の糞采配だったと思っている。

山井に責任はない。ナンバーの記事にある「投げたい、でも勝ちたい」という迷いはよくわかる。めちゃくちゃ共感する。

落合中日は過去2回日本シリーズに挑戦して2回とも敗退している。今度こそ優勝したい。

8回までバーフェクトに抑えられたのは、荒木や中村紀のファインプレーがあったから。今日の勝利は自分だけのものではない。

だが、このシリーズをほぼ全部生中継で見ていた僕に言わせれば、ファイターズ打線は、まったく当たっていなかった。第1戦こそ3点取って勝ったが、そこから1点、1点、2点と、どんどん打てなくなっていた。ここまで4試合で7点しか取れていないのだ。

僕は当時、ドラゴンズファンの友人に「今年の日ハム打線は非力な上に当たってないから、もう安心していい」というようなことを言った。それくらい、こりゃ打てんな、という雰囲気だった。

あとひとつ勝てば日本一。負ければ札幌に戻り、流れがファイターズに行くかもしれない。と言うが、負けても3勝2敗。残り2試合のどちらかを勝てばいいのだ。もともと非力な上に最悪の状態のファイターズ打線が相手では、流れなんて変わらないし、どうやったって日本一だっただろう。いろんな監督が「自分でも替えてた」と言ってるが、たぶんあのシリーズをちゃんと見ていない。

俺も替えると言ってる監督たちは、絶対の抑えがいるんだからとも言うが、その岩瀬は直後のインタビューで「大変なことになった」「まさか完全試合でバトンを渡されるとは」と当惑ぎみだった。あの日の山井なら、岩瀬より9回を3人で終える確率が高かったと思う。

あの試合の山井は神懸かっていた。ありえないほどカーブとスライダーがキレていて、制球も完璧だった。いわゆる「キレキレ」の状態だった。山井は一生に一度のピッチングをしており、ファイターズ打線が打てそうな気配はまったくなかった。

一野球ファンとしても、一生に一度見れるかどうかのピッチングを俺は今見ているんだな、と感じた。こんなのは槇原が広島相手に完全試合を達成したとき以来だった。

日本シリーズ第5戦 中日・山井大介8回までパーフェクト 全24アウト


続投していれば山井は完全試合を達成していたと思う。史上初の(そして今後おそらく長い間史上唯一の、となりそうな)日本シリーズ完全試合という歴史的瞬間を目撃するチャンスを、我々ファンは取り上げられてしまった。

中日の優勝は中日ファンのものだが、日本シリーズ完全試合は、達成されれば野球ファンすべての宝物となっただろう。選手と監督は試合に勝つことでご飯を食べてるかもしれんが、その飯代を出してるのはファンだ。それを落合と森繁和は忘れている。

落合は昨日「次は完全試合だな」と言ったそうだが、レギュラーシーズンの話じゃないんだよ。日本シリーズなんだよ。もう二度とチャンスはないだろう。

こうなったら、まだ達成されていない大記録として、誰かこれからの投手に頑張ってもらうしかない。
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